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辰巳ゆうと、“第2の故郷”赤羽にて1stコンサート開催 「おとこの純情」など万感の思いで披露

リアルサウンド

19/3/27(水) 15:00

 辰巳ゆうとが、3月23日に東京都・赤羽会館にて、1stコンサートを開催した。”力いっぱい、演歌です!”をキャッチフレーズに昨年1月17日「下町純情」でデビューし、その年の「第60回日本レコード大賞・最優秀新人賞」をはじめ、数々の賞を受賞した辰巳にとって赤羽は、デビュー前にストリートライブを初めて行った場所であり、その後、赤羽商店街連合会親善大使に任命されたほど重要な場所。この日のコンサートは、赤羽から羽ばたいて行った気持ちと感謝が満載な内容となっていた。

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 定刻にコンサートの幕を切って落としたのは、新曲「おとこの純情」。「第60回日本レコード大賞・最優秀新人賞」受賞時に来ていた青い衣装姿の辰巳が登場すると、黄色い歓声が起こり、サビでは「ゆ・う・と!」コールが後押しをする。続く「下町純情」では客席の1Fから2Fの端から端まで手を振って、観客の声援に応える。歌い終えた後のトークタイムでも会場中からの様々なテンションの「ゆうと」コールに、同じような声色で返すユーモアを見せて、場を和ませていた。

 「このコンサートが一番心に残っていただけるようなコンサートにしていければと思います」という一言から、子供の頃よく歌っていたという春日八郎の「別れの波止場」、デビュー前のストリートライブで歌唱していたという竜鉄也の「奥飛騨慕情」を。寄せては返す波のように揺れ動く男の心を描いた「別れの波止場」と、雄大な山肌や木々に降り注ぐ奥飛騨の雨に圧倒される女の悲しみを対比させることで、ストーリーを掻き立てさせるだけでなく、表現の幅を魅せてくる。

 中盤戦は様々な「辰巳ゆうと」の可能性を堪能する時間だったと言える。福山雅治「桜坂」のカバーから始まり、坂本冬美の「夜桜お七」。白いブラウスに赤いネクタイ、ピンクのベストに着替え、村山孝蔵「踊り子」山川豊「アメリカ橋」。藤井フミヤ「TRUE LOVE」では歌唱前に大歓声が上がったが、その美声に会場中が聴き惚れていた。

 観客へのサービスも忘れてはいない。舞台袖に一度退場後、マイクアナウンスで客席登場と撮影OKが告げられ、フィンガー5「恋のダイヤル6700」にしきのあきら「空に太陽がある限り」を歌唱しながら、客席の前方から後方、端から端まで歩き回り、丁寧に握手や撮影に応えていく。ステージへと移動後、沢田研二の「TOKIO」で大盛り上がりを見せ、このセクションは終了。後半戦へと突入する。

 ここでステージのスクリーンに1歳からデビュー前までの辰巳の成長過程の写真を紹介するVTRが放送。8カ月から始まり、5年生で初めて袴を履いてカラオケ大会に出た写真、野球部だった中学生時代のレアな写真などが映し出される度に「かわいい!」という声が上がっていたが、VTRが終わり、ステージ上に登場したのは袴姿の辰巳。披露されたのはなんと三波春夫の「俵星玄蕃」。長編歌謡浪曲の代表曲で、歌謡曲、浪曲の「啖呵」と「フシ」を歌い分けなくてはならない難曲であるが、これを堂々と見事に歌いきり、会場からは万雷の拍手が湧き起こった。

 クライマックスは辰巳ゆうとオリジナル楽曲が会場を彩っていく。「北へ帰ろう」「恋し雨」「夕焼け人情商店街」「稲荷町恋唄」のように、街の景色や風景から人情や絆を描いた曲で、心の鏡であるかのように、聴衆の記憶を映し出す。本編ラスト曲は自身のキャッチコピーをタイトルに冠した「力いっぱい演歌です」と、アンコールで歌唱された「赤羽ものがたり」。赤羽を舞台にしたこの曲がこの日この場所で響き渡ることで、街への感謝だけでなく、ここまで成長させてくれた「第2の故郷」への想いも感じた。アンコール直前で来年3月の2ndコンサートの発表を受け、歌唱途中で涙ぐむ場面もあったが客席からの温かい声援が彼を後押ししていた。その声や繋がりは彼の「歌」に込められた力に変わっていくのだろう。最後に歌唱された、この日2回目の「おとこの純情」が、その未来を物語っているように思えた。(石川雅文)

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