モーツァルトとベートーヴェン。もちろん、この二人は個人的に対立していたわけではない。ベートーヴェンは14歳年上のモーツァルトを尊敬し、モーツァルトは若きベートーヴェンを大いに認めたというエピソードが残されている。だが、この二人こそがクラシック音楽界の双璧であり、バッハとヘンデル以上の対照的存在としてそびえたっていることは誰もが異論を唱えないだろう。クラシック音楽好きの全員が大きく分けてモーツァルト派とベートーヴェン派に分かれるといっても言い過ぎではないほどだ。