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SparQlewが語る、これからの“個”と“ユニット”の在り方 「曲を出す度に個が強くなっていっている」

リアルサウンド

20/9/23(水) 18:00

 上村祐翔、千葉翔也、保住有哉、堀江瞬、吉永拓斗の5人によるユニットSparQlewが、2ndシングル『ヘルベチカ』を9月16日にリリースした。

 7月29日に2ndアルバム『evergreen』をリリースしたばかりの彼らだが、今作は『evergreen』を経た上での、個々のクリエイティブが詰まったシングルになっているという。今回のインタビューでは、個性を詰め込んだ制作の経緯からそれぞれのクリエイティブ、そしてそれがもたらせたこれからのSparQlewについて聞いた。(編集部)

新しい僕たちの存在感を見せつけられた 

ーー今回のシングルを聴いた感想はいかがでしたか?

千葉翔也(以下、千葉):7月にリリースした2ndフルアルバム『evergreen』を受けて、今回のシングル『ヘルベチカ』では僕らの意思が反映されている部分が多くあります。「雲に閃光弾」はロックで今までよりもメンバーの個性が出ているし、逆に「I’m for you」はユニゾンで声が重なる部分が意外と多く新鮮な音に聞こえた。『evergreen』を経たからか、一つ自分たちの見え方が変わったなと思っています。

保住有哉(以下、保住):今回は曲のコンペから参加させていただいて、この「ヘルベチカ」の音源だけ、一癖ある感じでシングルのリード曲っぽくなかったんですよね。いつもと変わっているけど、リードとして存在感のある曲が出来上がった。それに負けないカップリングであったり、シングル3曲なのに聞き応えがある作品になったと思っています。

上村祐翔(以下、上村):『evergreen』では僕たちの優しい雰囲気だったり、温かみが曲の中で表現することが出来て、また新しいSparQlewとしての魅力を見せられたらいいと思い「ヘルベチカ」を制作しました。『evergreen』を経たからこそ、それぞれが自分の殻を破って制作に取り組んでいった歌い方が、曲を聴いていただければ伝わるのではないかと思います。

堀江瞬(以下、堀江):前回の『evergreen』から間を空けずのリリースということで、今のSparQlewの勢いを感じてもらえると思います。全3曲の印象も前回のシングル『勝利の歌』とはまた違いますし、「I’m for you」が入ることによって、より振り幅が広がっている感じがしますね。

吉永拓斗(以下、吉永):ファンのみなさんがどう感じたか感想が楽しみです。「ヘルベチカ」と「雲に閃光弾」という新しいスタイルのSparQlewを大切にしてくれる人が増えつつ、「I’m for you」のようなポップに自分たちを励ましてくれる曲も聴きたいなと思ってくたら嬉しいです。新しい僕たちの存在感を見せつけられたんじゃないかと思います。

ーーレコーディングはどのように進んでいったのでしょう?

千葉:今まではSparQlewらしさでアプローチするディレクションが多かったんですけど、「ヘルベチカ」と「雲に閃光弾」に関しては、らしくない方がこの曲らしいと言いますか。ほかのメンバーとバランスを取ろうとは考えずに、より自分に寄せたことで逆に統一感のある曲になったと思いますね。「雲に閃光弾」はこんなにやっちゃってもいいのかってくらいに、思い残しがなく投げ込めた感じでした。

保住:「ヘルベチカ」では各々が別のアプローチをしているんですけど、その散らかり具合が一つにまとまっていて面白くなっているし、「雲に閃光弾」は一人ひとりのかっこよさが出ていたり、全体的にこれまでの作品と比べて、今の自分たちの気持ちに近い等身大のものになったと思います。

上村:「ヘルベチカ」には普通を壊していこうというコンセプトがあって、ディレクションでも自分の中で遊んでみようという意識で曲に入り込めたことが嬉しかったですね。その流れから「雲に閃光弾」、「I’m for you」も自分なりのアプローチを考えつつ、可能性の視野を広くして臨んでいきました。

吉永:デビューアルバムの『Bring it on!』とか『勝利の歌』の時に、「それはちょっとやりすぎだから押さえてほしい」と言われていた表現が、「もっと出して」というディレクションを受けた時に、SparQlew自体の軸が変わっていっているんだと感じました。今回は、「ヘルベチカ」や「雲に閃光弾」で求められるクールな表現をどう絞り出していこうかというのに悩んだりしましたが、振り返ると、以前の僕と楽曲の捉え方が逆転したのかなと思います。

堀江:『evergreen』の「SHELLBREAKER」と「アカ・アオ・キ・ミドリ」の2曲を収録した時に、ここまでやっていいんだというヒントを得たんです。それまではSparQlewの一人としてのディレクションだったんですけど、そこから飛び出したいい意味で、らしさを捨てることが許されてきていて。それをふんだんに試した3曲だと思っています。「ヘルベチカ」は仮歌の音源と大幅に変えずとも、少しだけ自分の癖で歌ってみる遊びをしていて、「I’m for you」に関してもベース高めに歌ってみたりいろんな挑戦ができました。

ーーみなさんの中で、SparQlewらしさとはどのようなイメージですか?

保住:今までは「輝く」というイメージだったんですけど、今回のシングルを経て思うのは「個」ですね。個々の力が集まった時にどれだけ大きくなるか。

堀江:らしさって常に変動している感じがしますね。曲を出す度に個が強くなっていっている。

保住:一人ひとりの違ったアプローチが、より表に出始めている。

堀江:ディレクションも変わってきているからね。外から見てもそうなんじゃないかな。

吉永:今年の2月に『1st Live “Re:Winner’5″』の再演を開催したんですけど、その時からすごく仲良くなったんです。

保住:今が一番仲が良いね。

ーーそれはファンのみなさんにも伝わっている気がします。以前、YouTubeのMVのコメントに、「みんなでシェアハウスしてそう」というコメントを見かけました。

保住:あー!

千葉:それでも住んだら上手くいかなそうなのが、俺らの良さというか。仲良くなった結果、それぞれがそれぞれに合わせなくなった。ちゃんと意見を言えるようになったし。

保住:みんな自由で、だからこそ個なんだよ。

ーー今回からメンバーのみなさんもクリエイティブ面に関わっているということですが、どのようなきっかけがあったのでしょうか?

保住:今までも僕らの中でそういう話はあったんですが、『evergreen』の10曲をやってみて、いちから制作に関わることができたら、より曲に思い入れが持てるしライブでのパフォーマンスも変わってくるんじゃないかと思ったんです。

千葉:『evergreen』で制作陣の思う明るいと、僕らの明るいは違うことが明確になったんです。

保住:人から見た等身大と自分たちの思う等身大も離れていたりして。

上村:いろんな曲をやってきた中で、自分たちが今やりたいものがそれぞれに出てきたから、楽曲を作るにあたって一度擦り合わせをしたいということになりました。

堀江:王道を一つとっても、人によって感じる王道のあり方は違うと思っていて。話し合いで感覚の擦り合わせができたのはありがたかったと思います。

吉永:結果的にSparQlewらしい咀嚼ができて、自分たちがやりたいことも、「I’ m for you」のようなファンの方が嬉しいと思ってくれるような楽曲が生まれたのもよかったと思います。スタッフさんを交えて、みんなでオンライン会議をして。

保住:5人の意見も交わって、曲数も増えてきたところで、自分たちのやりたい1枚が作れたのは大きかったです。

ーーMV撮影はいかがでしたか?

保住:騒いだね!

千葉:監督は以前からお世話になっている方なんですが、何パターンか案をいただいて、全員がしっくりきた状態で撮影に臨めたのが大きかったですね。今回はこういう流れで遊ぼうみたいなのがあったので。

保住:お互いにビジョンが見えた状態で撮影に臨めた。

千葉:そんなの思いつくんだっていう、メンバーに予想を裏切られた場面もありました。祐翔さんの変顔とかすごいよね。

上村:変顔をそれぞれやるシーンがあったんですけど、僕がトップバッターだったんです。気合を入れて臨んで。

保住:普通、あんなのNGよね(笑)。

一同:ははははは(笑)。

上村:僕としては最高の変顔を何パターンも出して。こんな感じになりましたって見せてもらった時に、僕だけ本当にすごかったんです。だから、ランクを下げた変顔が使われることになりました……(笑)。僕はちょっと悔しかったですね。

千葉:俺らがついていけなかったからな。

上村:「もっといけるだろ!」と思いました。

千葉:その日、瞬と拓斗が今までにない髪の色にしてきたりして、5人のテンションが高かったんです。久しぶりに会えて嬉しかったのかな。

保住:「枠を飛び出してみんなで暴れて楽しくやろうぜ!」っていうコンセプトのはっちゃけ具合が髪色にも出ているんです。

堀江:MV撮影というよりかは、いかにふざけられるかで。お菓子を撒き散らしたり、プールに飛び込んだり、シャンパンを開けたり。普段出来ないことをやってもいい環境だったので、一夏の思い出です。

保住:みんなが笑っていて、それが嬉しかったな。撮影しながら泣きそうでしたもん。感慨深くなるよね。プールに飛び込んでみんなで遊んで、明日死ぬんじゃないかなって(笑)。映像にもそういうのが溢れ出ていると思うんですよね。

SparQlew 2nd Single「ヘルベチカ」2020.9 16 Release

ーージャケット撮影は?

上村:MV撮影の合間に撮りました。中盤で5人のショットを撮ったので、どの写真を見ても楽しいのが表情に表れています。

保住:あの日、土砂降りだったんですけど、ジャケット撮影の時だけは、太陽が差し込んだんですよ。ブックレット用に、ソロの写真もたくさん撮っていただいたので楽しい瞬間の僕たちが多く使われていると思います。

 声優の枠を飛び越えた曲を作っていきたい

ーー8月9日には配信ライブ『SparQlew Live Stream “Breath”』が開催されました。これまでのライブと違った点、意識したポイントを教えてください。

千葉:演出の数が今までとは段違いでした。今回は全員が理解していないと即座に失敗に繋がるものばかりだったので緊張感がすごかったですね。リハも出来ていない状態では帰れない。

保住:ワンカットで撮っているので、そこに人がいなかったら何もない画になる状況もあり得るんです。リハの時から見切れていないかを確認したりして、いつも以上にスタッフさんと接することが多いライブでしたね。

上村:リハ動画を何度も見返して、次のリハまでに出来るよう意識したり、会場に行ってみないと分からないこともあったので、頭の中でシミュレーションを重ねながら臨みましたね。カメラを通して思いが伝えられるようなパフォーマンスをしようと、より見られていることを意識しました。

堀江:観てくださっている方には映るものが全てなので、僕らの楽しく歌ってる感じがダイレクトに伝わったと思うんですけど、裏ではどれだけスムーズに動いてカメラに映り込まずに次のスタンバイするかをリハの段階から詰めていたんです。映っていないところでは全力ダッシュをして次の立ち位置に向かったりして、配信ならではの楽しみ方ができてよかったと思います。

吉永:映ってないところでもお互いに目が合う瞬間があって、自分たちが楽しんでる感覚をしっかり持てているんだと思えました。セトリを自分たちで決めたのも大きいですよね。

千葉:たしかに! セトリも今回から自分たちでがっつり考えて、僕らの中で流れ自体に意味があったので思い入れも強かった。今までお世話になっている演出の方が考えてくれたのも嬉しくて。僕らが決めたセトリをよりよく見せるために、思いもよらないことを考えてくださって。

保住:だから、出来上がったのを見たらすげぇ! ってなったよね。今回、無観客ではありましたけど新たな発見もあり、届けられたものも多かったんじゃないかと思います。

ーー今回のシングルを通して、今後挑戦してみたいことはありますか?

保住:またすぐ歌いたいです。今ある感覚を忘れないうちにアプローチの方向性を磨くためには、途切らすことなく、新しい楽曲の制作に取りかかりたいという気持ちがありますね。自分たちの新しい一面が見えたので、それを披露する場が欲しいです。

上村:「ヘルベチカ」をライブで披露した時に、またこの曲を好きになるんだろうなと思ったんですよね。『SparQlew Live Tour 2021 ”Breath”』の開催が発表されていて、シングル3曲を披露したいなと思いますし、今後もよりよいパフォーマンスをお届けしたい思いがあります。

千葉:メンバー全員で経た時間は確実に曲に表れるなって思いましたし、それぞれの歌詞に対するアプローチも細分化できていると思うので、さらに細かく表現の幅を広げていきたいと思っています。

吉永:ジャンルやステージは関係なしに、SparQlewだから応援したいと思えるような存在になるため、今回のシングルはまた新しいスタートラインを更新したというイメージがあります。このままの勢いで進んでいけたらいいと思います。

堀江:僕はもっと難しい歌を歌いたくなりました。「I’m for you」は全体的にキーが高く、スキルが求められる曲で、徐々に求められるもののハードルの高さが上がってきている気がするんです。今後は難しいけどキャッチーな曲を歌いたいなと思いました。

ーー例えば、どのような曲を歌いたいですか?

堀江:ライブではなかなかハモりをお披露目する機会がなかったので、一人ひとりがどこを担当するのか明確に分けた曲にも今後挑戦していきたいなって思いますね。ゴスペルソングのような。

千葉:それいい! 俺、高音勝負したいもん。

ーーそれは自信がついてきた証拠でもありますよね。

保住:どちらかと言えば、挑戦的な方ですかね。

千葉:手拍子しかない曲がやりたい!

保住:ブルーノ・マーズみたいな、グルーヴが強めのみんながノレる曲をやったらお洒落じゃないかな。

上村:なんだろう。ラップとか?

保住:ラップ担当決めちゃいますか。堀江さんは嫌そうですね。

堀江:我ながらラップ担当は僕ではなさそう。

千葉:分かりやすく語尾で韻を踏むラップに終始せず、ロウな感じとか?

保住:ライトめなラップをなじませていくと、曲に緩急が出ていいんじゃないかな。今回はシングルの中で緩急をつけているけど、曲中でどこを切り取ってもいろんな表現であったり、いろんな音が鳴ってるような作品が欲しい。どこに打ち出しても恥ずかしくない、いろんな人に刺さる曲が。声優の枠を飛び越えた曲を作っていきたいですね。

千葉:僕ら5人とも好きな音楽がバラバラで、それを活かさない手はないかなと思います。

保住:その中で一つバン! と、“これがSparQlewだ”っていう曲調が生まれる可能性もありますし、一つずつ試していけたらいいですね。

■リリース情報
『ヘルベチカ』
発売:2020年9月16日(水)
豪華盤(初回限定生産)CD 3曲収録+DVD ¥2,000(税抜)

CD
1. ヘルベチカ 作詞:やぎぬまかな 作曲・編曲:渡辺未来
2. 雲に閃光弾 作詞:真崎エリカ 作曲・編曲:田中俊亮
3.I’m for you 作詞・作曲:Yo-Hey 編曲:清水”カルロス”宥人

DVD
1. ヘルベチカ(MUSIC CLIP)
2. TRAILER
初回生産分封入特典
メッセージカード
※通常盤とは写真・メッセージが異なる。

通常盤 CD 3曲収録 ¥1,400(税抜)
メッセージカード
※豪華盤とは写真・メッセージが異なる。

オフィシャルサイト

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