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Stray Kids、“自主制作アイドル”の中でも際立つ独自性 ショーケースライブを振り返る

リアルサウンド

19/12/8(日) 12:00

 GOT7やTWICEが所属するJYPエンターテインメントのボーイズグループ・Stray Kidsが12月3日、国立代々木競技場 第一体育館にて『Stray Kids Japan Showcase 2019 “Hi-STAY”』を開催した。日本公式ファンクラブのオープンを記念し、ファンクラブ&モバイル入会のダブル会員1万名先着で無料招待するという太っ腹な企画。9月に開催された初の日本単独公演『UNVEIL TOUR ‘I am…’ in JAPAN』以来2カ月ぶり2回目の単独公演である。会場は11月にリリースされたばかりの公式ペンライトを手にしたSTAY(Stray Kidsのファンの愛称)たちで満たされていた。

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 オープニング映像に引き続き、最初はメンバー自ら書いたプロフィールを紹介していくメンバー紹介のコーナー。MCはK-POPアイドルの関連イベントではおなじみの古家正亨氏。ラップや低音ボイス、事務所の先輩であるGOT7や後輩ITZYのダンスカバーなど、それぞれ特技を交えながらのコーナーでは、日本では初のファンイベントらしくまだ初々しい雰囲気のメンバーたちを温かくサポートしていた。プロフィール紹介の後は各メンバーのTMI(too much informationの略で細かすぎる情報の意味)クイズコーナー。数日前のご飯メニューや最近ハマっていることなど、メンバー同士も知らないようなことを当てるコーナーで、とにかく手をあげまくるバンチャンとチャンビンなど、プロフィール紹介以上のキャラクターが垣間見える場面もあった。

 30分ほどのトークコーナーの後は、お待ちかねのライブパフォーマンス。Stray Kidsはセルフプロデュースアイドルとして知られており、バンチャン、ハン、チャンビンがメインに作詞作曲を担当。この3人は、デビュー前から3RACHAのクルー名でInstagramなどで楽曲を発表している。

 1曲目はMV公開から24時間で427万回再生を記録し、Wanna Oneの持っていた「デビュー曲の24時間以内の再生数記録」を破った「District 9」。続く「Victory Song」「QUESTION」と、ヒップホップフィーリングの強いEDMソングというStray Kidsの代名詞とも言えるテイストの楽曲が続き、会場のテンションは一気に上昇した。

 続く「Hellevator」はStray Kidsがデビューサバイバル番組に出演していたプレデビュー期に作られた楽曲。先の見えない練習生活をする10代の辛い日常を地獄行きのエレベーターに例えるような歌詞と激しいラップがサビのレゾナンスと相まって、エモーショナルな楽曲だ(MCでは「僕たちのエレベーターといえば?」と明るく紹介していたが……)。続く、“他人と比較せず自分のペースで行こう”という今時の若者らしい歌詞の「My Pace」、若者の間で流行した言い回し「カップンサ(突然気まずい雰囲気になること)」をネタにした「Awkward Silence」と、少しユーモラスな色がある楽曲が続いた。

 ファンへの気持ちを込めたという「I am YOU」はコンサート用のアコースティックなアレンジ。R&Bスタイルの「M.I.A」と、やや落ち着いた雰囲気の曲が続いた後は、「DOUBLE KNOT」「MIROH」とフェスや大きなハコが似合いそうなビッグルームアンセムとも呼べる最新ナンバーが続き、会場の空気は最高潮のまま本公演を締めた。

 そして本編とアンコールの間には待望の日本デビューの告知映像が。2020年3月に<ソニーミュージック>より、ベストアルバム形式の『SKZ2020』をリリースすることが発表された。シングルではなく既存の人気曲を集めたアルバムでデビューというのは、レコード会社は異なるが先輩グループであるTWICEと同じスタイルだ。

 Stray KidsはヒップホップでありながらR&BよりはEDM色が強く、「自主制作アイドル」の中でも珍しいスタイルを持つグループである。どちらかといえば韓国ではヒップホップアーティストの方に近いアプローチであり、それでいて「アイドルパフォーマンス」がギリギリ成り立つポップさはキープしているStray Kids。そのカラーを表現するには、K-POPでは最も優先されがちな1曲勝負のインパクトよりも、ポートフォリオのような役割を果たせるアルバムの方がふさわしいということではないだろうか。

 2018年度の韓国内の新人賞では10冠を獲得し、今年1月から8月にかけてはすでにアジア(タイ・インドネシア・フィリピン)、オーストラリア(シドニー・メルボルン)、ヨーロッパ(ロンドン・パリ・ベルリン・モスクワ)、アメリカ(NY2公演・LA・ヒューストン)を巡る13公演のワールドツアーをソールドアウトさせており、新人枠のK-POPアイドルの中では特に欧米圏での注目度も高いStray Kids。2020年2月号の『NYLON guys JAPAN』では表紙を飾ることが決まっている。いよいよ日本でも本格的な活動が始まる2020年。彼らから目が離せなさそうだ。(DJ泡沫)

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