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神尾楓珠、普通ってなんだろ?と考え演じた主演作「彼女が好きなものは」に願い込める

ナタリー

「彼女が好きなものは」完成披露試写会イベントの様子。左から山田杏奈、神尾楓珠、草野翔吾。

「彼女が好きなものは」の完成披露試写会イベントが本日11月2日に東京・スペースFS汐留で行われ、キャストの神尾楓珠と山田杏奈、監督の草野翔吾が登壇した。

浅原ナオトの小説「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」をもとにした本作では、ゲイであることを隠しながら生活する高校生・安藤純と、BL好きを隠している同級生・三浦紗枝の関係が描かれる。純役の神尾は「題材が題材なので、真ん中に立って映画を作るということに対して怖いという思いはありました。でも監督やプロデューサーのまっすぐな思いを感じてオファーを受けました」と述べ、「経験のないことなので演じていて最初は戸惑うこともありましたが、悩みを隠しながら生きる、誰にも言えないことがあるというのは身近な話。そういうところから役作りをしていきました」と振り返った。

紗枝役の山田は「紗枝は純と一緒で自分の好きなものを大きな声で言えないという思いを抱えています。そして、BLが好きな彼女が好きになった人はゲイだった。紗枝はそれをまっすぐ受け止める。台本を読んだときに、そういう彼女の姿がすごく好きだったので、そんな紗枝を私が表現できるんだということがうれしかったです」と回想する。

2人をキャスティングした理由を問われた草野は「自分を抑えている影の部分と透明感。そういうものを持った純を作っていく中で、神尾くんがぴったりだなと思ったんです」と説明し、山田に関しては「僕が思う紗枝はしなやかで強い女性。そんな紗枝に合う人って誰だろうと思っていたら、映画祭で山田さんに会ったプロデューサーが『そのまんま紗枝だった!』と言っていて。僕も実際会ってみたら、ドアを開けて入ってきた瞬間、紗枝でした」と力説した。

イベント中盤には本作の物語にちなみ“周りに言っていないけれど好きなもの”を神尾と山田が発表する場面も。「恋バナ」とフリップに書いた神尾は「高校生の頃は嫌いだったんですけど、大人になったらめちゃくちゃ楽しい! 変にアドバイスとかしちゃいますもん(笑)」と、「知育菓子」を挙げた山田は「恥ずかしいから1人で家でやります。昔はハンバーガーの見た目だけどいちご味だったり甘いのしかなかったんですけど、今はハンバーガー味のハンバーガーが作れるんですよ。それがちょっと面白いです」と照れた様子で紹介した。

最後に山田は「純や、登場人物の姿を観ているだけで感情が湧いてくると思います。そんなものにまっすぐ向き合っていただけたら、こんなに幸せなことはないです」とコメント。神尾は「完成した映画を観たとき、今まで自分の中でなんとなく思っていたけれど言語化できていなかった感情が、作品の中でちゃんと言語化されているなと思いました。普通ってなんだろ? 幸せってなんだろ? と考えながら演じた作品です。この作品が皆さんにとって何かを考えるきっかけになったらいいなと思います」と願いを込める。そして草野は「もちろん、いつも考えて、考えすぎるぐらい考えて作品を作るんですが、この作品に関しては社会の風潮とかそういうものと自分なりに向き合って、考え尽くして撮りたいと思いました。釜山国際映画祭でひと足先に上映されていい反応をもらえたので、日本でも受け入れてもらって、広がっていけばいいなと思っています」と真摯に伝えた。

「彼女が好きなものは」は、12月3日に東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国でロードショー。

(c)2021「彼女が好きなものは」製作委員会

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