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超特急がさいたまスーパーアリーナで見せた圧巻のステージと歴史「8号車がいるからこれからも走り続けていける」

ぴあ

BULLET TRAIN 10th Anniversary Super Special Live「DANCE DANCE DANCE」

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イルミネーションが煌めき、クリスマスが近づいていることを実感させてくれる11月23日。
さいたまスーパーアリーナでBULLET TRAIN 10th Anniversary Super Special Live「DANCE DANCE DANCE」が行われた。10周年を記念したアニバーサリー公演は、最高にハッピーと、感謝と、愛にあふれた時間となった。

開演前から流れる超特急の曲に体を揺らし、ペンライトの灯りが少しずつ増えていく会場内。8号車(超特急のファンの総称)の表情はみな笑顔でライブへの期待が高まっていることが感じられる。リョウガの影アナでさらに会場の熱が、静かに、でも確実に上がっていく。

そして定刻。発車ベルと共に会場は暗転――白い照明が会場を瞬かせたかと思えば、スクリーンには、デビュー当時のメンバーが徐々に成長していく様子を現す映像が流れ始める。5人の映像のあとには客席にいる8号車の笑顔が。8号車も含めて超特急なのだと、言葉にせずとも再確認させてくれる。

そして、ステージ中央にあるミラーボールがゆっくりと開く。中から登場したのは、公演ロゴと同じポーズをビシッとキメた5人のシルエット。オープニングを飾るのはこの曲以外にない。アルバム「Dance Dance Dance」に収録されている「Dance Dance Dancing!」。
黒いシックな衣装で歌い、踊り、舞う。そして客席のペンライトが彩る。10周年を祝う特別な夜のスタートだ。

キッズダンサーたちも加わったステージ上は一気ににぎやかに。直前に、まだあどけなさが残る彼らの表情を見ていたせいか、キッズダンサーたちとの対比で彼らの大人っぽさにドキリとさせられる。

カイの「今日は最高の日にしましょう!」という言葉と共にダンスナブルな「Magnifique」、
ド派手な特効で会場を揺らしながら「超えてアバンチュール」で一気にテンションをあげていく。花道を進み、キレキレのダンスを見せる超特急に特効で揺れた会場は、今度は8号車たちのテンションで揺れ、リョウガの「ヘドバンタイムですよ~!」の声でまたひとつ大きく揺れる。声が出せない状況ながら、すでに一体感は抜群である。

4曲を終えて改めて8号車に「久しぶりにやった」という口上で自己紹介。「10周年を記念するライブが始まったということで、ようこそおいでなすった!」とリョウガが挨拶をすると会場からは暖かな握手が。「10周年ということでテンションが上がって早くも声枯れたかも」というリョウガに、メンバーは「早いな~」と口々に突っ込むが、その表情はもちろんみんな楽し気な笑顔。すでに「汗の量も尋常ではない」がそれも気合いの証だ。

「今日を最高な一日に!」

「今日という1日、『DANCE DANCE DANCE』最高な日にしていきましょう!」というカイの呼びかけでジャズナンバー「Table Manners」がスタート。どこかコミカルなダンスにテーブルマナーが分からず焦る男の子の物語が乗る。

続いて披露されたのは「You Don’t Care」。「Table Manners」との対比で大人っぽさが際立つ。黒のジャケットを脱ぎ捨て、白のシャツ姿になる。シンプルなスタイルながら、その分、楽曲とダンスが映える。

圧巻だったのは「霖雨」だ。シックな照明で作られた空間の中、カイ、リョウガ、タクヤ、ユーキのダンスがなめらかに物語を作っていく。タカシの声の魅力も存分に発揮される。のびやかな高音、歌詞に合わせた振り付け、情感たっぷりな表情。その世界観にググッと引き込まれていく。

そこからダンサーのみで魅せる「Добрый день(ドーブリジェン)」と新旧織り交ぜたセットリストで「今」の超特急を見せたあとは、8号車と一緒に時をさかのぼる。

衣装も変わり、今回の『DANCE DANCE DANCE』のためだけのスペシャルメドレー。1stシングルの「TRAIN」から19thシングル「Asayake」まで一気にメドレーで披露していく。
「Bloody Night」や「Kiss Me Baby」ではどこか色っぽい仕草を魅せたり、切なげな表情を見せる曲もあれば、背中を押してくれるような曲、花びら舞う情景が似合う曲……シングルをリリース順に披露するからこその超特急のカラーが見えてくる。

また「バッタマン」のあとに「Beautiful Chaser」は振り幅がすごいし、彼らのテンションのコントロールに思わず感嘆してしまう。

キッズダンサーが登場した「My Buddy」では子どもたちと目を合わせるようにして微笑んだり、ハイタッチする様子が微笑ましい。

19曲の中でその個性と、くるくると変わる表情にもう一度、新鮮に彼らを好きになってしまいそうだ。

シングル全19曲を披露し終えたあとのMCで「ご乗車してくださった8号車の方々はこんな曲あるんだ、と思った方もいらっしゃれば、あ、この曲で初めて超特急に出会ったなという方もいらっしゃると思う。来た方それぞれの楽しみ方がある」とリョウガが語っていたように、聴く人それぞれの想いが胸に去来していたはずだ。
この演出を考案したユーキは「ほんとにそれぞれみなさんにとっていろんな感じ方をしてもらったんじゃないかな、と思いながらも10周年ということで、超特急がシングル、いろんなものを刻んできたという思い出を共有できてうれしかった」と語った。

超特急 特別インタビュー

そして、実は着用していた衣装にも、シングルのタイトルが描かれていた。衣装を担当していたタクヤは「シングルのタイトルを入れまして、ちょっと特攻服のような。カッコよさとダサさを(そのバランスを)超特急らしく出してみました」

ライブロゴやグッズも今回担当したというタクヤは「今日物販がスタートして、マネージャーに今日どれぐらい売れてますか、って確認しました」と担当者ならではの裏話を披露。ちなみに最初に売り切れたのは、タクヤのスウェットだったという。

一方、ユーキはグッズの内容を把握しきれていたなかったらしく、タクヤデザインのスウェットを見たときに「なにこれー!」とリアクションをしタクヤにショックを受けさせたという話をリョウガに暴露されていた。「このスウェット用に撮影しとかしたじゃん!」とタクヤにもツッコまれていたが、ユーキ「自分で精いっぱい」と言って苦笑いを見せた。

そんなユーキが「みなさんにとある映像を用意した」と紹介。流れてきた映像は「超特急超突撃インタビュー」。ユーキがインタビュアーとなって、メンバーに話を聞くというものだ。

一部だが、その内容を抜粋したい。
Q.「リョウガにとって、超特急とは?」
リョウガ「人生そのもの」

Q.「初センターになったときの気持ちは覚えていますか?」
カイ「当時は毎回センターがあるとか決まってなかった。今までと違う雰囲気だったから、この曲で引っ張っていけたらいいな、と思いましたね」

Q.「今の自分、昔の自分、何が変わりましたか?」
タカシ「気の持ちようが変わったかな」
タクヤ「昔に比べたら丸くなった」

最後はタクヤがインタビュイーを交代し、ユーキに「ユーキにとって超特急とは」という質問を投げかけた。
「夢を叶えないと終われないグループ。希望ですね」
そして、会場にいる8号車に向かって「僕たちにとってはどんなときもひとつひとつが大切な宝物です」と呼びかけた。

これからもみんなと一緒に。

そのあとに披露されたのは「Keyword」。スクリーンには、今、「この瞬間」のメンバーと、その横には昔の写真が並んで映し出された。これまでの10年の重み、成長。曲、ユーキプレゼンツの映像と相まって胸に迫るものがある。

しかし、そこから「Burn!」「같이 가자」で会場のボルテージと、一体感を高めていく。
全力で歌い、踊った本編のラスト。「もっともっとさいたまスーパーアリーナ盛り上がっていくで!俺たちがParty Makerや!」とタカシが煽る。でさらにパワフルにぶちあげていく。腹筋をしながら歌うタカシに、ここに来てさらにアクロバットを決めてくるユーキといい、彼らの体力は無尽蔵なのだろうか。

そしてド派手な花火の特効がパーティーを盛り上げる。曲を終えると、メンバーは「出し切った!」と明るい笑顔で口々に言い、「本当にぶっ倒れそう。でもそれぐらい楽しかった! 10周年! ありがとう!」というタクヤの言葉と共に締めくくった。

会場からの大きな拍手に応えたアンコールでは「激おこスティックファイナリアリティぶんぶんドリームわ~るど」、「Te quiero mucho」で会場と一緒に踊り、笑顔を弾けさせた。
ラストとなるMC。「今年10周年を迎えられることで、これも8号車のおかげです。ありがとうございます」とリョウガがいい、改めて全員で感謝の気持ちを言葉にした。

「思い返せば、いろんなことがありました。まさに山あり谷あり。そんな道のりだったと言えると思います。だけど、今までもこうして来れたのは8号車のおかげだし、8号車がいるからこれからも走り続けていけると思います。どうかこれからも一緒にいつまでも走っていきましょう」とリョウガが挨拶したあと、「みなさんご一緒に!」と、会場にいる全員で超特急ポーズを決めた。

そして楽しかった1日の、本当の最後の曲は「走れ!!!超特急」。何度も会場に向かって大きく手を振り、「ありがとう」の言葉を口にするメンバーたち。優しい空気が会場内に満ち溢れていく。

ユーキは「今日はみなさん、本当に足を運んでくださってありがとうございます!みんなの心ひとつひとつが僕たちの未来、希望に変わります。この先も一緒に笑顔で突っ走っていきましょう!10周年本当にありがとう!最高だよ、愛してるよ、ありがとう!!」と涙をにじませながら感謝と愛を絶叫した。

最後の最後まで会場にいるすべての8号車に何度も「ありがとう」と愛を伝えた超特急。
リョウガが「よっしゃー!最後に!」と、全員で揃っての超特急ポーズで締めくくった。

さらに、2022年4月から「BULLET TRAIN 10th Anniversary Tour 2022「Progress」の開催を発表。会場からは押し殺した歓声が漏れた。

歌、ダンス、トーク、すべてのパフォーマンスにおいて、10年の集大成を見せてくれた超特急。11年目でどんな超特急を見せてくれるのか。期待しかない。

撮影/米山三郎、深野輝美、林聖、富田望、取材・文/ふくだりょうこ

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