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いま、最高の一本に出会える

「One-Step Tour」東京公演の様子。(撮影:白石達也)

Saucy Dog 、SUPER BEAVERと“バチバチ”に火花散らした対バンツアー東京公演

ナタリー

19/7/28(日) 23:23

Saucy Dog企画の対バンツアー「One-Step Tour」の最終公演が7月25日に東京・Zepp DiverCity TOKYOで行われた。

Saucy Dogはバンドのステップアップを図るべく、04 Limited Sazabys、クリープハイプ、SUPER BEAVERというリスペクトする先輩バンドを迎え、東名阪で対バンライブを開催。最終公演ではSUPER BEAVERとの初対バンが実現し、2組は熱気あふれるパフォーマンスで満員のオーディエンスを楽しませた。

先攻を務めたのは結成15年目のSUPER BEAVER。彼らはその歴史を感じさせるような新旧の楽曲を交えたセットリストをパワフルに届け、観客を楽しませた。バンドはオープニングナンバーとして「27」をセレクト。渋谷龍太(Vo)は語りかけるように歌唱してオーディンスを魅了した。続く「歓びの明日に」では柳沢亮太(G)と上杉研太(B)がイントロでメロディアスなユニゾンを奏でる。MCでは渋谷がこの対バンが行われる前に石原慎也(Vo, G)とせとゆいか(Dr, Cho)と食事に行き、石原がこの日のライブについて「俺、バチバチにしたいんです」と赤い顔で息巻いていたと暴露。このエピソードを語ったあと渋谷は勇ましい声で「受けて立つ!」と叫び、4人は疾走感のある「青い春」でライブを再開。「赤を塗って」では、渋谷が“ロマンチックギター”と評した柳沢の艶のあるギターサウンドに、この日の出演アーティストの中で唯一楽器を手にしていないと嘆いた渋谷がタンバリンを持ち出して軽快な音を重ねた。

アクト後半には渋谷が「やつらの歌にはとっても力があります。俺も好きなんですよね。嘘がないからだと思います」とSaucy Dogへの思いを語った。そして次に披露されたのは、2009年11月リリースのシングル表題曲「シアワセ」。同曲はSUPER BEAVERがバンドとして初めて再録音を行い、2018年6月リリースのアルバム「歓声前夜」にも収録されている。彼らにとって思い出深いこの楽曲を、4人は真摯な表情で奏でると、オーディエンスは静かに聴き入った。SUPER BEAVERは終盤には「秘密」で盛大なコールアンドレスポンスを巻き起こし、「予感」では藤原“31才”広明(Dr)が力強いドラミングで観客をジャンプさせて一体感をもたらす。最後に渋谷はこのあと登場するSaucy Dogについて「俺たちの大事な後輩なんで、よろしくお願いします」と観客に呼びかけてステージをあとにした。

SUPER BEAVERからバトンを渡されたSaucy Dogは、1人ずつゆっくりとステージに登場。3人はドラムセットの前で意気込んでから、石原の「Saucy Dog始めます」という叫びを合図にライブをスタートさせる。3人は爽快感あふれる楽曲で観客を盛り上げたかと思えば、石原とせとの美しいコーラスワークが光るラブバラードをじっくりと聴かせるなど、多角的な魅力を存分に打ち出していった。Saucy Dogの楽曲では数少ない、ドラムフレーズからAメロへと移行する「ゴーストバスター」では、3人はスキルフルにパフォーマンスした。MCではせとが、SUPER BEAVERの好きなところの1つとして「ライブのときにお客さんがSUPER BEAVERと同じ熱量になって、お客さんも含めて全員でライブしてるみたいな、“4人だけじゃないライブ”」をするところを挙げつつ、「One-Step Tour」というツアータイトルについて「ワンステップもツーステップも前に進んでいる先輩たちに自分たちが食らいついて、成長したいという思いを込めた」と述べた。

石原の弾き語りが印象的な「マザーロード」の演奏が終わったところで、秋澤和貴(B)は「渋谷さんとうちのメンバーが会っているときに、実は上杉(研太)さんと2人で飲んでたんですよ。まっすぐな人すぎて話てて泣きそうになりました」と明かして会場の笑いを誘う。会場が和やかなムードに包まれたところで、3人は新曲「雀ノ欠伸」「バンドワゴンに乗って」とリズミカルなナンバーを畳みかけて観客のテンションを一気に引き上げる。そして「コンタクトケース」「いつか」とラブバラードを続け、今度は場内をしっとりとした雰囲気に一転させた。石原はここまでのアクトを振り返り「今日このステージに立って、気付いたことがあります。さっき龍くん(渋谷龍太)がさ、『(石原が)バチバチにやりたいですって言ってた』って話してたじゃん。SUPER BEAVERとももちろんバチバチにやりたい。けどみんなの表情を見ていたら、ここにいる1人ひとりと向き合って歌いたいなと思いました」と語る。観客から暖かい拍手を受けた彼は、ラストナンバー「グッバイ」の導入部分を圧倒的な声量で歌い始める。ここで秋澤とせとも加わり、3人は全力を出し切るように激しく演奏した。石原が「またいつかあなたに会えますように。ありがとう」と感謝の気持ちを伝え、Saucy Dogは深々とお辞儀をしてこのツアーの幕を閉じた。

ライブ終了後、音楽ナタリーではSUPER BEAVERの渋谷とSaucy Dogの石原に取材を実施。渋谷はSaucy Dogとの初対バンについて、「呼んでもらったときは、とってもうれしかった。僕は出るライブと出ないライブをわりときっぱり決めていて、“どっちでもいい”という言葉をあまり使わないようにしているんですけど、サウシーに呼んでもらったときはすぐに出ようと決めました。(石原)慎也の歌はものすごい力を持っていると思っていて、純粋に音楽ですげえなと思うやつと一緒にライブをすることって、僕たちにとってもプラスになるので。今日もサウシーのライブを観ていて、慎也がちゃんと歌で持っていっていて。見事だな、いいバンドだな、と思いました」と語る。石原個人の印象や魅力については、「一緒に飲みに行ったときは素直にいろいろなことを話してくれたし『俺にはない魅力をちゃんと持ってるやつなんだな』と一目置いて二軒目にも行くくらい楽しかったです」と笑顔を見せた。

石原はSUPER BEAVERのライブについて、「2階で観てたんですけど、そのまま最後まで観ちゃって。カッコいい先輩やな、大好きやなと思いました」と敬意を表した。渋谷の魅力については「カッコいいところ。カッコいい人間なんです。歌もうまいし、使う言葉も、立ち振る舞いも、見た目もカッコいい。もう全部カッコいい! 全部魅力! ホントにそう思ってて。あんまり人にそう思ったことないんですけど、こうなりたいって思える人です。本当にめちゃくちゃ優しいんですよ。今日の最後のMCも、『そこまで言ってくれる先輩いる!?』と思いました」と述べた。また今日のライブについては「ライブ中は緊張してるって言葉を使わないようにしていましたけど、緊張しましたよ! 」と心情を吐露。「One-Step Tour」を全公演終えた心境を聞くと、石原は「楽しかったです! 誰がどう思っていようが、僕の気持ちはバチバチでした。それぞれのバンドのカッコいいところを見逃さないように全ライブ観てきたつもりなので、今回の経験を無駄にしないように、吸収したものを今後全部出していきたいです」と意気込んだ。

Saucy Dog「One-Step Tour」
2019年7月25日 Zepp DiverCity TOKYO セットリスト

SUPER BEAVER

01. 27
02. 歓びの明日に
03. 青い春
04. 閃光
05. 赤を塗って
06. シアワセ
07. 秘密
08. 予感

Saucy Dog

01. 真昼の月
02. ナイトクロージング
03. ゴーストバスター
04. 煙
05. Wake
06. メトロノウム
07. マザーロード
08. 雀ノ欠伸
09. バンドワゴンに乗って
10. コンタクトケース
11. いつか
12. グッバイ

※記事初出時、一部写真キャプションの人名に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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