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中居正広が『ナカイの窓』で見せていた男気とは? イチロー引退ともリンクした別れのさみしさ

リアルサウンド

19/4/3(水) 6:00

 中居正広が、3月30日放送のラジオ『中居正広 ON & ON AIR』(ニッポン放送)にて、イチローの引退について語った。3月21日、東京ドームで行なわれた開幕ゲームの試合後、日付が変わろうとする時間から始まった記者会見を見ていたという中居は、「イチロー選手の終わりなのか、再スタートなのか。んー……ま、組織の“計らい”だと思いますけどね。もう組織の“労い”。労いがあるから、計らいっていうのが生まれてくるのかなって」とコメント。

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 マリナーズが東京で開幕戦をしたこと、東京ドームが試合後も席を立たない観客を受け入れていたこと。約束はしていなくても、それぞれが気をくばった対応が、印象的だったと続ける。「なんか昭和の……平成が終わるんですけど、昭和のなんか、懐かしい感じしたなー、あの感じ。人が終わる瞬間、こう全員で見守りながら、ね……1周して、1回ベンチに戻りかけたんだけど、また内野のほうにちょっと駆け寄って、360度見て“ありがとう、さよなら”」。そして「さみしいなーやっぱり、さみしかったね」と、本音をこぼす。

 「野球選手とアスリートと僕らタレントっていうのは比較にならない」としながらも、「学ぶことはいっぱいある」と続ける中居。「物事に対する姿勢」「何かを犠牲にする精神」そして「本番以外が大事だ」という。「人が見えてないところで、しのぎを削って、いろんなものを犠牲にしながら、鍛錬を重ねて。最後の最後まで、闘い続けて……ああいう顔になってゆくのかなと思いますけどね」。

 中居自身も、この春、6年半も続いたレギュラー番組『ナカイの窓』(日本テレビ系)の幕引きを経験したばかり。自分自身のことは、いつも冷静に、何も思わないような口ぶりで話す中居。だが、多くのリスナーには、このイチローの引退会見と周囲の計らい、そして「さみしい」という言葉が、中居の今の状況とリンクして聞こえたに違いない。

 中居が、本番以外を大事にしていたことは『ナカイの窓』で共演してきた南海キャンディーズの山里亮太が、ラジオ『山里亮太の不毛な議論』(TBSラジオ)3月27日放送回でアツく語ったばかりだ。『ナカイの窓』は、それこそ組織の“計らい”によって最終回をハワイで迎えることとなった。

 時差ボケもあり、アクティビティのロケもあり、車での移動中は少しでも休みたいというのが人間の心理。だが、そのタイミングで出演者と初めて会った山里を気遣って、中居とアンタッチャブルの山崎弘也は寝ることなく、ずっと話しかけてくれていたのだという。

 そして、山里が長年NGにしていたスカイダイビングを飛べた理由も、中居に対する恩返しからだったと明かす。「俺が裏被りで『ナカイの窓』に出られなくなったあとに、もう1回入ってきやすいように中居さんが考えたドッキリを仕掛けてくれて。最後のタネ明かしのときに、中居さんが俺のことをバッと抱きしめて、“おかえり”って言ってくれて。それが俺の背中を押してくれたのよ。あのときの感謝に応えなきゃ人として終わりだなって」。

 サブMCとして関わってきたこと、「山里を知る人SP」など自分に関わる企画を立ててくれたことなど、多くの映像が浮かんだ先にあったのは、その中居の「おかえり」だったというのだ。その「山里を知る人SP」では、ラジオの構成スタッフのセパタクロウも出演していた。「緊張したよな? セパちゃんは表方に関しては、素人じゃない? でも、ホームランになる滑走路は作ってくれたよな。あの人は。そのとき絶対言うのよ“俺、段取り知らないからごめんな”って。あれ、段取り知らない人間が、あんなパスできないもんな。悪い人だよ、ホントに!」と、中居の見せた男気にしびれる。

 「悔しい」。多くの人に愛され、そして自分自身も大好きだった番組が終わることを山里が語ると、番組冒頭で流れたSMAPの名曲「オレンジ」が、より切なく響く。〈「さよなら。」消えないように…/ずっと色褪せぬように…/「ありがとう。」〉。

 人生はいつだって無常で、夢のように楽しい時間こそ、永遠には続かない。だからこそ、労いたい相手には、とことん愛情を伝える計らいを。ありったけの「ありがとう」を伝えることが大事なのだろう。そして、消えないように思い出を抱きしめて、歩き出すしかない。春は、そんな別れと出会いの季節。〈まだ見ぬ幸せな日〉に巡り合えることを願いながら、それぞれの新たなスタートにエールを送りたい。(文=佐藤結衣)

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