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FANTASTICS 八木勇征、貪欲に学んで進化するボーカリストとしての姿勢 ストイックでありながら愛されキャラな一面も

リアルサウンド

20/9/1(火) 6:00

 EXILEのパフォーマーである世界と佐藤大樹、EXPGから選出された澤本夏輝、瀬口黎弥、中尾翔太、堀夏喜、木村慧人。「VOCAL BATTLE AUDITION 5」の合格者であるボーカル八木勇征と中島颯太を加えたダンス&ボーカルグループ、FANTASTICS from EXILE TRIBE(以下、FANTASTICS)。爽やかなビジュアルや楽曲、スタイリッシュなダンス、演劇パートを取り入れた独創的なライブスタイルなどが魅力の彼らが、9月23日に6thシングル『Winding Road ~未来へ~』をリリースする。そこで本連載では、FANTASTICSのメンバーに1人ずつフィーチャー。第3回となる今回は、ボーカル八木勇征について紹介していく。

 八木勇征は、1997年5月6日生まれで東京都出身。小学生の頃からサッカー一筋だった彼が秘かに“アーティスト”に憧れ始めたのは、中学生の時。「中学の時にギターで全国2位になった友人がいて、彼が弾いて僕が歌ったり遊び程度にやっていました」(引用:スポーツ報知)「人前で歌を披露する機会が増え、そのときに『感動したよ』とか『上手かったよ』とか言ってもらえたことがきっかけでアーティストになりたいなと思うようになりました」(引用:モデルプレス)と語っている。しかしその一方で、小学校から始めたサッカーの実力が認められ、高校・大学にはサッカー推薦で入学。歌への興味はありながらも、レッスンを受けることはなかったという。そして、「高校時代から故障がけっこう多くて、大学1年の終わりぐらいに練習中に足の靱帯を痛めて長期離脱になった」(引用:スポーツ報知)ことを機にサッカーから離れると、2016年には『ミスター&ミス・ベストボディ・スーパーモデル2016日本大会』に出場し、準グランプリを獲得。同大会で1位だったジムの経営者に声をかけられたことから、パーソナルジムでトレーナーとしても働き始める。当時は大学に通いながら、パーソナルトレーナーとアサード(ブラジル料理店でシュラスコを切る係)のアルバイトを掛け持ちし、自慢の肉体をさらに磨き上げていたようだ(参照:タウンワークマガジン)。

 そんな中、八木を歌へ導くようにタイミングよく開催されたのが『VOCAL BATTLE AUDITION 5』だった。初めは力試しのような気持ちで応募したというが、「一次審査、二次審査って受けるうちにFANTASTICSのボーカルになりたい、FANTASTICSとして夢を追いかけたいと思うようになりました」(引用:モデルプレス)とのこと。子どもの頃から本格的に歌やダンスを学んできた人が多いEXILE TRIBEにおいて、歌・ダンス共にほぼ未経験の状態でオーディションに挑み、アーティストになる夢を掴んだ彼は、まさに“シンデレラボーイ”と言えるだろう。

 そのため、メジャーデビュー時のインタビューで八木は、オーディションの課題曲でもあったデビュー曲「OVER DRIVE」を“言葉のはめ方や声でグルーヴを出すことが難しい曲”と表現し、「(オーディションの段階では)そもそもグルーヴがどういうものかもよくわかっていなかったんです」(引用:『OUT of MUSIC vol.67』)と語っていた。だが、同い年で仲の良い堀が「勇征はなにごとにも食らいつくイメージがあります。(中略)とてもストイックだと思います」(引用:女性自身)と言う通り、ずっと抑えていた歌への想いを爆発させるように、貪欲に学び取ろうとする彼の進化のスピードは凄まじいものがあった。「OVER DRIVE」では“FANTASTICSの未来”を切り開こうとする強い覚悟を滲ませながらも、まだフレッシュな印象が強かったが、リリースを重ねるごとにより深みのある歌声に。楽曲の歌い出しを担当することが多く、その第一声で場の空気をガラリと変えるパワーを持つことも、八木のボーカリストとしての魅力だろう。パフォーマンス集団として始動したFANTASTICSに肉体派ボーカルが加わったというと、ダンスチューンでパワフルに煽り上げる姿を想像するかもしれないが、今はそれに加えて、ラブバラード「Dear Destiny」のサビに代表する“絶妙なかすれ”が艶っぽいファルセットも彼の武器となっている。ちなみに、もともとファルセットは不得意で、先輩であるGENERATIONSの数原龍友から歌い方を教わったそう(参照:スポーツ報知)。サッカー部で学んだ先輩との付き合い方は、EXILE TRIBEにおいても活かされているようだ。

 また、ダンスに関しても、オーディションの合宿の時から、積極的に現メンバー(パフォーマー)にダンスレッスンを頼んでいたようで、リーダーの世界も「ダンスや歌の経験者ばかりだったあのメンツの中でも、勇征はすごく伸びしろを感じさせる1人だったから、今後も期待できるのかなと思っています」(引用:FANTASTICSが語る、“Jr.EXILE”としての決意「EXILE魂をより注入できる存在に」)と称賛。昨年からは演技のレッスンも受けるようになり、初の単独ホールツアー『FANTASTICS SOUND DRAMA 2019 FANTASTIC NINE』でその成果を発揮。今年2月にも、『FANTASTICS LIVE TOUR 2020 “FNT”』(新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止)を見据えて「アリーナーツアーからは歌、ダンス、MCだけではなくボーカルとして新しい何かチャレンジすることで、アーティストとしての力をつけていきたいと思っています」(引用:Music Voice)と、新たな挑戦をほのめかしていた。

 そんな八木の意外な一面といえば、可愛らしい天然っぷりだろう。デビュー当時は大人しく真面目な性格だったが、徐々にその素顔が明らかになると、メンバーやファンから“八木ちゃん”と呼ばれるほどの愛されキャラに。リーダーの佐藤も「みんなで八木ちゃんをいじって、八木ちゃんが笑わせてくれてっていうのがリハーサルの日常というか。必ずそういう場面があります」(引用:CanCam)と語る。それは他のグループと共演する際も変わらず、『GENERATIONS高校TV(ジェネ高)』に出演した際には、中務裕太との“ダンスdeおなら対決”で爆笑を巻き起こし、EXILE NAOTOが投稿した『【ゲリラタタ】後輩の楽屋へ直撃!まさか踊れないわけないよね!?【FANTA&BALLI】』では、なぜか堂々と前に出てきて「R.Y.U.S.E.I.」のランニングマンを踊り、EXILE NAOTOや世界から突っ込まれる結果に……。今後も彼が放つ斜め上の笑いが楽しみである。

【番外編】GENE×FANTA 神シーンを♪Supersonic♪で振り返る【ジェネ高 】アベマTVで毎週日曜よる9時放送
【ゲリラタタ】後輩の楽屋へ直撃!まさか踊れないわけないよね!?【FANTA&BALLI】

 身体を鍛えれば精神も鍛えられるとよく言うが、八木の場合は、ストイックに体を鍛える日々で、パフォーマンスに懸ける熱い想いと共に“鋼のメンタル”も育てているのだろう。メジャーデビューから1年半が過ぎた今、どっしりと構える八木勇征の存在感、その歌声が、FANTASTICSのオリジナリティを確固たるものにしている。

■斉藤碧
エンタメ系ライター。
ダンス&ヴォーカルグループ、アイドル、ロック、ヴィジュアル系、俳優などジャンルレスで執筆中。V系雑誌「Stuppy」では編集も担当。
Twitter:@stmdr38

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