Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

乃木坂46 白石麻衣、Juice=Juice 宮本佳林、さくら学院ら相次ぐ卒業延期 コロナ禍でアイドルシーンに起こる前代未聞の事態

リアルサウンド

20/5/1(金) 6:00

 新型コロナウイルスの影響で、ライブの延期や中止が相次いでいる。それによって音楽業界には大きな損害が発生し、活動にも影響が発生している。特にアイドル業界は活動への影響が大きい。ライブや握手会などファンとの交流イベントも多いからだ。

参考:乃木坂46 井上小百合、弛まぬ努力で切り開いた女優への道 グループ卒業に寄せて

 ファンと直接の交流ができなくなったことで、メンバーの卒業延期が決まる前代未聞の出来事が増えている。新型コロナの影響で最初に卒業延期を発表したメジャーアイドルは、SKE48の高柳明音だ。3月15日の横浜アリーナ公演で卒業予定だったがライブ延期に伴い卒業も延期になっている。高柳は自身のSHOWROOM配信で開催場所や時期がなかなか決められず、卒業はかなり先になる可能性が高いと話していた。同じくSKE48に所属している片岡成美は4月2日に卒業予定だったが、こちらも卒業延期が決まっている。

 ハロー!プロジェクトは6月いっぱいまで所属グループのコンサートツアーを開催中止すると発表した。それによって6月に卒業予定だったJuice=Juiceの宮本佳林とアンジュルムの船木結の卒業延期が決まった。公式サイトのコメントで宮本は「最後のライブは生のライブで 皆さんに今までの感謝の気持ちを伝えたいと強く思っています」と語り、船木は「皆様に見送られながら卒業したいという気持ちが強くありましたので、 卒業延期という形にさせて頂きました 」と語っている。

 特に大きな話題になったのは、乃木坂46 白石麻衣の卒業延期だ。「ガールズルール」や「シンクロニシティ」などでセンターを務め、CM出演やテレビ出演も多い人気メンバーである。5月5日、6日、7日に開催される東京ドーム公演で卒業予定だったが、ライブが中止になったことで卒業も延期になった。公式ブログでは「皆さんには直接、今までの感謝の気持ちを伝えたいなと思っております。卒業ライブはみなさんが安全に楽しんでいただける状況ができたら、改めて行いたいと思っているので、会場と時期が決まりましたらお伝えしたいと思います」と語っている。

 卒業延期を決めたアイドルで共通していることは「ファンに直接感謝を伝えたい」という思いだ。アイドルはファンとの関係性が重要である。ライブや握手会などで交流し絆を深めている。だからこそ卒業後の活動に影響が出るとしても、ファンを思って卒業延期を決めるアイドルが多いのかもしれない。

 さくら学院はパシフィコ横浜で5月29日に開催予定だった、2019年度卒業公演『「The Road to Graduation 2019 Final ~さくら学院 2019年度 卒業~』の延期を決めた。元々は3月29日に行う予定だった公演を5月に延期したので、再延期を決めたことになる。さくら学院には、メンバーの中学卒業とともにグループも卒業するというコンセプトがある。コンセプトを忠実に守るならば卒業公演をしないという選択があるのかもしれないが、延期するということは、ファンへの感謝を直接伝えたいという思いがあるのだろう。メンバーだけでなくグループ全体としても、ファンに対する思いを持っているのだと感じる。

 中には、延期を決めずに卒業やグループ解散をしたアイドルもいる。しかし彼女たちは延期をしなかったからと、ファンをないがしろにしていたわけではない。

 アンジュルムの室田瑞希は当初の予定通り3月22日にグループ卒業をした。卒業公演の『ひなフェス』は無観客ライブとしてCSテレ朝チャンネル1で中継されている。こぶしファクトリーも予定通り3月30日にグループを解散した。解散当日は無観客の卒業公演をCSテレ朝チャンネル1と映画館のライブビューイングで中継した。彼女たちは直接ファンに感謝を伝えることができなかったが、集大成ともいえる最高のパフォーマンスで最後の日を迎えていた。卒業日に向けて準備をしてコンディションを整えてきたのだと思う。生配信を行うことで、より多くの人が最後を見届けることもできた。予定を変えずに最高のコンディションで最高のパフォーマンスで有終の美を飾ることも、ファンのことを思う形の一つに感じる。

 4月26日に解散したはちみつロケットは、解散ライブ自体は中止になったものの、解散当日はニコニコ生放送でグループの軌跡を振り返る配信を行った。視聴数は1万4千人を超え、メンバーも出演しファンに向けて感謝の言葉を語っていた。

 卒業延期を決めたアイドルも、延期せずに卒業や解散をしたアイドルも、様々な事情や思いがあって決断したはずだ。しかし、どのような形だとしてもアイドルにはファンを思う気持ちがあり、その上での決断したことは共通している。新型コロナの影響はアイドル業界にとっても大きい。しかし直接会うことができずとも、アイドルとファンの間には絆があるのだと感じる出来事でもあった。アイドルの活動やファンの応援方法に制限がかかってしまっても、アイドル文化はなくならない。簡単には崩れない絆がアイドルとファンの間にはあるのだ。(むらたかもめ)

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む