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「以前と変わらぬ安心感を」 TOHOシネマズが首都圏でも営業再開! 徹底した感染予防対策を取材して

ぴあ

20/6/5(金) 19:30

4月8日に発出された新型コロナウイルス感染拡大防止のための緊急事態宣言により休館となっていた映画館も、宣言解除により本格的に営業再開し始めた。業界最大手のTOHOシネマズも5月半ばより営業を順次再開、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の首都圏23劇場は6月5日より営業再開となった。

このたび、営業再開初日のTOHOシネマズ 日比谷を訪れ、感染対策について取材した。

まずエスカレーターを上がった正面に、消毒用アルコールと合わせて「新型コロナウイルス感染予防対策」の一覧とお客様へのお願いが掲出されていた。子供にも理解しやすいよう紙兎ロペのキャラクターを用いて、館内の感染対策を説明している。子供の目線に高さに合わせて設置されているのも気配りが利いている。

券売機は一台ずつ間引かれて稼働しており、床には2メートルの間隔で列を作ってもらうように目印が貼られている。また券売機にスタッフが常駐し、こまめに消毒・清掃を行っていた。ロビーの椅子は撤去されており、飲食物を販売するコンセッションも10台あるレジを5台ずつ稼働させ、スタッフは手袋を着用している。また、トイレの清掃もこまめに行われており、ハンドドライヤーの使用は禁止となっている。

床には2メートルの間隔で列を作ってもらうように目印が
場内にもひじ掛け用の消毒液が設置されている

スクリーン入場時には、AI検温システム「SenseThunder(センスサンダー)」により入場者全員の体温を計っている。マスクやメガネをしたまま、カメラの前に0.5秒立つだけで体温を計れ、計測誤差はわずかプラスマイナス0.4℃だそうだ。ちなみに、このセンサーによって画像データや個人情報は一切取得しないとのことだ。

座席販売数は50パーセントまでとし、チェスボード式で前後左右を一席ずつ開けて販売されている。さらに上映間の幕間時間を通常よりも長く取り、座席の消毒・清掃を徹底している。観客の導線となる通路にも消毒液を設置し、気になる人は自分で肘掛けなどを消毒可能になっている。また、退場時にも適切な距離をとってもらうように誘導しているとのこと。


取材時の15時の時点で、19時の回の『グレイテスト・ショーマン』『ポリス・ストーリー/香港国』は満席に

TOHOシネマズ営業本部マーケティング企画部長、平松氏によれば、入場時・退場時ともに混雑が発生しにくくなるようにタイムテーブルを作成しているそうで、密な状態が生じにくいように普段以上に気を使って番組編成しているとのことだ。

また上映前の幕間に山崎紘菜が出演する対策案内映像を上映している。YouTubeでも閲覧可能だ。



全国の映画館は、疫病・感染症対策のため興行場法にもとづいた換気対策が徹底されている。TOHOシネマズ日比谷も東京都の基準をクリアした換気能力を備えており、およそ30分で館内の空気は入れ替わるとのことで、窓はなくとも密閉状態ではない。

その上で上述したような、密集、密接を避けるための工夫を凝らしているので、決して感染リスクの高い場所ではないと言えるだろう。さらに、TOHOシネマズでは、新型コロナウイルス感染予防対策にお客様の声を反映するためアンケートを公式サイトで実施しており、毎週取り組みを評価し直し、対策を向上させていくとのことだ。アンケートは休館中から実施しており、自由回答欄では営業再開に関する前向きな応援コメントを数多くもらったそうで、それが映画館再開の励みになったと平松氏は語ってくれた。

また、東京都内では若干の感染者増加傾向が見られるが、TOHOシネマズ独自での再休館基準は現状では設けておらず、基本的には各都道府県の方針に従うとのことだ。

TOHOシネマズ 日比谷 支配人・福井嘉輝氏

同館の福井支配人は「営業再開できて、お客様をお迎えできるのが最大の喜び。コロナ対策を徹底するだけでなく、それをお客様にもしっかりと見えるようにしていくことで安心していただきたいと思っています。以前と変わらぬ安心感を提供できるように努めていますので、ぜひ足を運んでいただきたいです」と力強くコメントしてくれた。

筆者の所感では、およそ考えられるかぎりの感染防止対策が講じられており、大きな安心感を感じた。劇場運営側も「これで大丈夫」と決して油断しておらず、アンケートを基に対策をアップデートしていくなど今後も安全対策に力を入れると語っており、来場者の安全・安心を最重要としている姿勢が窺えた。今はどんな場所も100パーセント絶対に安全とは言えない。だが、TOHOシネマズが非常に高い意識で来場者の安全を守ろうとしていることは間違いない。

取材・文=杉本穂高

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