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アーティストを作った名著 Vol.6 河邉徹(WEAVER)

ナタリー

18/12/21(金) 17:00

日々創作と向き合い、音楽を生み出し、世の中に感動やムーブメントをもたらすアーティストたち。この企画は、そんなアーティストたちに、自身の創作や生き方に影響を与え、心を揺さぶった本についてを紹介してもらうもの。

小説家でもあるWEAVERの河邉徹(Dr, Cho)がインスピレーションを受けた3作は、彼らの楽曲の歌詞に登場することが多い“天体”の写真集、自分や日々を見つめ直せる書籍たちだ。

01. 「モモ」(岩波書店)
著者:ミヒャエル・エンデ

本当に大切なものを見失わないようにしなければいけない

世界中で翻訳されている、児童文学の名作です。児童文学とはいえ、この物語に含まれている寓意は、大人が読んでも胸に刺さるものだと思います。
物語の中には時間泥棒が登場します。人々の時間を知らないうちに盗み出し、何が大切かという価値観までも気付かないうちに変えてしまいます。しかし、不思議な少女モモは、その時間泥棒たちを純粋な心で見つめ、本当に大切なもの忘れずにいられる力を持っています。
この物語は40年以上も前にドイツで書かれた物語ですが、現代の日本で暮らす僕たちが読むべき小説の1つであるように思います。まるで時間泥棒に時間を奪われてしまったかのように、忙しい日々を過ごす中で、僕たちは本当に大切なものを見失わないようにしなければいけないなと思いました。
僕自身も小説や音楽、歌詞を通して伝えたいものがあります。自分の作品に触れた人が、この小説と出会って感動した僕のように、日々の生活に新しい視点を見つけることができるような作品を作れたらと思います。

02. 「よく生きる」(筑摩書房)
著者:岩田靖夫

価値観が多様化された社会の中で幸福に近付ける

僕は学生時代に哲学を学んでいましたが、これは僕が影響を受けた哲学の本の1つです。
僕らはよく生きるということが一体どういうことなのか、幸福というものがどういう意味なのか、誰かに教えてもらったことがないように思います。この本はそれについて改めて考え、価値観が多様化された社会の中で、幸福についての1つの答えに近付くヒントになると思います。
いつか僕自身も、生きるということや幸福について考えたものを、何か作品にできればと思いました。

03. 「天空讃歌」(河出書房新社)
著者:KAGAYA

天体の世界から得られるインスピレーションは多い

天体写真家であるKAGAYAさんの星景写真集です。僕は昔から星が好きで、自分の歌詞にも星が出てくるものがあったり、今回流星をテーマにした小説も書きました。そんなふうに、天体の世界から作品のインスピレーションを得ることは多いです。
そして最近、自分でも星の写真を撮るようになって、さらにこの本を眺めることが多くなりました。KAGAYAさんの撮った写真の美しさはもちろんですが、最後には使用機材まで書かれていますので、写真が好きな人にはとても価値のある内容だと思います。

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