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亀梨和也と山下智久の絶妙なコンビ感が再び 『野ブタ。をプロデュース』特別編放送に寄せて

リアルサウンド

20/4/11(土) 6:00

 4月11日と18日に、2005年10月期に日本テレビ系で放送されたドラマ『野ブタ。をプロデュース』の特別編が放送される。

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 本作は、亀梨和也と山下智久が演じる高校2年生の修二と彰が、堀北真希演じるイジメられっ子の転校生・小谷信子、通称「野ブタ」を、クラスの人気者にプロデュースしていくさまを描いた青春シンデレラ・ストーリー。

 亀梨と山下によるユニット“修二と彰”が歌う主題歌「青春アミーゴ」がその年の年間オリコンシングルチャート1位を獲得するなど、数々の話題を集めた本作。その魅力を凝縮した特別編として、2話に渡って放送される。

 今から15年も前に放送された大ヒットドラマということもあり、情報が発表されるとSNSをはじめ各所で大きな話題となった。ジャニーズグループに関連したコラムを数多く担当している芸能ライターの佐藤結衣氏に、今回の再放送の楽しみ方を聞いた。

「『野ブタ。をプロデュース』は、亀梨和也さんと山下智久さん、堀北真希さんの出世作だったと思います。“野ブタ”がプロデュースされて人気者になっていくというストーリーも、まだ原石だった3人が世間に知られていく現実とリンクしていて、今で言うYouTubeのような、これから輝いていく人たちを見つけた面白さがありました。ある意味、視聴者参加型のドラマに近かったのかなと思います。これから輝いていく段階の堀北さんに視聴者も感情移入しやすく、誰かに見つけてもらいたいというヒロイン願望をくすぐる設定だったのではないでしょうか。また、人気者になるという結果そのものよりも、それを一緒に応援して、楽しむプロセスこそが幸せだというストーリーも、彼らを応援していこうというファンを肯定するもの。ドラマのテーマも、視聴者の想いと重なるものだった。そんなストーリー展開と現実世界とのリンクが、ヒットの要因として大きくあったのかなと思います」

 さらに佐藤氏は、亀梨と山下のコンビ感の絶妙さにヒットの要因があったと振り返る。

「少し斜に構えているけど正当な人気者の修二と、チャラくて一筋縄では行かない彰という、わかりやすくタイプの違うイケメン2人組というのも良かったです。白岩玄さんによる原作小説では、野ブタは男子高校生で、彰のキャラクターは存在しないドラマオリジナルキャラクターでした。さらには、バッドエンドの小説のラストを学園ドラマらしく希望を持てる終わり方に変更したという改変も施しています。イケメンコンビを構築することで、視聴者が『私はどっち派』と言える楽しみ方もあるし、理想の人気者の女の子をプロデュースするということは、彼らが思い描いている素敵な女の子を投影するという一面もあり、胸キュンポイントがてんこ盛りになるように作り直したのも人気の秘訣ですね」

 本作の主題歌「青春アミーゴ」を大ヒットさせた、亀梨と山下の2人は、国民的知名度を獲得した。そして2017年に放送された『ボク、運命の人です。』(日本テレビ系)では、亀梨と山下が再共演を果たし、「亀と山P」名義で主題歌「背中越しのチャンス」を担当した。

「亀梨さんと山下さんはのちのテレビ番組で、当時は反抗期だったと振り返っています。山下さんに至っては、監督の言うことを一切聞かず、彰の役柄は、本来意図されていたキャラクターとは全然違うものになっていたと明かしていました。放送当時は、彼らの良いところが全面に押し出されていましたが、彼らも成長し今のポジションを確立したことで、その裏話が少しずつ出されてきたんです。何年か経って『今だから言える』が続いてきて、2020年に亀と山Pとしてアルバムを発売し再始動するタイミングなので、改めて『野ブタ。をプロデュース』は長く愛されてきたドラマなんだなと感じます」

 日本テレビの土曜ドラマ枠では、2005年に『ごくせん』『女王の教室』と大きく話題になった学園ドラマが放送された。佐藤氏は続ける。

「『女王の教室』『ごくせん』と学園ドラマをヒットさせていた流れで、本作が放送されたのも大きかった。学園ドラマというと、『金八先生』(TBS系)に代表されるような社会派路線の作品が多くありましたが、学園ラブコメのような作品は『花より男子』(TBS系)をはじめ、ジャニーズがけん引してきたところがありました。当時は、小中高生の女の子がみんなで共有して観るべき作品という空気感が、『野ブタ。をプロデュース』にはありました」

 最後に佐藤氏は、2020年に再放送されることで当時とは違う楽しみ方ができると指摘する。

「放送当時から15年が経過しており、当時リアルタイムで楽しんでいた世代の中には結婚して、小学生の女の子を持つ方も多くいらっしゃいます。そういった女性が子どもと一緒に2世代で楽しめるドラマになっているのは、当時とはまた違った面白さですよね。娘世代にとっては、前情報がない状態で観れると思うし、今のジャニーズなら修二と彰を誰がやってほしいかという話でも盛り上がれる。主題歌の「青春アミーゴ」はSexyZoneの中島健人さんと菊池風磨さんをはじめ、ジャニーズの後輩によって歌い継がれているんです。放送延期になってしまいましたが、ちょうど同じ土曜ドラマ枠で放送される『未満警察 ミッドナイトランナー』の中島さんと平野紫耀(King & Prince)のように、次世代の修二と彰を探す見方をしてみても面白いのではないでしょうか」

(文=安田周平)

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