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『おジャ魔女どれみ』と『魔女見習いをさがして』、声優達のキャスティングに見る2作の共通点とは? 20年続くシリーズの信条

リアルサウンド

20/11/18(水) 6:00

 現在公開中の映画『魔女見習いをさがして』だが、雑誌『Seventeen』モデルを経て現在は女優として活躍する森川葵、元SKE48のメンバーで、女優のほか小説家としての顔を持つ松井玲奈、そしてももいろクローバーZのメンバーで現役アイドルである百田夏菜子というキャスティングも話題だ。同作の原点となったアニメ『おジャ魔女どれみ』シリーズも、千葉千恵巳、秋谷智子、松岡由貴、宍戸留美、宮原永海と主要キャストの面々が、元々はアイドルや劇団員、モデル出身者が声優を務めており、当時話題となった。異なるバックボーンを持ったタレントを、声優としてキャスティングすることで生まれる魔法が、20年を経た現在も受け継がれている。

おジャ魔女どれみ20周年記念作品「魔女見習いをさがして」Final予告

多彩なバックボーンを持った若手が力を合わせた作品

 『おジャ魔女どれみ』シリーズは、1999年から2003年まで放送された魔法少女アニメで、春風どれみ・藤原はづき・妹尾あいこらが、一人前の魔女になるための奮闘を描いたジュブナイル作品だ。このアニメには、実に多彩な経歴を持った人物が声優として起用されていた。

 例えば主人公の春風どれみを演じた千葉千恵巳は、ゲーム『オーロラクエスト おたくの星座 IN ANOTHER WORLD』から派生した、アイドルユニット“オーロラ五人娘”のメンバーとして活動したほか、舞台などでも活躍していた。物語の途中からどれみ達の仲間入りを果たす、瀬川おんぷを演じた宍戸留美もまた、テクノ系アイドルとして90年代にコアなファンを獲得した。

 また、藤原はづきを演じた秋谷智子、妹尾あいこを演じた松岡由貴、『も〜っと!おジャ魔女どれみ』から登場した飛鳥ももこを演じた宮原永海も、それ以前にはタレント活動やCM出演などの経験を持つ。それぞれ同作での経験を糧にその後も声優として活躍し、千葉は『ローゼンメイデン』の雪華綺晶、『キラキラ☆プリキュアアラモード』のビブリーなど。松岡は『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズの鶴屋さん、『D.C. 〜ダ・カーポ〜』シリーズの水越眞子などを演じて知られる。

 多彩なバックボーンを持った若手が集まり、声優として一つの作品に向かって力を合わせた。それは『おジャ魔女どれみ』の物語においても、通じる部分がある。どれみとはづきは幼なじみだったが、その後に転入生や帰国子女などが次々とMAHO堂に集まり、力を合わせて困難に立ち向かう姿が感動を呼んだ。その構図は、声優たちのリアルともどこか重なるものがある。声優のリアルな立場や心情が作品に作用した、それも『おジャ魔女どれみ』シリーズのヒットの一因であるだろう。

「MAHOでチャチャチャ」に見るシリーズの信条

 見知らぬ者同士が集まり、一つのことを成し遂げることで生まれる感動は、映画『魔女見習いをさがして』にも脈々と受け継がれている。同作は、アニメ『おジャ魔女どれみ』のテレビ放送開始20周年を記念して制作された作品で、幼少期に『おジャ魔女どれみ』を見て育った長瀬ソラ・吉月ミレ・川谷レイカが偶然出会い、『おジャ魔女どれみ』ゆかりの地を巡る物語。主人公の3人は、大学生、OL、フリーターと立場も年齢も様々で、それぞれ悩みを抱えているが、旅という一つの目的を共有することで大切なものを得ていく。それを演じる森川、松井、百田の経歴も、様々であることは先に述べた通りだ。

 アニメ『おジャ魔女どれみ』の挿入歌「MAHOでチャチャチャ」の歌詞には、〈もしよかったら一緒にね 参加は誰でも受付中 初めて会うコも友達さ〉というフレーズがある。これこそが、20年脈々と受け継がれてきた同シリーズにおける信条であり、魔法の源ではないだろうか。

MAHO堂 – MAHOでチャチャチャ

 『魔女見習いをさがして』は、当時TVアニメの音楽を担当した、作曲家の奥慶一が引き続き音楽を担当し、12月23日には同作の音楽を収録した『映画「魔女見習いをさがして」ミュージック・コレクション』もリリースされる。同作には当時の音楽の他、映画用に書き下ろされた新曲10曲の他、MAHO堂が歌うオープニングテーマ「おジャ魔女カーニバル!!(魔女見習いをさがして Version)」、瀬川おんぷが歌うエンディングテーマ「終わらない物語(魔女見習いをさがして Version)」など全38曲が収録されるとのこと。TVアニメ『おジャ魔女どれみ』シリーズと映画『魔女見習いをさがして』を繋ぐ音楽で、今一度おジャ魔女の魔法に思いを馳せるのも良いだろう。

■榑林史章
「山椒は小粒でピリリと辛い」がモットー。大東文化大卒後、ミュージック・リサーチ、THE BEST☆HIT編集を経て音楽ライターに。演歌からジャズ/クラシック、ロック、J-POP、アニソン/ボカロまでオールジャンルに対応し、これまでに5,000本近くのアーティストのインタビューを担当。主な執筆媒体はCDジャーナル、MusicVoice、リアルサウンド、music UP’s、アニメディア、B.L.T. VOICE GIRLS他、広告媒体等。2013年からは7年間、日本工学院ミュージックカレッジで非常勤講師を務めた経験も。

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