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『日本レコード大賞』新人賞歌手・新浜レオンは歌謡曲と若者の架け橋に? 世代を超えて愛される実直な歌声を紐解く

リアルサウンド

19/12/23(月) 12:00

 『第61回 輝く!日本レコード大賞』で、歌謡歌手の新浜レオンが新人賞を受賞。12月16日に都内で行われた記者会見では他の受賞者と共に登壇し、「人生に一度しかない大舞台。一曲入魂で精いっぱい歌いたい」とコメントし、30日に生放送で発表される最優秀新人賞の獲得に向けて意欲を見せた。

参考:『第61回 輝く!日本レコード大賞』でAKB48&坂道3グループが大賞争い 日向坂46「フレッシュさだけでは負けないように」

■まっすぐで力強い情熱的な歌声で魅了

 新浜レオンは、B’zや倉木麻衣などが所属する<ビーイング>が初めて手がけた歌謡歌手で、今年5月1日に令和デビュー第1号として、シングル『離さない 離さない』でデビュー。同曲は、オリコンのウィークリーランキング演歌/歌謡部門で1位を獲得、5月度のUSEN HIT 演歌/歌謡曲ランキングでも1位を獲得して話題に。2017年に大東文化大学の「ミスター大東コンテスト2017」にてグランプリを獲得した高身長のイケメンで、9月には東京・日経ホールで初の単独ライブ『新浜レオン ファーストコンサート ~離さない 離さない~』を成功させている。

 「離さない 離さない」は、歌謡曲からポップス、アイドルまで幅広く手がける渡辺なつみが作詞。作曲を氷川きよしの「満天の瞳(ほし)」や長山洋子の「倖せにしてね」などを手がける大谷明裕が担当。編曲を、石川さゆりなどの演歌から、アニソンや戦隊もの作品の劇伴なども手がける矢野立美と、大御所がバックアップしている。たった一人の女性をどこまでも愛し続けることを誓った、決して揺らぐことのない真実の愛の歌だ。

 新浜の歌声は、その実直な人柄も表すように、どこまでもまっすぐで力強い。それは遥か遠く、今では手が届かなくなってしまった相手にも届きそうなほどだ。必ずまたどこかで出会えると信じたその力強さが、楽曲に前向きさと明るさを与えている。歌詞には〈生まれる前の約束〉や〈もしも空が闇に閉ざされても〉などのフレーズが散りばめられ、ファンタジックな表現でありながら、それが決して大げさではないと思わせてくれる説得力が、彼の声にはある。ラテン調のビートと派手なブラスセクションを中心にしたゴージャスなサウンド。その中で奏でられていく、エレキギターとストリングスによるメランコリックなフレージング。そんな派手さのあるトラックが、新浜の歌をより情熱的なものに引き立てている。

■昭和の歌謡曲を愛するというギャップも魅力の一つ

 同作のカップリングには、同作家陣による「心奪って」のほか、森田公一とトップギャランの「青春時代」、坂本九の「見上げてごらん夜の星を」(れおすけ盤収録)、尾崎紀世彦の「また逢う日まで」(レオンの素顔がいっぱい盤収録)を収録している。

 「青春時代」は1976年にヒットしたバンド楽曲の先駆けで、2015年には吉井和哉もカバーしている。「見上げてごらん夜の星を」は、ゆずを筆頭に数多くのアーティストにカバーされる1963年の名曲で、ディズニー映画の名曲「星に願いを」にも通じる、普遍的なメロディは今も幅広い世代から愛されている。尾崎紀世彦の「また逢う日まで」は、ファンキーなサウンドと壮大に歌い上げるボーカルが秀逸な1971年の名曲。「見上げてごらん夜の星を」「また逢う日まで」は、和製ポップスと呼ばれ、洋楽と歌謡曲の架け橋となったこれらの曲は現在のJ-POPの原点とも呼べるだろう。23歳の新浜が、これら昭和の歌謡曲を愛するというギャップも魅力の一つで、幅広い世代のファンを生むきっかけになっている。

 『ミスター大東コンテスト2017』の自己PRでは「青春時代」を歌い、同年代にも歌謡曲が受け入れられることを実感したという新浜。インタビューでは、「J-POPだろうと歌謡曲だろうと演歌だろうと、そういう垣根を越えて、幅広い世代から愛される歌手になっていきたいです」と語っている通り、新浜のフレッシュな歌声による歌謡曲のカバーは今聴いても決して古くさくは感じさせない。日本の名曲を若い世代に伝えることも、新浜は使命と感じていることが伝わってくる(参考:新浜レオンが語る、歌手活動の原点と譲れない夢「垣根や世代を越えて愛される歌手になりたい」)。

 近年は、同じ『第61回日本レコード大賞』で最優秀新人賞を争う彩青(りゅうせい)や、テレビ番組で米津玄師の「Lemon」を歌って話題を集めた徳永ゆうき、地道な活動が実を結んだ純烈など、新らたな顔ぶれによって、今まで歌謡曲/演歌を積極的に聴いてこなかった層からも徐々に注目を集めるようになった。また山内惠介は、CHEMISTRYや東方神起などR&B系のプロデュースで知られる松尾潔に作詞を依頼するなど、歌謡曲/演歌の枠を越えた新たな試みも始まっている。世代・性別を問わず見られるバラエティ番組にも進出し、丘みどりはテレビ番組をきっかけに、女子高生から声をかけられるようになったそうだ。

 この新浜レオンも、デビューと同時にチバテレで自身の番組『はじめまして!僕、新浜レオンです!!』を放送し、千葉県内のさまざまな場所で歌を披露して回る親しみ溢れる姿で好評を得ている。さらにサンリオとのコラボで“れおすけ”という新キャラクターを誕生させており、小さい子どもや学生からの認知も上々だ。 夢は『NHK紅白歌合戦』出場と語る新浜。まずは『第61回日本レコード大賞』での誰にも負けないステージで、2020年に向けて勢いを付けたいところだ。(榑林史章)

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