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WHITEHEAD、飽くなき音楽への挑戦 「プライドなんて失くしてもまた出てくるもの」

ぴあ

19/2/22(金) 20:00

「アートと音楽」をコンセプトに活動するWHITEHEADは、龍寺さん(art/vo)と大熊さん(sound/prg./dr.)による2組人ユニット。すべての曲に龍寺さんによるアートワークが存在し、大熊さんの作る世界観を表現。ライブ活動のほか、年に数回個展も開催しています。今回のインタビューでは、3月22日のアートシングル3枚同時発売について、同日に行われる主催ライブ「White board vol.2 」についてなど、気になる最新情報を中心にお話いただきます。

運命の3曲を同時リリース

─── まずは、3月22日発売のアートシングル、3タイトル同時リリースについて教えてください。「element」「love」「sweet room」の3タイトルを、同時発表された理由とは?

龍寺さん(以下・龍寺) 今まで僕らは、リリースごとにコンセプトアルバムっていう縛りで、5曲セットでリリースしていたんですね。でもその縛りは特に強制されていたものではなく、ざっくりしたものでしかなかったんです。そして今回、「現状出せる、最高の作品が出来上がったら、それを出そう」と決めたら3作品出来たんでリリースします。

大熊さん(以下・大熊) まあ、たまたま……?

龍寺 運命です(笑)

─── 私は3曲の中では、一番「love」が刺さりました。

龍寺 同じですね(笑)全曲好きなんですけど、「love」のデモを聞いたときはもう、「すごいアプローチ!」って。惚れましたね。大熊さんの作曲の才能って、すごいんだなって思いました。

大熊 あ、良かった。

─── 大熊さんから曲をもらったら、龍寺さんが歌詞を付けるんですよね。歌詞はどういうイメージで作るんですか?

龍寺 「love」に関していえば、サビには大熊さんの歌詞がもともとついていました。サビ以外は、大熊さんに相談しながら。僕が書いては「どうですか」ってお伺いを立てるみたいな。そしてレコーディング当日に微調整しました。

─── 「element」はファンが盛り上がりそうな曲ですね。

龍寺 「element」は、ライブ映えがすると思います。あと、楽曲のパターン的に、僕らの初MVにもなった「Eye’s」が近いかな。最初静かで、サビでガーンって盛り上がるっていうのが。でもアプローチが、今までのそのパターンと違ったから、すごく新鮮味がありました。

大熊 そうだね。

龍寺 あとパンク要素が、どこかしらにありますよね。

─── では最後に「sweet room」について。

龍寺 「sweet room」のデモを聴いたときは、僕の中でパンチが弱かったんですよ、正直。でも歌を入れたら、一番化けた曲でした。存在感がガッツリ出て!

大熊 結構、素直に作ったから。因みにこの曲はドラムから考えました。

─── へえ~。ドラムから!

大熊 一番得意なので(笑)

─── 言われてみれば、ドラマーですものね。

大熊 ドラムから考えて、自分がよくやる、セオリー通りに作りました。

龍寺 お洒落要素が強い曲だと思います。

─── どれもお洒落ですけどね。

龍寺 実は僕もそう思ってます!(笑)

夢や目標は達成したらそこでハッピー、なわけではない

─── 今回のリリース3曲のアートワークについても、ご説明いただけますか?

龍寺 今、「element」だけ出来上がっているんですけど、ハサミがモチーフです。あと2つはまだ描いていないんですが、描くものはデモを聴いたときから決まっています。

─── 「element」とハサミ、なんだか新鮮です。

龍寺 ハサミは歌詞の内容から拾ってきました。例えば、髪はなくならない限り伸び続けるし、逆に言えば切っても切っても終わりがない。それを転じて、夢も目標も達成したら、そこでハッピーという人はいない気がして。

─── 次の欲が出てきますものね。

龍寺 うん、やっぱり欲は出ます。そしてその終わりの無さを表現するのに、何がいいのかなった考えたときに、ちょうど2人で髪型を変えようという話をしていたんですが、髪を切る=刃物ということで、刃物を使いたくなったんです。

─── なるほど、ご説明いただくと納得します。

龍寺 最初は刃物を何種類か集めて、絵に対してマスを決めて、そこにいろんな刃物を描く絵が浮かんでいたんですが、レコーデイング後に「ハサミ1本で描こう」と気が変わりました。

▼こちらが今回のアートワーク

─── 確かに細かくいろんなモチーフを描くより、インパクトありそう。でもハサミは私、切って失くしちゃうっていうイメージが強いんですけど、切っても切っても出てくるって発想が面白いです。

龍寺 新しいものを生み出す道具っていうね。まあこの曲は歌詞を全部大熊さんが書いたので。その歌詞の内容を汲み取ってっていうのが、ハサミになった理由ですけど。あとプライドっていう言葉が歌詞にあるんですけど、プライドなんて、失くすけど結局また出てくるもの。すごく頑なに持っている人でもどうしても失くすことはあるけど、逆に消えるものでもないし。そんなところです。

─── 早く見たい!

龍寺 楽曲に対しての色付けも、もう今回はしていて。「element」は水色、「love」はベージュ、「sweet room」は薄いピンクです。「sweet room」は部屋の間取り図というかこう、自分目線の景色をそのまま描くつもりです。

大熊 色っぽくね。

龍寺 全部ピンクで描くからね。ピンク縛りで薄い、濃い、蛍光で変化を付けて、全部描こうかなって思います。歌詞に出てくる甘い匂いっていうのを最大限表現したくて決めました。

─── 楽しみです。

龍寺 「love」のモチーフは手錠です。これもアイボリーでアウトラインを取った手錠だけを描きます。エモい感じにしたい。

大熊 いいと思う!

曲作りは自分の中の別の自分と多数決を取りながら作っている感じ

─── お2人でどういう曲を作ろうとか、制作に入る前に話し合ったりするんですか?

龍寺 こういう曲が好き、ああいう曲が欲しいっていうのは……

大熊 そんなにガッチリではないですが、話します。何が必要だとかね。

龍寺 それ以外は特に話しません。

─── それで大熊さんが、作曲に入られて。

大熊 「こういうのが欲しい」って言われて、「了解!」って応えて、バ~ンみたいな感じで作ってます。僕、意外に中身がすっからかんなんですよ。だからWHITEHEEADは中身を着けた人(龍寺さんを指さして)、作った人(自分を指さして)みたいな関係性。

─── そうなんですね! 意外と本能で作曲するタイプ?

大熊 今回、インタビュー受けるって聞いたとき、「ヤッバい、何も話すことないわ」って思って焦りました。

龍寺 いや、めっちゃあるでしょ! 話すこと絶対あるでしょ!

大熊 「作りました」くらい?

龍寺 いやいやいや! そんなことないから(笑)

─── 曲は、どれくらいの制作期間で作られるんですか?

大熊 うーん、デモ自体なら、1曲3日あれば作れます。それでクオリティ上げるのに、今日はベースの日みたいに楽器ごとに考えて。

─── 今回ならではのエピソードがあれば。

大熊 前回も何曲か録りましたが、今回は全曲ドラムも録ったんです。サウンド面でそんなに崩さないようにしながら、バンドっぽさを目指しました。

─── 作っているときはどんなことを考えているんですか?

大熊 単純に前回を超えたいなと思いながら、ずーっと作業していた感じです。

─── 歌詞に関してはいかがでしたか?

龍寺 WHITEHEADではどちらが書いても良いモノならそれでいいって感じです。

大熊 僕もそうですね。別に今回、悪いってワケじゃないし別に自信もあるんですけど……なんて言っていいか分からないんですけど、こだわって書いてないんです。

─── 頭にわいてくるイメージを書いているということでしょうか?

大熊 自分で作業しているんだけど、自分でやっていない感じかな? 「こんな言葉だといいよね~」と提案すると、もう1人の自分が「そうだね」って言って、最後は多数決をとって、みたいな。

─── 自分の中の自分たちが多数決!

龍寺 才能のある作詞家じゃないですか。

大熊 でも、悪く言うと仕事っぽくなるかな?

─── 仕事脳で、割り切ってニーズに応えているとか?

大熊 いや、もちろんWHITEHEADはやりたいことしかやってないから、仕事だけではないんです。うーん、なんだろう(笑)

龍寺 冷静なんですよね。

大熊 変に冷静かもしれない。

龍寺 僕がどっちかというと感情型なんで、バランスはすごくいいんですけどね。見てて、わかりやすいかもしれない。

─── ライブを拝見していて、お2人の性格は何となく感じていました。

龍寺 わかりやすいですよね?(笑)

楽曲の制作で大切にしていること

─── 以前、インタビューをさせていただいたときに、「世の中に受けないとって思いはあるんだけど、自分たちがまず表現したいことをやる」というのが前提だとおっしゃっていました。そして今回のリリース3曲は、世間へのアピールとやりたいこととが、キレイに合わさったのかなという印象があります。

龍寺 今回の3曲に関しては、最終的にそれをすごく感じました。やりたいことはやっているんだけど、すごく意識は、メジャー感が強いというか。曲がそっちに行ったという感じがしました。

─── ファンはもちろんですが、初めての人も受け取りやすい曲ですよね。

龍寺 きっと、あまり嫌な引っ掛かりがない曲かな。

─── 良い意味でクセが強くないというか、とても聴きやすかったです。

龍寺 いいことですよ。

大熊 俺にしてはまあまあ早かったよね?

龍寺 ぜんぜん早かった!

大熊こんな感じかなあって。

─── 時間かかるときは、うんうん唸る感じ?

大熊 説明が難しいんですけど、制作に関しては2種類あるんです。中から来るのと、外からの来るのと。今回は中からでした。中からだから早かったけど、外からだと時間がかかっちゃうし、難しい。

─── 中から!? 外から!?

大熊 外から来ちゃうと、パーツ集めが大変なんです。できると早いんだけど、とにかく拾わなきゃいけないから。1個ずつの距離が半端ない。龍寺から来る言葉だったり、世間が求めていることだったり……そういったものをまとめるのが外から来るパターン。中からは、「はいはい、じゃあこうですね」って従うだけ。

─── 芸術家でもない私が言っていいのかわかりませんが、文章書くときに、ワッと出てくるときと、拾い集めて書くときとはあります。

龍寺 うん! あるんですよね。わかる! すごくわかる!

大熊 それ、すごくわかる……それです。

プライドがない感じをプライドにしていたい

─── 先ほど、「element」のアートワークの話の中で「プライド」についてちょっとお話いただきましたが、お2人のプライドというかアーティストの矜持みたいなものについて、お話いただけますか?

龍寺 なんだろうなあ。結構頑固なんで、あるとは思うんだけど……。

大熊 僕も根が相当頑固。でもプライドない感じを、プライドにしたい。

龍寺 あー、僕、一度プライドを消したけどまた違うのがでてきた(笑)。

大熊 仕方ない、男性ホルモンがある限り。

─── 男性ホルモンが関係しているんですか!?

大熊 いや、してますよ。本能です、多分。でも男性に限らず、みんなにもちろんプライドはある。教育にもよるけど。

龍寺 むずい!

大熊 人間の大本だよ、本能的な奴

─── お2人に直接会いたいファンのために、ライブの話を聞かせてください。3月22日に主宰ライブをされます。これは1年9ヵ月ぶりなんですね。

龍寺 主宰ライブはしばらくしていなかったので、リリース記念と同時にすることにしました。

─── 出演アーティストさんはブッキング中。

龍寺 そうですね、今2組決まっています。今回は、新鮮味を大事にしたいんです。

─── ではあまり接点のない方にもオファーしているんですか?

龍寺 あまりやったことのない方に、なるべくオファーしていますね!

─── 個展のご予定もあるんですよね。

龍寺 はい、ライブの翌日に個展をやります。今まで使っていたギャラリーではない場所で。エモさを表現するには、あえて違うハコがいいのかなって。

─── どんなところなんですか?

龍寺 うーん、本当はギャラリーというか。言い方を変えるとキッチンスタジオぽいかな?

─── ええ!?

龍寺 部屋にテラス席があって、天気がいいと全開放できる大きい窓があって、テーブルも椅子もあってくつろげます。だからドリンクの提供も考えています。同じ建物にはチーズ屋さんやカフェ、メガネ屋さんが入っていて、場所は表参道の1本裏に入った、お洒落な人が来るような空間です。

─── その場に行くだけで楽しそうっていう、ワクワク感がありますね。

龍寺 飽きない空間です。気分を変えたかったらテラスに行けばいいし、メガネ屋さんを冷やかしてもいいし、カフェもあるし、お腹がすいたら……まあチーズ食べることはないかもしれないですけど(笑)

─── 楽しみですね、もうトータルで。

龍寺 そうですね。アートの展示も、いつもは壁にかけていたんですけど、今回はかけずに直置きしてもいいかな。あと大きいスクリーンとプロジェクターがあって、音響システムも最高なんですよ。

大熊 いいよね~。プロジェクターいいね。

龍寺 音とアートというコンセプトに、超合うじゃんって。だから遊びに来てください!

─── 行きます! チーズも大好きなんで。あとスパークリングワインもぜひ(笑)

龍寺 置きます(笑) いずれオリンピックとかになると、プライベートなスポーツバーにもなるみたいで。ここ、立地もすごくよくて駅から3分くらいなんですよ。

▼龍寺さんのアート(「KKTK」illustrated by 龍寺)

─── そちらにお伺いすると、原画販売もあるんですね。その場で買えちゃう。

大熊 実際買われちゃったらどうするの?

龍寺 後日、郵送ってことになる。

─── 自分の描いた絵が買われるって、里子に出す気分なんですか?

龍寺 超嬉しいという感情しかないかなあ。単純に、絵って描くとたまるじゃないですか。絵の保管法とか知識が足りなくて、カビや湿気で何枚かダメにしちゃったんですよ。

─── もったいない!

龍寺 常に乾燥材を入れて保管するとなると、すごく大変なんです。単純にそれもあって、売れるのは嬉しいです。自分の作品を手元に置くより、誰かが飾ってくれる方がありがたいです。

─── 大熊さんの家には、龍寺さんの絵ってないんですか?

大熊 1枚だけあります。思ったんですけど、乾燥させておけばいいところが、マイクの保管と近い気がする。あ、僕がいっぱいマイク集めて、龍寺がいっぱい絵を描いて、同じところに保管すればいいのか。

─── WHITEHEAD、なんか仲良し! 2月8日でライブの始動から2年でしたけど、この2年間の思い出と言えばなんでしょう?

龍寺 初めてトラブったときかなあ。なんか当たり所がない悲しみと怒りと不安で、どうしようっていう感情が辛かった。あれ、大阪だったっけ? パソコンが止まったんですよ。

大熊 謎の不具合。

─── 謎の不具合! それはキツい。

大熊 なんかズレたり、止まったり……。

龍寺 始動して結構すぐの頃だよね。だからトラブルの想定なんてしてなくて。すごく覚えているのが、その時、来てくれたファンの子がめっちゃ号泣してて。どうしたのって言ったら、「トラブルが悔しい」って。メンバー並みに悔しがってくれてた。まあ泣きたいのは僕らなんですけどね(笑)

大熊 でもメッチャ泣かれたらね、しょうがねえなって思うしかない。

龍寺 それ以降、トラブルの対処法を考えるようになりました。そしたら後日、トラブルがまた起きたんですけど、スムーズに乗り越えられて。トラブルって最悪だけど、完璧に対処して我ながらすごくカッコよくなれました。

─── それは超カッコいいですよ!

龍寺 それが一番の思い出かなあ。今では、トラブルはもちろん起こしたくないですけど、起きてもぜんぜん平気です。起きたら起きたで「まあ、大丈夫だよ大丈夫」みたいなやりとりができるようになりました。

─── ありがとうとざいました! では最後に、月並みな質問ですが。平成がもうすぐ終わりますが、プライベートで平成の間にやりたいことを教えてください。

龍寺 えー……どうしよう。タトゥーでも入れますか?

大熊 「平成」って入れる?(笑)

─── かっこいいかも。

龍寺 うーん、タイムカプセル埋めようかな。ちょっと手紙を書いて。意外とよくないですか?

─── 小学生じゃないんですし(笑)

龍寺 じゃあめっちゃ写真と動画を撮って、ハードディスクに移していく。あ、これがやりたい俺。「平成最後の1日」みたいな作品撮りたい。あ、それやろう。

─── 何か記念になることやりたいですよね。

龍寺 それかその日にレコーディングします。平成最後の日に。

─── ファンはそれを一番喜びそう! 期待しています。今日はありがとうございました!

2019年3月22日(金) ART Single 3タイトル同時release決定

「element」 「love」 「sweet room」

WHITEHEAD初となるシングルが3タイ トル同時リリース決定!
3/23、24の個展会場にて3タイ トルを一枚にまとめた【EMO.】を 会場限定販売が決定!
リリースに先駆けて、YouTubeにてinstant gallery公開中!

【ART Single 「element」instant gallery】

WHITEHEAD主催イベント 『white board vol.2』

2019年3月22日(金)青山RizM OPEN 17:00 / START 17:30
出演 : WHITEHEAD / eStrial / 雨ノ弱 / (OA)NeRo / (OA)Ruku ...and more

ART EXHIBITION【EMO.】

WHITEHEAD、5回目となるアート個展開催決定!
2019年3月23日(土) 24(日) 裏参道工房 2F SPACE
23日 12:00~18:30
24日 10:00~18:00
※入場無料
●ARTシングル3タイトルを一枚にまとめた【EMO.】会場限定発売
●原画販売
●ART GOODS

WHITEHEAD official site

https://whitehead.tokyo/

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撮影/高橋那月、取材・文/藤坂美樹

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