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“世界のミフネ”をスクリーンで堪能するチャンス 「生誕100年 映画俳優 三船敏郎」が開催中

リアルサウンド

20/10/2(金) 19:00

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、『七人の侍』なら宮口精二演じる久蔵推しの石井が特集上映「生誕100年 映画俳優 三船敏郎」をプッシュします。

生誕100年 映画俳優 三船敏郎

 「世界のミフネ」と呼ばれ、アメリカ・ハリウッドの殿堂「ウォーク・オブ・フェイム」にも名を刻んでいる世界的俳優・三船敏郎。本日10月2日より、国立映画アーカイブにて出演作27作が上映される特集がスタートしました。先に結論から言ってしまえば、「新作映画で観るものがない、でも何か面白い映画が観たい」「何か圧倒される映画が観たい」と思っている方には絶対オススメです。

 今回の特集上映では、映画史に残る『羅生門』『七人の侍』『用心棒』などはもちろん、デビュー作『銀嶺の果て』、最後の出演作『深い河』、成瀬巳喜男監督作『妻の心』など、多彩な三船の演技を堪能できるラインナップとなっています。

 声の良さ、着物の着こなしの格好良さ、殺陣の上手さ、鋭い眼光……と、俳優・三船敏郎のすごさを挙げていったらキリがないですが、まさに“侍”という言葉が最も似合う俳優だと思います。『羅生門』の多襄丸を演じたときは30歳。2020年の現在、30歳前後でこの役を務めることができる俳優が果たしているでしょうか。

 『羅生門』をはじめ黒澤明とタッグを組んだ作品はもちろんですが、それ以上に今回の特集上映でオススメしたいのが、熊井啓監督作『黒部の太陽』。上映時間は196分。昭和を代表するスター・石原裕次郎と三船敏郎が初共演した作品でもあり、現在ではなかなか考えられない規模の超大作です。

 原作は小説家・木本正次の同名小説。世紀の難工事といわれた黒部ダム建設に苦闘する人々の姿を描いた物語であり、あらすじだけ見ればかなりシンプルな話です。が、ストーリーの面白さ以前に、本作は画面からにじみ出る熱気にとにかく圧倒されると思います。

 電力需要の増大のため、巨大掘削マシーンのようなものもない時代に原始的な方法でトンネルを掘り進める男たちの姿。そして、そこに襲いかかる自然の猛威。トンネルに大量の水が噴出してしまうシーンは恐怖を感じるほどですが、実際に撮影中にも事故が起きていたそうです。トンネル工員たちの演技ではない、本気の恐怖が伝わるシーンがあります。また、長回しで役者たちのアップを執拗に捉えた会話シーンの緊張感も尋常ではありません。顔のアップシーンが多い『半沢直樹』(TBS系)は“顔相撲”などと言われていましたが、“顔相撲”に参加するなら本作の石原裕次郎、三船敏郎は完全に横綱です。

 現在、Amazon Prime Videoなどでも観ることは可能ですが、トンネル内の暗がりや、黒部の大自然、そして役者陣の熱演を堪能できるのはスクリーンしかありません。三船敏郎の生誕100年の今年、大きなスクリーンでその熱量を感じてほしいです。

■公開情報
「生誕100年 映画俳優 三船敏郎  Toshiro Mifune Retrospective at His Centenary」
10月2日(金)から10月22日(木)※月曜休館
国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU[2階]にて
料金:
一般:520円/高校・大学生・シニア:310円/小・中学生:100円※新型コロナウイルス感染症予防のため、 前売指定席券のみとし、 当日券は扱いません。
(障害者及び国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズを除く)
公式サイト:https://www.nfaj.go.jp/exhibition/mifune202009/

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