Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

永野芽郁×田中圭 親子対談「娘という、生きる意味をくれた存在」

ぴあ

永野芽郁×田中圭 撮影:奥田耕平

続きを読む

10月29日(金)より公開となる映画『そして、バトンは渡された』。原作は累計発行部数110万部を突破している本屋大賞受賞の同名小説。

苗字が4回も変わるという環境にありながら、ポジティブに生きる主人公・優子を永野芽郁、優子の血がつながらない父親で、料理で愛情を伝えようとする森宮さんを田中圭、そして物語のキーパーソンとなる、シングルマザーで自由奔放な魔性の女・梨花を石原さとみが演じる。

お互いを「森宮さん」「優子ちゃん」と呼び合い、父と娘でありながら親友同士のような、絶妙な距離感と空気を生み出した永野芽郁、田中圭に話を聞いた。

「優子」という役をできてよかった

――原作は本屋大賞を受賞したベストセラー作品ですが、脚本を読まれた感想と原作を読まれてどのようにインスピレーションを膨らませられたか、お聞かせください。

永野 私は脚本より先に原作を読んでいたんですけど、涙するシーンもあるし、感動もするけど、それがすべて『温かい』という感情の中で動くものだなあと思いました。
もちろん原作と脚本では違う部分もありますけど、優しいと思ったものが、脚本でも描かれていたので、その原作の良さを自分の中で持ちつつ、演じられたらいいな、と。

――永野さんはお母さまから「この作品が実写化されたら演じてほしい」と言われていたそうですが、普段からそういったお仕事に関するコミュニケーションをとられたりするんですか?

永野 今回が初めてでした。だからこそ私もやれたらいいなと思ったし、実現できてよかったです。

――今回、演じられた役柄とご自身の共通点はありますか?

永野 私が演じた優子との共通点は割と何事もポジティブに捉えてるところだったり、 どんなことがあっても笑顔を心がけようとしているところは、共通点だなと思います。

――演じられているときに苦しかったり、優子に寄り添いすぎてしまったことはありましたか。

永野 優子ちゃんが「本当はこうしたかったのに」と思っているところは私も実際にそう思っていました。でもそれは優子ちゃんの気持ちだけだから、なんですよね。周りの人のことを考えたら、自分本位な考えなのかもしれないという葛藤もあったりして。難しいな、と思うシーンは少しありました。

田中 僕と森宮さんは、父親であるという大きな共通点があったので。もちろん娘と年が近いとか血が繋がってないというのはありましたけど、大きなくくりとして大丈夫だろう、という感じで現場に入りました。でも、実際は自分の実体験が全然参考になリませんでした。これはダメだと思って、自分の感覚を忘れて、イチから森宮さんを作り直しました。

――1人の男として見て、その森宮さんっていい男なんだな、と感じたところはありますか。

田中 それで言ったら森宮さんだけじゃなくて、優子ちゃんの父親はみんないい男ですよね。 いろいろと理解がありすぎる! というツッコミは入れたくなります。

――森宮さんが優子ちゃんに愛情を注いで責任を持って育てているのは、1人の男としてみてどんなふうに感じられましたか?

田中 とても楽しいと思うんです。だってあんなかわいい娘がいて、絶妙な距離感でずっと彼女を応援できて、きっとあの2人は、これから先もずっとあの距離感だろうし、幸せだなって。森宮も言っていますが、生きる意味をくれた、って。彼にとっては本当にそうなったんだろうな、と思います。

芽郁ちゃんがお嫁に行くまでは見守りたい(笑)

――お二人がお互いに見て、「田中さんの森宮さんっぽいところ」、「永野さんの優子ちゃんっぽいところ」はありますか?

永野 田中さんと森宮さんは……うーん……。

田中 がんばって探してるね~(笑)

永野 森宮さんが優子ちゃんに対して向ける優しさと、田中さんが私に向けてくれる優しさは、同じ柔らかさを感じました。現場では自然と「森宮さんと優子ちゃん」という親子でいましたけど、こうやって撮影が終わったあとにお会いしたときの柔らかさは、優子だったときの森宮さんに対しての気持ちと何か近いなあ、と。

――田中さんもお父さんのように見守っていたな、というは実感がありますか?

田中 そうですね。やっぱり森宮さんが優子ちゃんに対してそうだったように、芽郁ちゃんがお嫁に行くまではしっかりと見守りたいな、と思っています(笑)
僕から見た芽郁ちゃんと優子ちゃんの共通点は……原作を読んでいないから、というのもあって、芽郁ちゃんがいるから優子ちゃんになってるぐらいの感じでみていましたね。だから、ポジティブなところやキラキラしたところも、共通点なのかな、って。芽郁ちゃんからしかあの優子ちゃんは生まれないんだろうな。

永野 (嬉しそう)

田中 わかんないよ? 原作読んだら、全然違うな、ってなるかもしれないよ?

永野 えーっ!

――石原さとみさん演じる「みいたん」のお母さんとしての梨花は、永野さん、田中さんから見て、どのような印象を持たれましたか?

永野 原作を読んで結末を知っているからかもしれないですけど、すごくたくましい女性だなと思いました。誰かのことを想う気持ちがこんなに人を動かすんだな、というのは同じ女性としては、すごくかっこいいです。

――共感された部分はありましたか?

永野 梨花ほど何かに自分が突き動かされるということはないので、共感とまではできないですけど、ただ、もし同じ状況に自分がなったら、梨花のような判断ができる女性にはなりたいかな?

田中 僕は母親ではないので、自分だったらこうするっていう感覚はわからないんですが、梨花の選択については「え~そのチョイス~?」とは思いました。
みぃたんも梨花もお互いに一緒にいたいという思いがあったのに、梨花は違う選択をした。一緒にいたいならいればいいのに、と僕は思うタイプではあるので……理解するのは難しいですよね。一緒にいることを選んだ未来だったら結末なのかな、とどうしても思ってしまいます。

距離感は最初から親子みたいだった

――社会人になった優子ちゃんが森宮さんと一緒に料理をされるシーンがとても息の合ったもので、家族の絆や、2人の積み重ねてきた歴史が感じられました。おふたりはどのような気持ちで演じていらっしゃったんでしょうか。

永野 いつも森宮さんが作ってくれていたところに「一緒に私も手伝っていい?」と言うのは、優子の中では成長した自分を見せるところでもあるし、森宮さんへの感謝をその行動で伝えようとしているところはだったので、あのシーンは自分の中でも「ここが変わるところだな」と思いながらやっていた気がします。

田中 基本的に料理が得意ではないのでいつも手元は馬鹿みたいに緊張していました。でもあのシーンは普通に楽しい気持ちが勝ったというか……森宮さん的にも優子ちゃんの手伝いたいという言葉に驚くけど、変に深い意味を持たさずに、自然と一緒に作る流れになるのが2人の関係性だと思うので気負うこともなくやっていました。

――そんないろんなシーンを一緒にやられている中で、「本物の親子みたいだな」と感じられたことはありましたか?

永野 現場でずっとお話していたかと言われるとそうじゃなかったので、距離感が親子だなってずっと思っていました。 近すぎず、離れすぎず、同じ空間にいても喋らない時間もあって、それは最初から田中さんが森宮さんという父親として、私と向き合ってくださったからだと思います。

――田中さんはそういった距離感は意識されていたんですか?

田中 最初の方は。沈黙になるとどうしても話しかけた方がいいのかな、って思ったりしましたが、芝居でコミュニケーションは取れているし。それに、芽郁ちゃんって結構わかりやすいんですよ。嬉しいときは嬉しそうなのが出ちゃうし、眠いときは眠いのが出るし、本当に正直な反応が出てくるんですよ。

だから面白いなと思って。スタンバイ中にソファーとかで一緒に座っていたとして、会話がなくてもポーッとした顔してると「本当にポーッとしてんだろうな」って思えるので、ほっとけるというか。話したいことがあったら話せばいいや、ぐらいの感じでしたね。 その感覚は、親というか森宮さんが優子ちゃんを見ているときの、問答無用の自分が守らなきゃ、とか育てなきゃみたいな気持ちに多分数%ぐらいはリンクしているはずだと思います。

家族は一番近くにいる存在

――今回いろんな家族の姿が描かれていたと思うんですが、おふたりにとって家族とはどんな存在ですか?

田中 ひとことで言うのは難しいですね。
いろんな側面はあるとは思うんです。常に家族といるのが正解かと言ったらそうでもないだろうし、その時によって変わると思いますが、やっぱり一番近くにいる人たちじゃないですか、家族って。離れていたとしても。
人によっても違うし、自分の年によっても違うと思うけど、近くにいるっていうのは間違いないかなあ。

永野 味方とかそういうことですかね。

田中 うん、味方だよね。

永野 もちろん友人だったり先輩だったりいろんな方も声をかけてくださるけど、失敗しても、頑張ってる姿を見せても、ストレートに意見を言ってくれるのは家族なので。一番言葉を信じなきゃいけない人たちだなとは思いますね。

――家族もそうですが作中で、優子が森宮さんの料理を「私のルーツ」と話すシーンがあります。今のご自身のルーツとなった人や出来事はありますか?

田中 たくさんありすぎて。原点で言えば、母親だと思うし、そこから始まって、これまでにいろんな世界で出会った100人ぐらいの人が僕の「こうなりたいな」を作ってくれているので、厳選するのは難しいんですけど。

――その方々が全部積み重なっていっている?

田中 そうですね。本当にいろんな方のいろんな素敵なところを、教えてもらっています。

永野 私を作っているのは母親なので、母がいいなと思ったものは同じように思いたいですし、母の影響はすごくありますけど、お仕事でご一緒した先輩のアドバイスやオススメを勉強して自分に合うもの見つけて、ルーツにしているところはあるような気がします。

映画を観て大切なものを再確認してほしい

――完成作品をご覧になられた感想はいかがですか。

永野 完成作品で初めて見たシーンもたくさんあったんですけど、それぞれが思いやりを持って過ごしていて、「人を想う気持ちはこんなに美しいものなんだ」と改めて感じました。泣けるけど、ダークさを感じさせない作品ができたことへの達成感と喜びみたいなのはありましたね。

――田中さんは完成作をご覧になって、一番心動かされたシーンなどはありましたか。

田中 優子ちゃんと森宮さんが初めて喧嘩するところですね。やっと喧嘩できた、というのとその喧嘩の内容が「それか……」と。優子ちゃんと森宮さんを繋いでいるものは別にあるけど、2人の絆もある。お父さんと娘でやってきてるけど、喧嘩もできないんだね、なんて言ってたんです。ようやく喧嘩ができたと思ったら理由は「それか」っていう。嬉しいんだか悲しいんだか、よくわからないぐちゃぐちゃな感情で優子ちゃんを見ていて、そこで感情が一気に動きました。

――最後に映画を観られる方へのメッセージをお願いします。

永野 本当に悪い人がひとりも出てこない、温かみのある映画になったと思います。
ご覧になって自分の大切なものは何か、大切な人は誰か、というのを再確認してもらえたら嬉しいです。

ぴあアプリ限定!

アプリで応募プレゼント

永野芽郁さん、田中圭さんのサイン入りポラを1名様にプレゼント!

【応募方法】

1. 「ぴあアプリ」をダウンロードする。

こちらからもダウンロードできます

2. 「ぴあアプリ」をインストールしたら早速応募!

撮影/奥田耕平、取材・文/ふくだりょうこ
衣装協力/(永野芽郁)
スタイリスト:Shinya Tokita

ニットベスト 47,300円、ニット 51,700円、パンツ 51,700円 すべてトリー バーチ(トリー バーチ ジャパン)、その他スタイリスト私物

<問い合わせ先及び掲載誌送付先>
トリー バーチ ジャパン
0120-705-710
東京都港区北青山2-5-8 青山 OM スクエア 3F

(田中圭)
トップス ¥26.000
パンツ ¥27.000
ブランドともに semoh
メガネ ¥37.000 O.J. GLOBE SPECS OPTICAL Co.

アプリで読む