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坂口健太郎と藤木直人の間に生じたほころび 『イノセンス 冤罪弁護士』衝撃の展開で最終話へ

リアルサウンド

19/3/17(日) 12:00

 『イノセンス 冤罪弁護士』(日本テレビ系)が3月16日の第9話にて最終章に入った。拓(坂口健太郎)とともに仲良く写真に写るのは、パーマがかかった黒髪に、ベージュ色のコートとパンツを身にまとった浅間大輔(鈴之助)の姿。浅間は拓の友人でもあった秋保(藤木直人)の妹を殺したという冤罪に耐えきれず、自殺した。彼の死後、その影を背負ってきたのだろう拓は、ついに死後再審(被告人の死後、新証拠を見つけて行われる再審)に足を踏み入れようとする。そんな折に発生した、11年前の事件に酷似した殺人事件。果たして11年前の真相に近づきつつあるのか、また真実が明らかになれば、それで拓や秋保は救われるのか。何もかもが不明瞭ななかで、彼らの心は大きく揺れはじめる。

参考:川口春奈と深まる絆

 11年前の事件で妹を殺された秋保と、その罪を疑われ、獄中で自殺してしまった被告人を友にもつ拓。彼らふたりは、同じ事件のなかで共に大切な人を亡くした過去を共有しながら、これまで数々の冤罪弁護を協力して達成させてきた。しかし、第9話で明らかにされたのは、拓と秋保の間には大きく方向性の違いがあるということ。とりわけ11年前の事件が関わってくると、抑えようのない決定的な“違い”が抜き彫りになってしまう。 “違い”とはすなわち、浅間のことを無罪であると信じ、何としても彼の罪を晴らしたいという拓の気持ちと、浅間の冤罪や真犯人が明らかになっても、妹が死んだ事実は変わらないという苦悩を抱える秋保の心理のこと。この事件に関して、秋保が拓に協力して真相を究明していくための気力や動機は無いに等しかった。

 そんな秋保の心情をはじめて言葉ではっきり伝えられ、拓の信念にもブレが生じるように。真実はまだわからないのに、拓は浅間の無実を確信してきた。それは、はたから見れば“盲信”とも取れる行為であるし、はたまた弁護士としてはあるまじき姿勢かもしれない。「本当に無実なら、自殺なんかしないで生きててほしかった」と本音を漏らすなど、心の整理も未だついていない。しかしそんな拓に楓(川口春奈)が投げかけたのは、「いいじゃないですかそれで」という肯定の言葉だった。幼馴染のことを信じ続けて何が悪いのか、拓が信じなくて誰が信じてあげられるのか。「信じたいけどわからない、だから調べる」という拓がこれまで突き通してきた信念が、その姿を見てきた楓によって拓自身に伝えられる場面。そのエールの温かみ。今までだってずっとそうしてきて、冤罪に苦しむ人々に救いを与えてきたではないかと、楓は優しく訴えかける。

 「立場は違うけど、あのふたりが仕事に込めている思いはきっと同じ」。拓の母・麗(榊原郁恵)が楓に伝えたこのメッセージも印象的だ。拓と拓の父・真(草刈正雄)の信念の根底にはきっと同じものがあるはずだという希望。それはすなわち、真に誘われて検察庁直轄の科学捜査機関に参加した秋保とも、根底では繋がっていることを示唆するものだ。

 第9話のラストでは、何者かが拓を襲い、それをかばった楓が脇腹を刺されてしまうという衝撃の展開が訪れる。『イノセンス』は、たとえ事件の真相が明らかになっても、一度冤罪を背負ってしまったものやその関係者、事件の被害者たちは何らかの苦しみを抱え続け、もとのような生活は取り戻すことができないと伝え続けてきたドラマ。11年前の事件の真犯人や、拓と秋保、あるいは拓と父親との関係性、またこのところ拓と楓との間で強化され続ける信頼感など、気になる事柄を多く背負いながら次週で最終話を迎える本作であるが、は
たして彼らに“白日”は訪れるのか。

 「もう戻れないよ、昔のようには 羨んでしまったとしても 明日へと歩き出さなきゃ 雪が降り頻(しき)ろうとも」

 主題歌のKing Gnu「白日」に乗せられて、すべての真相は最終話へと引き継がれていく。 (文=原航平)

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