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ソヴィエト・フィルム・クラシックス 逝去した監督・俳優編

19/9/21(土)

国立映画アーカイブの特集『逝ける映画人を偲んで2017-2018』が終わったばかりのタイミングで、なんとアテネ・フランセ文化センターがソビエト映画の“逝ける映画人を偲んで”を開催するとは驚いた。 実は、いちばん気になるのは今年3月に他界した『私は20歳』のマルレン・フツィエフ監督ではあるのだが、彼の映画の上映は今後に期待するとして、この特集では、何と言ってもキラ・ムラートワとゲオルギー・ダネリヤというソ連映画の周縁的な、しかしきらめくような才能を発揮した監督たちの仕事に出会えるのが嬉しい。ムラートワは、何と言っても『長い見送り』(1971年)だ。息子への愛着が強く、彼の親離れをどうしても認められない母親の痛々しい姿を、「停滞の時代」のソ連であることを忘れさせるような自在なキャメラワークで追いかけてゆく。 そしてダネリヤも、カルト的な人気を誇る『不思議惑星キン・ザ・ザ』(1986年)を送り出しただけの監督ではない。そのことは、まるでジャック・ドゥミ映画のようにみずみずしい初期作品『モスクワを歩く』(1963年)を観れば一目瞭然だ。モスクワの街で偶然出会った三人の若い男女をめぐるこのコメディは、この国にも紛れもない「ヌーヴェルヴァーグ」があったことを教えてくれる。

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