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最果タヒ、“詩の展示”を巡回開催「どうか、言葉を見に来てください」

ぴあ

20/11/6(金) 17:00

「最果タヒ展 われわれはこの距離を守るべく生まれた、夜のために在る6等星なのです。」

現代詩人・最果タヒによる文字の展示「最果タヒ展 われわれはこの距離を守るべく生まれた、夜のために在る6等星なのです。」が12月4日(金)を皮切りに渋谷と名古屋、心斎橋のパルコで順次開催される。

スマートフォンで詩を書き、現代の感情を繊細かつ鋭く表現する詩人/作家の最果タヒ。 彼女の作品発表の場は、書籍はもちろんインターネット上にもとどまらない。今回の「詩の展示」は至る所に詩が展開された空間を、読者が歩き回って体験するインスタレーションだ。

本展覧会では、2019年2月から約1カ月間で約3万人が来場した「氷になる直前の、氷点下の水は、蝶になる直前の、さなぎの中は、詩になる直前の、横浜美術館は。―― 最果タヒ 詩の展示」でのインスタレーションを含む新作の“詩の展示”を、新たなタイトル「最果タヒ展 われわれはこの距離を守るべく生まれた、夜のために在る6等星なのです。」のもとに公開。

会場にあるのは「作品があなたに読まれ、初めて意味を持つものであってほしい」と願う、最果タヒによる「詩になる直前」の言葉たち。それらを追いかける体験を通して、自分の心が動く言葉やその瞬間、あるいは目が無意識に読んでいる感覚に気づくような、言葉との新たな出会いが生まれるはずである。

企画展のビジュアルデザインは、これまで最果タヒの書籍の装幀をはじめさまざまな企画でタッグを組んできた佐々木俊氏が担当。各会場では、展覧会併設ショップにてオリジナルグッズも販売される予定だ。

<最果タヒ・メッセージ>
言葉は、常に運動をしている。何億人もの人がその言葉を用い、それでいて、それぞれが少しずつ違った意味や印象を、言葉の向こうに見出している。だからこそ言葉は、刻々と変化し、運動を続けている。
わたし一人が、言葉を一方的に、道具として用いることなどできず、常に、言葉が抱える無数の意味や価値の渦に巻き込まれていく。そのコントロールのできなさ、言葉に振り回される瞬間に、わたしは「言葉に書かされている」と感じます。それは時に、わたしよりも深く「わたし」を捉える言葉となる、わたしを飛び越えた、別の何かへと変貌する言葉となる、それこそが、わたしにとっての「書く喜び」です。言葉がわたしの代弁者として、世界へ出ることなどありません。わたしはいつも置き去りにされ、それこそが痛快であるのです。
知らない自分に、言葉で会うこと。それは、自分の底さえ突き破り、その向こうの、自分ですらないものへと、繋がることだ。だからこそ言葉は、書かれ、他の誰かに読まれることをじっとじっと待っている。

詩の展示。
言葉が、わたしを飛び越える。
それは、「読む」瞬間もきっと同じです。読むことは、与えられた言葉を受動的に読むのではなく、その言葉を自分だけの言葉へと変容させていく行為だと思う。そのとき、言葉の変化は、読むその人の予想を、そしてその人自身を、時に追い越していくだろう。それは「書かれた言葉」のスピードであると、読み手は思うのかもしれない。けれど、あなたも加速している、あなたの言葉が、加速している。そのスピードを、肌で、気配で、空間として、感じられる場所を、私は「詩の展示」と呼んでいます。

われわれはこの距離を守るべく生まれた、夜のために在る6等星なのです。あなたしか立つことのできない確かな星から、どうか、言葉を見に来てください。

■「最果タヒ展 われわれはこの距離を守るべく生まれた、夜のために在る6等星なのです。」
<東京>
日時:12月4日(金)~12月20日(日)11:00~21:00
※会期中休館日なし
場所:渋谷パルコ4階 パルコミュージアムトーキョー

<名古屋>
日時:2021年2月13日(土)~2月28日(日)
※2月17日(水)休館日
場所:名古屋パルコ 西館6階 パルコギャラリー

<大阪>
日時:2021年3月5日(金)~3月21日(日)
※会期中休館日なし
場所:心斎橋パルコ 14階 パルコイベントホール

URL:https://iesot6.com/

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