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FUKI、“遠距離恋愛”テーマの「Long Distance」で挑戦したこと「頑張る勇気を持ってもらえたら」

リアルサウンド

19/7/29(月) 18:00

 恋愛にまつわる記念日を毎月ピックアップし、そこに寄り添ったラブソングを12カ月連続で配信リリースしていくという、女性アーティスト初となるプロジェクト「12 Sweet Stories」を展開中のFUKI。第3弾として配信リリースされたのは、7月7日の“七夕”にインスパイアされて生まれた「Long Distance」だ。遠距離恋愛の切なさを描き出しつつも、オンタイムなR&Bのサウンドトレンドを加味したトラックによって光の見えるラブソングへと仕上がった本作は果たしてどう作り上げられたのか? 本人へのインタビューを通して紐解いていく。また、テキストの最後ではFUKIの音楽的ルーツや、最近のお気に入りアーティストに迫る質問も。合わせて楽しんでほしい。(もりひでゆき)

星の見える夜空がイメージできる曲になった 

ーー12カ月連続リリースの第3弾楽曲「Long Distance」は7月7日“七夕”がモチーフですね。

FUKI:はい。七夕っていろいろ調べてみると、ちょっとダメな感じのエピソードがあったりもするんですよ。織姫と彦星が会いすぎて全然仕事をしなくなっちゃったから、それを怒られて引き離される話とか(笑)。まあでも今回は一番オーソドックスな、みんなが知ってるエピソード……1年に1度しか会えないっていう切ない部分を元に、曲にしていきました。物語の方向性としてはすごくイメージしやすかったですね。

ーー七夕の思い出って何かあります?

FUKI:えー、なんだろう。実は私自身はロマンチックな思い出はないかもしれないですね。毎年、短冊に願いを書くくらい。今年も書きましたよ。「親孝行」って(笑)。ただ、七夕当日は「今日は雨だな」とか「2人は会えてるのかな?」とか空を見上げながら思ったりはしますけど。

ーー織姫と彦星に思いをはせることはする。

FUKI:はい(笑)。あ、でもそうだ。以前に私の「星が降る夜」という曲をプラネタリウムで流していただいたことがあって。それを見に行ったとき、ちょうど七夕のエピソードを紹介するプログラムだったんですよ。そこで聞いたのは、織姫と彦星が会いに行こうとすると実際は15年くらいかかるっていうことで。それくらいお互いの距離が離れてるらしいんですよね。だから、大切な人と会えること、一緒にいられることの大事さをかみしめてみてくださいってアナウンスの人が言っていたんです。それを聞いたときにちょっとハッとさせられたことを、今回の曲作りにあたって思い出したりはしましたね。

ーー曲作りは具体的にどう進めていったんですか?

FUKI:まずは歌詞を書いていきました。今回の主人公は遠距離恋愛をしている女の子。彼となかなか会うことができないから切ない気持ちを常に抱えているけど、相手に対してはなかなかそれを言えず。仕事で忙しくしている彼の邪魔をしちゃいけないとか、わがまま言ったら嫌われちゃうかなとか我慢してるわけです。でも、1年に1度くらいはわがままを言ってもいいよね、みたいに思うこともあると思ったので、そういう気持ちを書いていくことにしました。こういうテイストの歌詞はわりと得意だから、それほど悩まずに書けましたね。〈一年に一度の奇跡〉〈7月の魔法〉っていうキーワードが出てきたのは七夕を意識したからこそだと思います。で、歌詞ができたらビートをもらって、メロディを考えていきました。

ーー平メロは言葉をグッと詰め込んだメロディになっていますね。

FUKI:そうそう。つらつらつらーっと早口言葉みたいな感じで言葉を詰めていくことでAメロ、Bメロは先にできていきましたね。そこも悩むことなく。で、サビに関してはピアノで音を拾いながらいろいろ考えつつ、覚えやすいメロっていうことを大事に作っていきました。

ーーサビのメロがすごくいいですよね。ほんとに覚えやすいから、つい口ずさんじゃう。

FUKI:ただね、抑揚があまりないというか、けっこう淡々としたメロでもあるので、歌うのはけっこう苦戦したんですよ(笑)。音程が上下するメロならいろいろ表情のつけようがあるんですけど、今回のメロはそうじゃないから。自分で作っておきながら、一番苦手とするタイプのメロになってしまったという。

ーーなるほど(笑)。歌に関してはまた後ほどじっくり聞くとして、先にトラックについて。今回、FUKIさんの中にはどんなイメージがあったんでしょう?

FUKI:ちょっと今っぽい雰囲気のあるトラックというか。私の中では、さなりさんの「Mayday」とか「Prince」のような雰囲気がいいかなっていうイメージがあったから、そういった方向でアレンジしてもらいましたね。ちなみにこのトラックは「Our Love Story」のときに軽く作っていたものだったんだけど、前回は曲のテーマ的にマッチしなかったから寝かしておいたんです。今回、試しにハメてみたらバッチリだったんで使うことにして。すごくいいトラックだから、ムダにならなくて良かった(笑)。

ーー歌詞はすごく切ないんだけど、このトラックに乗ることで少し光が見える印象の曲になっていますよね。深刻になりすぎない絶妙なバランスだと思います。

FUKI:もどかしさ、切なさをしっかり打ち出す曲にはしたかったけど、七夕をモチーフにしたからには星が持つキラキラした部分も感じてもらいたかったんです。そこをサウンド面でしっかり担ってもらった感じですね。星の見える夜空がイメージできる曲になったと思います。

ーーでは、苦戦したという歌について聞きましょうか。

FUKI:あははは。苦戦したのはとにかくサビですね。けっこう単純なメロでもあるから最初は楽勝だと思ってたんですよ。で、つらっと歌ってみたところ、「のっぺりしすぎてる」とEIGOさんに言われまして。その瞬間、「え!」と思って心が折れそうになったんですけど(笑)。音程があまり動かない中、そこにどうニュアンスをつけていくかを考えながら、何度も何度も歌いましたね。フレーズごとに、「ここは裏声でいこう」とか表情をしっかり決めて、彼への思いが募っていく感情をしっかり表現するように。

ーーコーラスでニュアンスをつけているところも多いですよね。

FUKI:そうですね。サビ以外の部分も含めて、今回はコーラスを多めに重ねてます。あと、サビの〈今夜は…せつない願いを繋いで〉の〈今夜は〉を別録りすることで、引っ掛かりをつけようとしたりもして。とにかく、のっぺり平坦な歌にならないように。

ーー結果、のっぺりするどころか、地声があったり、ファルセットがあったり、別録りの声が入ってきたりすることで、とても豊かな表情が感じられる曲になっていると思います。声質の違うボーカルが混在することで、主人公の女の子が相手へ実際に伝えている言葉と、心の中の思いの両方が表現されているようにも感じましたし。

FUKI:ありがとうございます! 頑張ってニュアンスをつけたことで、そんなふうに感じてもらえる曲になったんだなって思うと、すごくうれしいです。今、思い出しましたけど、AメロBメロの歌い方もけっこう考えたんですよ。私としては声を張りたくなる音域なんだけど、今回切なさを表現するためにあえてウィスパーっぽく、息を多めにした歌い方をして。今までだったらそこは普段通り張り上げて歌っていたと思うんで、そういう部分では自分なりの新しい挑戦もあった気がします。

ーーこの曲ってずっとリピートして聴いていられる心地良い中毒性がありますよね。

FUKI:歌詞もサウンドも癖になる感じがあるから、私も自然とループして聴いちゃってますね。自分の曲だけど(笑)。彼に会えなくても決して行き詰まる感じではなく、いい未来が見えてくるような曲にもなっていると思うので、実際、遠距離恋愛をしている人にはぜひ聴いてほしいですね。この曲をきっかけに、つらい気持ちが少しでも軽くなり、頑張る勇気を持ってもらえたらなって思います。

ーーちなみにFUKIさんは遠距離恋愛の経験ってあるんですか?

FUKI:はい、2回ほど経験はあります。でも全然ダメでした。会えないのがダメすぎるんで、私は遠距離はムリみたいです(笑)。でもね、そのときに私は音楽に救われてたんですよ。エイジアエンジニアさんの「Orion」という曲に。だから私のこの「Long Distance」という曲も、誰かにとってのそういう支えになればいいなって強く思います。この曲を味方につけて、遠距離恋愛のつらさを乗り越えてください!

FUKIの音楽ルーツ、最近気になっているアーティストは?

ーーそして恒例のスイーツコラボですが、今回は焼肉の銘店「よろにく」さんが手がけたかき氷ですね。

FUKI:「かき氷で“映え”スイーツ!?」って思ったんですけど、いやもうほんとに素敵な仕上がりにしていただきました。かき氷の上には金粉でできた天の川が流れ、その左右には織姫と彦星をイメージしたイチゴとキウイが。七夕ということで笹の葉も飾られています。で、そのお味はもうふわっふわでめちゃくちゃ美味しかったです。遠距離恋愛の切なさを表現するためにレモンもちりばめられているので、甘酸っぱくてさっぱりすっきり!

ーー見た感じけっこうなボリューム感でしたよね。

FUKI:けっこう大きいですね。でも全然ペロッといけちゃいます。実は私、今までかき氷ってそんなに積極的に食べるタイプじゃなかったんですよ。すぐ頭がキーンとなっちゃうから。でもこれはほんとにふわふわだから全然大丈夫で。かき氷のイメージが大きく変わりましたね。

ーー来月は8月9日“ハグの日”とのコラボとなります。予告をお願いします。

FUKI:次回はカバー曲を集めたEPになります。私が昔からずっとカバーしている曲から意外な曲まで、聴いてくださるみなさんをハグするかのようにあたたかく包み込むラブソング4曲をご用意しておりますので楽しみにしていてください。

ーーTwitterを拝見すると、バンドと一緒にレコーディングされたようですね。

FUKI:そうなんですよ。いつもお世話になっているバンドの面々と久しぶりに一緒にレコーディングすることができて。みんなと「せーの」で音を鳴らすこともまた“ハグ”ってことなんだろうなって思いながら歌を乗せました。現場での楽しい雰囲気もしっかり伝わる作品になっていると思いますよ!

ーー次回も楽しみにしていますね。で、今回は最後にちょっとFUKIさんのルーツのお話と、最近聴いている音楽について聞こうかなと思ってまして。

FUKI:自分にとってのルーツと言うと、やっぱり安室奈美恵さんになるのかな。安室さんを好きになったことで歌とダンスをやるようになったんですよ。一時期はダンサーを目指して、「高校生制服対抗ダンス甲子園」とかいろんなオーディションを受けたりもしてました。で、ダンスするようになったことでヒップホップやR&Bを聴くようになったんですよね。TLCとかローリン・ヒル、シアラなんかをよく聴いてました。

ーー最近のブログに、シアラの新譜を聴いていると書いていましたよね。

FUKI:そうそう。昔はシアラの曲でよく踊ってたから、新譜が出たってことで久しぶりに聴いたんですよね。「あーシアラ姉さんだ!」と思って、ちょっと懐かしい気持ちになりました(笑)。

ーー昔は1カ月に5枚のCDを買うことをノルマにしていたそうですが、今も気になるCDは手に取るタイプなんですね。

FUKI:最近はめっきりストリーミングサービスのお世話になっているから、昔ほどはCDを買わなくなってはいるんですよ。でもLinkin ParkとかBackstreet Boysとか、好きなアーティストのアルバムが出れば絶対買いますね。安室さんの作品は最後まで全部買ってましたし。

ーーじゃ最近のFUKIさんが気になっているアーティストは?

FUKI:ちょっと前まではアデルをよく聴いてたんですけど、今はH.E.R.ですかね。前から存在は知っていたけど、グラミーを獲ってからしっかり聴くようになって。音源はもちろん、ライブ映像なんかを観てもすごくかっこよくて思わず「はぁ」ってなっちゃうんですよね。

ーーダジャレっぽくなっちゃいましたけど(笑)。

FUKI:あははは、確かに(笑)。インタビュー映像なんかも見たりするんですけど、彼女はガツガツしてない感じがして、その雰囲気がすごく素敵なんですよね。ファッションもすごくかわいいので、最近はかなり注目しております。

ーーJ-POPのアーティストでも気になる人っています?

FUKI:J-POPもいろいろ聴いてはいるんですけど、気になってるっていうと誰かなぁ。あ、さっきも話に出たさなり君はいいなって思いますね。すごく人気があるから、私も聴いてみようと思って。そしたらめっちゃ良かった! 最近出たアルバム(『SICKSTEEN』)もめっちゃ聴いてますね。

(取材・文=もりひでゆき/写真=竹内洋平)

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■リリース情報
『Long Distance』
発売:2019年7月7日(日)
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