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和田彩花の「アートに夢中!」

[特別展] 国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅 

毎月連載

第15回

今回紹介するのは、東京国立博物館で開催中の特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」。唐で新しい仏教である密教を学んで帰国した弘法大使空海が、真言密教の根本道場とした京都・東寺(教王護国寺)に伝わる仏教美術の至宝を紹介する展覧会だ。同展には、空海にまつわる数々の秘宝をはじめ、空海が作り上げた曼荼羅の世界を体感できる東寺講堂安置の21体の仏像からなる立体曼荼羅のうち、史上最多となる国宝11体、重文4体、合計15体が出品されるほか、彫刻、絵画、書跡、工芸など密教美術の最高峰が一堂に会する。東寺を何度となく訪れているという和田さんに、その魅力と展覧会の見どころを聞きました。

大好きな東寺
大好きな菩薩

私は東寺が大好きで、京都に行く時には必ず立ち寄ると言ってもいいほどなんです。仏像を見に行くとなると、やはり東寺が一番だから。なので特に講堂の中に安置されている立体曼荼羅はよく見ていたんですが、こうやって展覧会の形で見ると、当たり前ですが、いつもとは違う見え方にとても興奮してしまいました(笑)。

特別展『国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅』展示風景

講堂には21体の立体曼荼羅が安置されています。もちろん東寺で見るのもオールスター感があり圧倒されるんですが、中は少し暗いですし、四角や円で区切られた中に整然と密集して並べられた仏像たちを一周して見るので、しっかりと細部まで見ることはできません。

特に内側にある仏像は、当たり前ですが、遠くからお姿を拝見するだけ。だから今回の独立した展示によって、いままで見られなかった細部をじっくりしっかりと見られることができて、とても嬉しかったです。

国宝《金剛薩埵菩薩坐像》 平安時代・承知6年(839)東寺蔵 

私は菩薩が大好きなのですが、4体ある菩薩の中で、いままでは《金剛薩埵菩薩坐像》が一番だと思っていました。表情が一番可愛いいというか、親しみやすかったので好きだったんです。でも今回、4体の造形的なところをじっくり見て一つ一つ比較していくと、違う仏像が好きになりました(笑)。

国宝《金剛法菩薩坐像》 平安時代・承知6年(839)東寺蔵

それが《金剛法菩薩坐像》です。法菩薩は、皆さんにも実物を比較して見ていただくのが一番だと思うのですが、一番平面的ではなく、写実的なんですね。とても立体感がある。他の3体は、どこか全体的に凹凸が少なく、彫りが浅い感じがするんです。ただ型通りに彫られてるだけというか……。

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