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子役出身・鈴木梨央に『あな番』荒木飛羽も 藤原竜也主演『青のSP』生徒役は注目株が勢揃い!

リアルサウンド

21/1/12(火) 8:00

 アメリカなどではすでに導入されている“スクールポリス”は、学校内の治安を守ることを目的とし、校内外の見回りや生徒同士の揉め事の仲裁などを行う警察官が学校に常駐するという制度である。日本でも一部の地域で試験的に導入されたことがあるが、全国的な制度化には至っておらず。それでも近年、学校内で起きる教職員や生徒による犯罪行為や、あらゆる職務の遂行を要求される教職員の職務を減らし労働環境を改善するためのものとしても、その必要性がしばしば議論されるようになっている。

 そんなスクールポリス制度をテーマにしたドラマ『青のSP(スクールポリス)―学校内警察・嶋田隆平―』(カンテレ・フジテレビ系)が1月12日より放送開始となる。物語としてはスクールポリス制度が試験的に導入された公立校の赤嶺中学に、自ら志願して配属された敏腕刑事の嶋田隆平が、学校内で起きる様々なトラブルに立ち向かっていくというもの。意外にもこれがフジテレビ系連ドラ初主演となる藤原竜也を筆頭に、真木よう子や山田裕貴ら大人たちのキャスティングもなかなか見どころ充分ではあるが、やはり学園を舞台にした作品ということで注目があつまるのは生徒役のキャスティングだ。

 “学園モノ”と一口に行っても、高校を舞台にした作品と中学校を舞台にした作品では生徒役のキャスティングに大きな違いがある。近年であれば『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)が代表例として挙げられる前者では、実年齢が役柄よりも上の世代の俳優が配役されることが多い。それは高校生になれば概ね男女共に身体的な成長を遂げていることや、描かれる題材がより大人の社会と直接的に通じているものが多く、幅広い視聴者の共感を得やすいという理由が挙げられるだろうか。一方で中学校となれば、『3年B組金八先生』(TBS系)や『鈴木先生』(テレビ東京系)のように、より思春期のパーソナルな部分にフォーカスが当てられやすく、身体的な未熟さと精神的な成熟過程に生じるギャップが重要となり、役柄と同世代の俳優が配されやすい。そのためか、中学生ぐらいの若さで、それなりに高い演技力が保証される、つまりは子役出身俳優が台頭しやすいという見方もできるのである。

 さて、この『青のSP』の物語の中心となる3年1組の生徒25名をはじめ、すでに33名の生徒役のキャストが公式ホームページ上では発表されている。その顔ぶれを見渡してみても、やはり子役時代からそれなりの活躍をしてきた者が多くいることがわかる。なかでも最も高い知名度と実績を備えているのは、尾崎香澄役の鈴木梨央であろう。子役時代には『明日、ママがいない』(日本テレビ系)やNHKの連続テレビ小説『あさが来た』などに出演してきた鈴木も、現在15歳。『未満警察 ミッドナイトランナー』(日本テレビ系)での演技も記憶に新しい彼女は、本作のような学園モノに出演するのはこれが初めて。いままで多くの年上の俳優たちのなかで演技してきた経験が、同世代の俳優たちのなかでどのように活かされるのかは注目しておきたいところだ。

 そんな鈴木が以前、綾瀬はるかの幼少期を演じた『私を離さないで』(TBS系)で、三浦春馬の幼少期を演じていた中川翼も真田一樹役として出演。他にも連続テレビ小説『ひよっこ』で有村架純演じるヒロインの妹役を演じていた宮原和や、子役を経て「全日本国民的美少女コンテスト」の審査員特別賞を受賞した石井薫子、『高嶺の花』(日本テレビ系)で笛木優子の娘役を演じていた田畑志真、『BG〜身辺警護人〜』(テレビ朝日系)で木村拓哉の息子役を演じていた田中奏生。そして15歳にして10年以上の芸歴を持つ水野哲志に、3年2組の生徒役として同じく年齢と芸歴が等しい豊嶋花と、子役から次代のブレイク俳優をねらう顔ぶれが勢ぞろい。

 また『初恋ロスタイム』でヒロインを演じ、新海誠監督の『天気の子』ではヒロインの弟・凪の声を務めるなど多方面で活躍する吉柳咲良は連ドラ初出演となる本作を契機に大きなブレイクが期待されるひとりだ。その吉柳と、西田雄一役の池田優斗は1月16日からスタートするNHKの学園ドラマ『ここは今から倫理です。』にも生徒役のひとりとして出演しており、同クールに2本の学園ドラマで同世代の俳優たちとしのぎを削ることに。そして一昨年社会現象を巻き起こしたドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)で、部屋に軟禁されていた少年を演じた荒木飛羽も大林優也役として登場するので目が離せない。

 もちろんこうした学園モノには欠かせないジャニーズからは、「少年忍者」の鈴木悠仁が参戦。他にも北村匠海や佐野勇斗らを輩出した若手俳優集団「EBiDAN」からは「M!LK」の元メンバーである宮世琉弥と研究生の宮本龍之介が。またホリプロスカウトキャラバンから生まれたガールズユニット「821」のメンバーとして活動する米倉れいあも未知数な存在であり、先に挙げた子役出身俳優たちとどう渡り歩いていくかはなかなか興味深くもある。

 現在の日本の俳優界でも群を抜いた表現力を持つ藤原竜也と、将来性抜群の若手俳優たちが一堂に会するというだけでも、他の学園モノ以上に贅沢な作品となることは間違いないだろう。そしてなによりも、ひとつの教室に大勢が集う学園モノはどうしても“密”になりやすく、しばらく作られないのではないかと思っていただけに嬉しい限り。彼らの演技を毎週楽しみながら、無事に最後まで走り切ってくれることを願っておきたい。

■久保田和馬
1989年生まれ。映画ライター/評論・研究。好きな映画監督はアラン・レネ、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
『青のSP(スクールポリス)―学校内警察・嶋田隆平―』
カンテレ・フジテレビ系にて、1月12日(火)スタート 毎週火曜21:00〜放送
出演:藤原竜也、真木よう子、山田裕貴、泉澤祐希、たくませいこ、渋谷謙人、智順、兒玉宣勝、金沢雅美、音尾琢真、石井正則、須賀健太、遠藤雄弥、明日海りお、峯村リエ、升毅、山口紗弥加、高橋克実
脚本:大石哲也、山岡潤平、小島聡一郎
音楽:菅野祐悟
プロデューサー:河西秀幸、国本雅広、高橋史典
演出:国本雅広、白川士、高橋貴司
制作:カンテレ、ケイファクトリー
(c)カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/schoolpolice/
公式Twitter:https://twitter.com/bluesp_tue21
公式Instagram:https://www.instagram.com/bluesp.tue21/

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