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3年A組、QUEEN、イノセンス、私のおじさん、家売るオンナ…2019年冬ドラマ注目主題歌は?

リアルサウンド

19/1/9(水) 8:00

 毎回クールごとに異なる盛り上がりを見せるドラマ主題歌。前クールは、ドラマ『今日から俺は!!』(日本テレビ系)が好評を博し、同時に主題歌であった嶋大輔ヒット曲「男の勲章」が再び脚光を浴びた。同ドラマではオープニング映像として、“今日俺バンド”による同曲のライブ演奏も放送。そうした工夫も「男の勲章」に焦点が当てられた理由なのかもしれない。また『獣になれない私たち』(日本テレビ系)では、主題歌「今夜このまま」(あいみょん)はもちろんのこと、挿入歌「まっしろ」(ビッケブランカ)も美しく憂いのあるメロディと歌詞が登場人物の心情にマッチし、ドラマの盛り上がりに大きく貢献していた。では、今期はどのようなドラマ楽曲が揃っているのだろうか。注目楽曲を紹介していきたい。

(関連:『アンナチュラル』『半分、青い。』『おっさんずラブ』…印象的な2018年ドラマ主題歌を振り返る

■名主題歌を生み出してきたヒットメイカーたち

 気になるのが名主題歌およびテーマソングを手がけてきたアーティストの存在だ。例えば、『私のおじさん~WATAOJI~』(テレビ朝日系)の主題歌に起用されたaiko。aikoは、『ダメな私に恋してください』(TBS系)の「もっと」、映画『聲の形』の「恋をしたのは」など多くの主題歌を担当している。キュートさのなかに女性ならではの本音が混じったaikoの楽曲は、女性視点で描かれた映像作品で抜群の影響力を発揮する。また、『私のおじさん~WATAOJI~』は、制作会社で働く若手女性社員の苦悩を描いたコメディだ。同ドラマのプロデューサー貴島彩理は「“一生懸命がんばる女の子の背中を押す主題歌”と思ったときに、真っ先にaikoさんが浮かびました」とコメントしている(参照:https://realsound.jp/2019/01/post-302245.html)。主題歌の「愛した日」は、主人公の心情を捉えながらもポジティブに導いてくれる楽曲となっていることだろう。

 続けて『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』(フジテレビ系)で主題歌を担当するYUKIも、近年タイアップ曲のリリースが多いシンガーだ。軽やかでありながらも強い意思をも感じさせるYUKIの歌唱は、ドラマや映画をより胸に迫るものにさせてきた。『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』は、スキャンダルやトラブルの裏側に迫るストーリーになっているという。人間ドラマの側面が強い本作。YUKIによる主題歌は、登場人物の寄り添ったものとなることだろう。

 ほかにもヒットドラマの続編『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系)では、斉藤和義「アレ」が主題歌に。斉藤和義といえば、『家政婦はミタ』(日本テレビ系)の主題歌「やさしくなりたい」だろう。不安感を煽るようなイントロのアルペジオや〈愛なき時代に生まれたわけじゃない〉というフレーズは、ドラマの不穏さやどうしようもなさをより印象付けた。一方「アレ」は打ち込みのダンスチューン。歌詞には社会描写が盛り込まれており、同ドラマとも密接度も高いのではないだろうか。

 『よつば銀行 原島浩美がモノ申す!~この女に賭けろ~』(テレビ東京系)の主題歌は、スガ シカオ「遠い夜明け」。彼の代表曲である「アシンメトリー」は『整形美人。』(フジテレビ系)の主題歌だ。都会的で気だるさを携えたサウンドとキャッチーなメロディは、ドラマの名シーンとともに強いインパクトを残した。また、『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK総合)のテーマ曲「Progress」(スガがボーカル、作詞、作曲を務めるバンド・kōkua名義)も、番組をよりドラマティックに演出。『プロフェッショナル』=「Progress」のフレーズを思い浮かべる人も多いのではないだろうか。そんなスガ シカオによる久々のドラマ主題歌「遠い夜明け」がどのような楽曲になるか楽しみだ。

■近年飛躍した若手アーティスト

 筆者が今期特に注目しているのは、『イノセンス 冤罪弁護士』(日本テレビ系)の主題歌を担当するKing Gnuだ。彼らは、2017年から活動を始めた若手バンドでありながら、同年には『FUJI ROCK FESTIVAL』に出演。勢いは止まることなく今年メジャーデビューを果たした。独特のうねりを効かせたサイケデリックなサウンドで、聴くほどにハマってしまう中毒性があるバンドだ。彼らは新曲「白日」を同ドラマのために書き下ろしたという。特に11月に公開した新曲「It’s a small world」は洗練さを極めた名曲だったこともあって、主題歌への期待も高まるばかりだ。

 『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)はWANIMA「アゲイン」を起用。同ドラマは、主人公の新米刑事が退職警官らとともに協力しあいながら難事件に迫るという物語。“このままじゃ終わりたくない”というメッセージが込められた楽曲となっており、事件解明を諦めないという主人公の感情が捉えられている。

 『ゆうべはお楽しみでしたね』(TBS系)主題歌は、そらる「ユーリカ」。そらるもドラマ主題歌を担当するのは今回が初となる。ゲーム好きとしても知られるそらるが、オンラインゲーム『ドラゴンクエストⅩ』で巡り合った男女の姿が描かれている本作の物語に沿った柔らかいメロディで、同ドラマをよりロマンティックに演出している。

■意外なアーティストの抜擢

 今期はドラマ主題歌としては珍しいアーティストも並んでいる。弁護士ドラマ『グッドワイフ』(TBS系)には、BUMP OF CHICKEN「Aurora」が主題歌に。タイアップ曲を数多く手がけているBUMP OF CHICKENだが、21年間の音楽活動のなかでドラマ主題歌を務めたのは4回と少なめ。また、同ドラマは、夫がスキャンダルで逮捕されたことで16年ぶりに弁護士に復帰した女性を主人公にしている。弁護士ドラマ×BUMP OF CHICKENという組み合わせはあまりイメージが湧かないかもしれないが、葛藤を抱える主人公を後押しする楽曲として意外な親和性をみせるのではないだろうか。

 放送後、さっそく話題を呼んでいる『3年A組―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)の主題歌はザ・クロマニヨンズ「生きる」だ。彼らの楽曲が主題歌となったのは、3年ぶり2回目となる。また、同ドラマは担任教師がクラス全員を人質にとって教室に立てこもり、ある生徒が命をたった理由を探る物語。同曲は、10代ならではの虚無感を抱えた登場人物たちに、希望を見出す役割を担っているのかもしれない。

 『トクサツガガガ』(NHK総合)には、ゴールデンボンバーが主題歌を担当。新曲「ガガガガガガガ」を書き下ろした。意外にもゴールデンボンバーがドラマ主題歌を務めるのは初だという。鬼龍院翔は「およそドラマ主題歌では通らなそうな変拍子をブチ込んだりしてみました!」とコメント(参照:https://realsound.jp/2018/12/post-292139.html)。ゴールデンボンバー初のドラマ主題歌が、ストーリーをどのように盛り上げていくのか注目したい。

 ドラマ主題歌のヒットメイカーや珍しいアーティストの起用など、今期も様々なアーティストが揃ったドラマ主題歌。それぞれどのような親和性をみせるのか注目しながらドラマを楽しんでみてはいかがだろうか。(北村奈都樹)

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