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吉田羊の大ブレイク当時の姿が 『素敵な選TAXI』でコミカルとクールを行き来する“十八番”炸裂

リアルサウンド

20/5/13(水) 6:00

 5月12日に再放送された『素敵な選TAXI』(カンテレ・フジテレビ系)第5話は、婚活パーティーを舞台にした女同士の争いに枝分(竹野内豊)の“選TAXI”が利用されるという物語だ。前半部分で“選択肢A”となる部分をがっつりと描いてから、会話シーンを挟んで“選択肢B”と“選択肢B-B”といった異なる分岐点でのシフトチェンジがテンポ良く刻まれていく。このエピソードをより一層小気味良く仕立て上げていくのは、ゲストキャストの吉田羊の十八番ともいえるキャラクター性にほかならないであろう。

参考:【ほか場面写真多数】婚活パーティー招待状を眺める吉田

 アラフォーの外科医・篠崎美佐子(吉田羊)は学生時代の友人が結婚したことを知って、婚活パーティーに思い切って参加することに。男性3人と女性3人のグループでクッキングをするという企画の中で、特技である料理の腕と持ち前のリーダーシップを発揮して場を取り仕切る篠崎。しかし彼女が狙いを定めていた商社マンの工藤(袴田吉彦)のハートを射止めたのは策士な看護師の知美(浅見れいな)だった。そして帰り道で偶然にも選TAXIに乗り込んだ篠崎は、知美にリベンジするために婚活パーティーの最中だった2時間前に戻ることにするのである。

 ちょうど本ドラマが放送された2014年の秋は、吉田羊の大ブレイクが始まったばかりのタイミングであった。この前の7月クールに放送された『HERO』(フジテレビ系)で、新たに登場した検事のひとりを演じて一気に全国的な知名度を獲得した彼女は、翌年には『ウロボロス~この愛こそ、正義。』(TBS系)から5期連続で民放のプライムタイム連ドラにレギュラー出演を果たし、さらに『映画 ビリギャル』など出演映画が立て続けに公開。その年の映画賞でも様々な賞を受賞するなど、90年代から地道に積み上げてきたキャリアが本格的に開花し、人気女優としての絶対的な地位を確立することとなった。

 それにしても吉田は、女医役であったり検事役であったりと、古い言葉を使えば“キャリアウーマン”で、かつ結婚とは縁遠いキャラクターを演じると右に出る者がいないほど様になるのである。昨年出演した『まだ結婚できない男』(カンテレ・フジテレビ系)でも“結婚できない女弁護士”というキャラクターを、トリプルヒロインの一角としてコミカルに演じていた。この『素敵な選TAXI』では、婚活パーティでのクールで媚びない雰囲気と選TAXIに乗り込んだときに見せる油断した表情のギャップでコミカルさを引き立てながらも、他の2人の女性とまったく異なるクールで媚びない雰囲気が吉田の魅力を際立たせていく。そういった辺り、本ドラマでの演技は、『まだ結婚できない男』での役柄の礎になったようにも思えてしまうほどだ。

 ところで、劇中で最初にタイムスリップをした直後、「タイムスリップ感がないのが性能が良い証拠」と、選TAXIの車のバージョンについて枝分が語るシーンが登場する。“6”や“5s”など、まるっきりiPhoneを連想させるワードに篠崎も訝しげな表情で「スマホの話じゃないですよね?」と返すわけだが、これが放送された2014年の秋はiPhone6が発売されたタイミング。つまりはこのやり取りはさりげなくも“時事ネタ”であったというわけだ。 (文=久保田和馬)

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