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森高千里が語る、日本各地を再訪して気付いた街の魅力 「日本の四季や思わぬ発見がある」

リアルサウンド

20/11/12(木) 10:00

 森高千里がフォトエッセイ『森高千里 「この街」が大好きよ』を上梓した。

 本作は2019年に行われた全国ツアー<「この街」TOUR 2019>で回った街を“食べ歩いた”記録を自然体の写真と文章ーー彼女自身の素の表情が感じられるーーで構成した作品。ツアー先の街をゆっくり散策してみようと思った理由について、本人にメールインタビューを行った。

 「20代の頃の全都道府県のツアーはスケジュールが詰まっていて、駅や空港から直接会場に入ってしまっていたので、各地の良さを堪能できなかったことが心残りだったんです。昨年のツアーは1年をかけてのゆっくりとしたツアーでしたし、行程を見たら、誰もが知っている街だけでなく、初めて訪れる街もたくさんあったので、各地を散策することを思いつきました。期間限定のインスタグラムで各地を紹介しましたし、街を歩いていると、地元の方が“今日(ライブに)行きますよ!”と声をかけてくださったりして、とても嬉しかったですね」

 かわいいクラゲを鑑賞した加茂水族館、美しい紅葉に彩られた熊谷ラグビー場、コスモス畑に目を奪われた西条市の棚田。日本各地の街をゆったり歩いたことで、彼女自身も様々な“気づき”を得たという。

 「地方に行くと、駅から離れた所に大型店が立ち並び、一瞬、どこにいるかわからなくなることがあって。駅のそばの商店街は人通りが少なくなってしまっている所もありましたが、歴史のあるお店や、お洒落なアーケードもありました。若い方が古民家を改造してお洒落なお店を出していたり、うれしいパワーも感じましたね。印象に残ってる場所は、山形の鶴岡市立加茂水族館のくらげ、徳島の鳴門海峡からみた渦潮。特に美味しかったのは、日田天領焼きそば(大分県日田市)、えびめし(岡山県)、アーモンドバター(兵庫県)ですね」

 その土地の風景を眺め、名所を散策し、名産品に舌鼓を打つ。“この街”を肌で感じることは、ライブ自体にも良い影響があったという。

 「MCで地元のことを話すと、みなさんによろこんでいただけました。調べすぎてしまって、地元の方も知らないような場所のことを話してキョトンとされることもありましたが(笑)、それはそれで面白かったです。全国ツアー自体も、すごく楽しかったですね。今になってまさか全国ツアーをやれるとは思わなかったし、各地、女性の方が多かったのも嬉しくて。以前は新譜を出してツアーを回っていたので、楽曲や演出も含めて覚えることがたくさんあって、常に頭がパンパンだったんです。今回は気持ちに余裕を持って歌うことができ、思いっきり楽しめました」

 2012年からライブ活動を再開した彼女。本作『森高千里 「この街」が大好きよ』からも、歌うことを自分のペースで楽しんでいる様子が伝わってくる。そう、現在の彼女にとってコンサートツアーは、歌へのモチベーションにつながっているのだ。

 「コンサートが好きだし、みなさんと盛り上がれることが嬉しいんですよね。現在はコンサートツアーがなかなか再開できないですが、今できることで、応援してくださるみなさんに楽しんでもらえることを常に提案していきたいです。オンラインライブも積極的にやっています!」

 21年ぶりの全国ツアーをきっかけに制作された『森高千里 「この街」が大好きよ』は、ツアーの貴重な記録であると同時に、日本各地を再発見するきっかけになるはず。「みなさんもぜひ、まだ発見していない地元の街など、身近な所から歩いてみてください。日本の四季や思わぬ発見があると思いますよ」と語る森高千里。今の状況が落ち着けば、彼女は再び“歌と街歩き”のツアーを再開することになりそうだ。

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

■書籍情報
『森高千里 「この街」が大好きよ』
著者:森高千里 
出版社:集英社
発売日:2020年9月25日
定価:1,760円

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