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LUNA SEAとゴスペラーズ、最新アルバムがランクイン “我が道を貫く”ことが長く愛される秘訣?

リアルサウンド

19/12/28(土) 8:00

参考:2019年12月30日付週間アルバムランキング(2019年12月16日~12月22日/https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2019-12-30/)

 先週、初登場5位でランクインしていたリトグリことLittle Glee Monsterの『I Feel The Light』。こちらはデビュー5周年記念、Earth, Wind & Fireとのコラボも含む注目作で、ソウル/R&B志向のボーカルグループに相応しい成長を感じさせました。大所帯で歌って踊るグループは星の数ですが、だいたい取り上げられるのはフォーメーションの凄さやセンターが誰かという話題です。メンバー全員による本気のコーラスに力を入れるグループって、本当にごくわずか。今後も堂々と我が道を行って欲しいものです。

(関連:ゴスペラーズ 「G25 -Beautiful Harmony-」”U25”トレイラー

 と、思ったら、25年前からゴスペラーズが我が道を貫いていた! 今週10位にランクインしたのが『G25-Beautiful Harmony-』。これ以上ないほどストレートなタイトルの本作は、12月21日にメジャーデビュー25年を迎えた彼らのシングルコレクションです。全58曲収録の5枚組、お値段は6,600円。簡単に手は出せないボリュームなのに、きちんと1万枚以上売れるのだから凄いですよね。

 なお、ゴスペルといえば、カニエ・ウエストを筆頭に今のUSヒップホップの最大トレンド。25年前の彼らがそれを予見していたわけではないでしょうが、流行りに関係なくゴスペル音楽を愛し、パワフルなコーラス、爽やかなハーモニー、ときに重厚なアカペラなどを追求してきた5人の軌跡は、今あらためて聴く価値ありです。ブラックミュージックをいかにしてJ-POPに落とし込むか。その観点で見れば、星野源との共通項も見えてきます。

 そして今週もうひとつの注目は、LUNA SEAの『CROSS』。2.9万枚のセールスで初登場3位にランクインしています。まさか2019年に彼らの新譜を聴くことになるとは思わなかったですが、復活(バンド側は「REBOOT/再起動」と表現)から4枚目、前作から2年ぶりとなる『CROSS』に、変な力みや過剰なプレッシャーは皆無。ゆったりしたテンポで進む大人のロックナンバーが揃っています。

 90年代、LUNA SEAはまさにV系のはしりというべき存在でした。彼らの後にGLAYや黒夢が続き、シーンはさらなる盛り上がりを見せますが、ファンを「SLAVE」と呼び「黒服限定GIG」を開催するなど、LUNA SEAは過激で毒々しいV系カルチャーを日本全土に普及させた1組だったと思います(彼らが影響を受けたDEAD ENDや、先輩にあたるX JAPANのデビュー時にはまだ「V系」という言葉は存在していません)。全国に広まったLUNA SEAのイメージ。象徴となったのは河村隆一(RYUICHI)の華麗なるビブラートですね。毒のイメージを散りばめながらも、ボーカルは歌謡曲のメロディを大胆に歌い上げる。それがLUNA SEA以降のV系定番スタイルとなりました。

 今のLUNA SEAに過激な毒々しさはありません。初期のU2のごとく繊細なギターワークに始まり、プログレ、サイケデリック、またストリングスに彩られたバラードなど、音楽性は本当に自由かつ開放的。本作は、今のLUNA SEAによるロックアルバムと言ってもいいかもしれません。

 ただ、全曲で響き渡る河村隆一のビブラートを聴くだけで「あぁLUNA SEAだ!」とわかる、わからされてしまう感じ。ものすごい個性であり毒性だなと驚くばかり。これもまた我が道を貫いた結果でしょう。今もLUNA SEAを求めるSLAVEがこれだけいるのは、よくわかる気がします。(石井恵梨子)

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