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「男はつらいよ」新作に観客から喝采、山田洋次「やっぱり渥美清さんが主演」

ナタリー

19/12/19(木) 22:23

「男はつらいよ お帰り 寅さん」プレミア試写会にて、前列左から前田吟、倍賞千恵子、山田洋次、後藤久美子、吉岡秀隆、夏木マリ。後列左から池脇千鶴、桜田ひより。

「男はつらいよ お帰り 寅さん」のプレミア試写会が本日12月19日、東京・丸の内ピカデリーで行われ、監督を務めた山田洋次、キャストの倍賞千恵子、前田吟、吉岡秀隆、後藤久美子、池脇千鶴、夏木マリ、桜田ひよりが登壇した。

本作は、寅さんこと車寅次郎を主人公とした「男はつらいよ」シリーズ第50弾にして23年ぶりの新作。イベントが始まると、満員の会場でスタンディングオベーションが沸き起こる。映画の上映が終わり幸福感で満たされた客席を、山田をはじめ登壇者たちは手を振りながら眺めていた。

山田は「映画にいいところがあるとすれば、50年の歳月のおかげではないでしょうか。皆さん、そんなふうにお考えになってください」と呼びかける。1作目から出演している倍賞も「50年かけて『男はつらいよ』という長い長い映画ができあがったと思っています」とうなずき、前田は「博さんという役はまじめで優しくて、どこかぶきっちょなところがある。彼ならどう生きていくだろうかと、博さんに人生を教わったとつくづく感じます」と役への愛をのぞかせた。

物語の軸となるのは、吉岡扮する寅次郎の甥・満男。撮影中のエピソードを尋ねられると、吉岡は後藤演じる初恋の相手・泉とのラブシーンに言及する。「後ろで監督が僕の背中を支えていたんです。及び腰になっていたんでしょうね。たまらずスッと後ろから支えてくださって。監督の大きな手の温もりは一生忘れません」と大げさに感謝し、後藤と山田の“板挟み”状態であったことを嘆いた。後藤も「リハーサルを終えたあとに吉岡くんがボソッと話してきたんです。『監督が後ろから押すんだよ』って。真面目なシーンだったのに、ぐいぐい押されてて大変そうで」と愉快そうに振り返る。現場でムードメーカー的存在だったという夏木は「この素敵な50周年の映画に参加させてもらえて幸せです」とうっとり述べた。

初めてシリーズに参加した池脇と桜田は、同世代にこそ観てほしいとアピール。父の影響で昔から「男はつらいよ」に触れてきた池脇は「どの世代にも受け入れていただける映画だと胸を張って言えます」と自信をのぞかせた。桜田は「家族や友達や恋人と、柴又にも足を運んでみてください。ゆったりした時間を楽しんでもらえたら」とほほえむ。

また山田は、寅次郎を演じた渥美清へ思いを馳せた。「たくさんの回想シーンがありますが、いざできあがったらやっぱり渥美清さんが主演。出演者やスタッフの『渥さんにもう1回会いたい』という気持ちが映画に反映されています」としみじみ語る。そして「渥美さんが亡くなってからも、ずいぶんいろいろな作品を撮りました。いつでも『渥美さんに褒められるといいな』と思いながら。この作品こそ、渥美さんが『俺も出てるけどなかなかよくできてたよ』と、この劇場のどこかで笑いながら言ってくださるんじゃないかと。そうであったらうれしいです」と晴れやかにコメント。最後も総立ちの観客に見送られる中、登壇者は会場をあとにした。

「男はつらいよ お帰り 寅さん」は12月27日より全国でロードショー。

(c)2019 松竹株式会社

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