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PENTAGON、WARPs、INTERSECTION……ボーダレスな活躍期待されるボーイズグループたち

リアルサウンド

19/9/12(木) 12:00

 SNSやYouTube、音楽ストリーミング配信サービスが世界中に普及し、音楽市場はますますグローバル化が進んでいる。これまでワールドワイドに聴かれてきたのは圧倒的に英語曲が多かったが、BTSやBLACKPINKなどの世界的な活躍を例に見ると、時代が変化したことがハッキリと感じられるだろう。彼らはオンラインのツールを翼に、地域や言語の障壁をとび超えていく。

 音楽市場規模世界第2位の日本はフィジカルの売上が高く、メインストリームの楽曲はどうしても「国内だけで聴かれている曲」の存在感が強い。しかし、ストリーミングによって世界同時配信が可能になったいま、これからの時代を担うアーティストのキーワードは“ボーダーレス”であることは間違いないだろう。そこで今回注目したいのは、世界基準の楽曲で今後“ボーダーレス”な活躍が期待される実力派の次世代ボーイズグループ。なかでも、さまざまなルーツや経歴を持つメンバーで構成され、グループ自体のアイデンティティそのものにも多様性やグローバルさが感じられる4組をピックアップした。

PENTAGON キーワード:#日中韓グループ #セルフプロデュース

 2016年に韓国でデビューしたPENTAGONは韓国出身のフイ、ジンホ、ホンソク、シンウォン、ヨウォン、キノ、ウソク、中国出身のイェンアン、日本出身のユウトからなる9人組のボーイズグループ。楽曲制作、振付、ラップメイキングなどをメンバー自ら手がけ、「セルフプロデュースができるアイドル」という意味で、韓国では“自主制作ドル”と呼ばれることも。特にリーダーでメインボーカルのフイはグループの楽曲を手がけるのはもちろん、人気オーディション番組『PRODUCE 101』のシーズン2で人気を得た伝説の課題曲「Never」、Wanna Oneのデビュー曲「Energetic」をプロデュースした人物。最新シーズンの『PRODUCE X 101』ではファイナルステージ用の課題曲「少年美」を手がけ、プロデューサーとしての才能も賞賛されている。ちなみに、去る8月にリリースされた日本2ndシングルの表題曲「HAPPINESS」も、メンバーのキノが書き上げた日本オリジナル曲だ。

 低音ラップでグループの重厚感を担うユウトはK-POPアーティストになる夢を叶えるため中学卒業後に単身韓国へと渡った長野県出身のメンバーで、日韓両言語でのラップメイキングが可能。今年2019年にはGLAYのTERUがプロデュースした楽曲「COSMO」で日本メジャーデビューを果たしたが、同曲のラップもユウトが手がけている。この曲は発売されると見事オリコンデイーリーチャート1位、ウィークリチャート4位を記録。iTunesアルバムチャートでも1位を獲得し、フィジカル・デジタルともに好成績を収めた。

 これまでも世界各国でライブやファンミーティングを行ってきた彼らだが、現在はキャリア初となるワールドツアーを開催中。『2019 PENTAGON WORLD TOUR<PRISM>』と題し、4月に行われたソウル公演を皮切りに、ジャカルタ、トロント、ニューヨーク、シカゴ、ダラス、シアトル、ロサンゼルス、サンノゼ、サンパウロ、モントレー、メキシコシティ、台北、香港、シンガポール、チリ・サンティアゴ、ミラン、リスボン、ベルリン、パリ、モスクワなど20都市以上を巡る。なお、12月には同ツアーを通して横浜・大阪に来日予定だ。

PENTAGON – 「HAPPINESS」MUSIC VIDEO

WARPs キーワード:#日中コラボ #パフォーマンス 

 WARPs(ワープス)は「Wave Assemble Radical People-syndicate(革新的なウェーブを創造できる集団)」の意。日本人メンバーのRIKIMARU(リキマル)、SANTA(サンタ)、SHO→RI(ショウリ)、中国人メンバーのMINGJUN(ミンジュン)、LANGYI(ランイー)の、計5名からなる日中混成ボーイズグループだ。世界的に活躍するK-POPグループにはSEVENTEEN、NCT、GOT7など中国にルーツを持つメンバーを有するボーイズグループが存在するが、日中という組み合わせは珍しい。

 彼らはこれまで日本と中国、そして世界を舞台にダンサーやアイドルとして活動した経歴を持ち、それぞれ多才。例えば、RIKIMARUはSHINeeテミンが8月にリリースした3rdミニアルバムのタイトルトラック「Famous」のコレオグラフを担当したことでも知られている。SANTAは世界最高峰のダンスバトル『SDK』で当時17歳という史上最年少の若さで優勝、SHO→RIもストリートダンスイベント『JUSTE DE BOUT JAPAN』や『UP TEMPO JAPAN』で優勝するなど、実力派ばかりだ。中国人メンバーのMINGJUN、LANGYIは中国で国民的な人気を博したオーディション番組『偶像練習生』に出演した経験も。公式YouTubeで公開されている個人ティーザークリップでは妖艶な魅力がある二人だが、トークになると非常にキュートで、このギャップは必見だ。ちなみにMINGJUNは韓国の事務所でトレーニングを積んでいたこともあり中国語のほかに英語、韓国語、日本語の4カ国語が可能。日に日にレベルアップするLANGYIの日本語にも驚かされる。

 BTSが国際的な人気を得たカギの一つに「圧倒的なパフォーマンス」が挙げられるが、WARPsも“見せる音楽”がキーワード。公式YouTubeにて8月19日に公開された「WARPs DANCE BREAK #110 -FULL Ver. -」のほか、挑発的なMINGJUN、軽やかなSANTA、キレのあるRIKIMARU、艶っぽいLANGYI、ダイナミックなSHO→RI、とそれぞれのカラーが光るダンスでつなぐティーザー映像もぜひチェックしてみてほしい。5人が持ち前のパフォーマンス力を武器にどのように展開していくのか注目だ。

WARPs DANCE BREAK #110 -FULL Ver. –

INTERSECTION キーワード:#日米バイリンガル #ポスト1D 

 橋爪ミカ、青山ウィリアム、ミッチェル和馬、モリアティー慶怜 の4人からなるボーイズグループで、全員が日本とアメリカにルーツを持つバイリンガル。少年時代をそれぞれ日本、アメリカ、キューバなど世界各地で過ごした彼らは2015年に東京で出会いグループを結成、2018年にシングル『Heart of Gold』でデビューを果たした。グループ名の「INTERSECTION」も彼らの誕生ストーリーに由来し、異なる文化圏で生まれ育った4人が交わる“交差点”という意味が込められている。メンバーは1998年〜2001年生まれで平均年齢は19歳(2019年8月時点)。メンバーは日米双方の音楽シーンはもちろん、ありとあらゆるジャンルの音楽に影響を受けてきたというが、まさに「日本で売れるにはこうあるべき」「世界で活躍するにはこういう曲作りをするべき」という既存の枠組みにとらわれない、Z世代らしいハイブリッドな表現で国内外のリスナーを引きつけている。

 2018年にはSpotifyの「Early Noise 2018」に選出されたほか、今年6月にリリースした最新シングル 「You’re the Reason」のMVは公開からわずか約2カ月で YouTubeの再生回数360万回を突破。YouTubeが選ぶ2019年ブレイク期待のアーティスト「Artists to Watch」にも選ばれている。彼らは全員が作詞作曲、MVやアートワークのディレクションを行いセルフプロデュースが可能なのだが、「You’re the Reason」も青山ウィリアムがBackstreet Boysなどを手がけるZack Skelton & Casey Smithと共同で製作した楽曲だ。

 INTERSECTIONの楽曲は、欧米のボーイバンドやジャスティン・ビーバーを彷彿とさせ、“スタイリッシュ”、“ボーダレス”という言葉がよく似合う。

 国外市場への訴求力が非常に高く、音楽好きからは“ポスト ワン・ダイレクション”との呼び声も。今後、東京から世界へと羽ばたくことを期待したい。

INTERSECTION / You’re the Reason

PRIZMAX キーワード:#ハリウッド #オール英語詞

 俳優としても活躍するミャンマー出身の森崎ウィンを有するグループとしても知られるPRIZMAX。森崎は2018年にスティーブン・スピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』でメインキャストに抜擢され、ハリウッド進出したことでも話題を集めたメンバーだ。グループは日本のみならずミャンマーを中心とした海外への露出を着実に増やしており、公式Facebookのフォロワーは30万人を超えている。2019年には数多くのアーティストを輩出するエンタテイナー養成スクールEXPG出身のパフォーマー・小川史記、のびやかな歌声が心地よいバックボーカル・ケビン、同じくバックボーカルで19歳というフレッシュな最年少・森英寿という3人の新メンバーを迎え7人体制に。ボーカルの森崎ウィン、パフォーマーの島田翼と福本有希、ラッパー&パフォーマーの清水大樹の4人と化学反応を起こし、グループとしての個性も、パフォーマンスの幅もますますレベルアップし、追い風ムードだ。

 2019年4月に新体制になって初めてリリースした最新盤『FRNKSTN』では少女時代、SHINeeらの楽曲を手がけ、世界を舞台に活躍するJeff Miyaharaをサウンドプロデューサーに迎え、収録曲はオール英語詞。また、リードトラックの「DANCE」は森崎ウィンが英語、日本語、ミャンマー語、韓国語の4カ国語を混ぜて歌う「DANCE(INTL VERSION)」もあり、音楽への取り組み方にも世界を見据えたビジョンが感じられる。9月にはタイ・パタヤビーチで初のアジアのアイドルイベント『ASIAN IDOL MUSIC FEST2019』への出演も決定しており、海外からの反応も熱い。12月には『PRIZMAX Live Level 9~CIRCUS WINTER EDITION~』ではどんなステージが見られるのか楽しみだ。

PRIZMAX 『DANCE』(INTL VERSION)

JBJ95 キーワード:#日韓デュオ #プデュ出身 

 日本人ボーカル・高田健太と韓国人ラッパーのキム・サンギュンによる日韓混合の2人組ユニット。2人は2017年に韓国で放送され社会現象を巻き起こしたサバイバルオーディション番組『PRODUCE 101』のシーズン2に出演し、話題に。番組では惜しくもWanna Oneとしてのデビューは逃したが、ファンの熱望により結成された期間限定グループJBJの一員として2017年10月にデビューを果たした。その後、2018年4月にJBJとして期間限定活動を終えたのち、2人の生まれ年である“95”をかけた「JBJ95」という名のもと同年10月に新たなグループとして再始動。2019年3月にリリースした2ndミニアルバム『AWAKE』は、日本のiTunes K-POPアルバム部門1位、総合15位を記録し、今年6月には日本オフィシャルファンクラブも開設されている。

 主な拠点は韓国に置きつつも、2018年にはソウル・東京・大阪・タイ・フィリピンで単独アジアコンサート、2019年には日本・韓国でファンミーティングを開催し盛況を得たJBJ95。8月に公開された最新楽曲「SPARK」はYouTubeでのMV公開から3週間で早くも再生回数93万回を突破している。

 なお、JBJ95は先日韓国のアプリ「STARPASS」を通して行われた6カ国語(韓国語、日本語、中国語、スペイン語、ポルトガル語、英語)対応のグローバル人気投票で計3,733,511票を得票し1位を獲得。1位記念の特典として、ニューヨークのタイムズスクエアの電光板掲示板に2人の電子広告が飾られることが決まっている。

JBJ95 – 불꽃처럼 (SPARK) MV

■後藤涼子
編集・ライティングユニットomo!(オモ)として、ガイドブックや韓国エンタメ等の書籍・雑誌・コンテンツ制作に携わる。日韓の俳優やアーティストのインタビュー、翻訳・通訳コーディネートも。著書に『Seoul guide 24H』(朝日新聞出版)ほか。インスタグラムアカウント@ryoco_omo

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