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ヨコハマトリエンナーレ2020 「AFTERGLOW―光の破片をつかまえる」

20/9/6(日)

コロナ禍で、今年アーティスティック・ディレクターを務めるインドのアーティスト集団「ラクス・メディア・コレクティヴ」ほか海外作家が来日できないなか、リモートでチェックを受けながら日本のスタッフで作品を設置。3.11の年にも開催経験があるとはいえ、すべての作品がほぼプランどおりに実現できたことに敬意を表したい。 思い返すと、ラクスが揚げる5つキーワード「独学」「発光」「友情」「ケア」「毒(との共生)」がだんだん染み入ってくる。青野文昭は、東日本大震災の廃棄家具などを新たな形に修復した彫刻、竹村京(けい)はクラゲの発光物質を用いた(金継ぎならぬ)蛍光シルク継ぎなど、 「手当て」「修復」で始まる横浜美術館の前半が特にいい。 報道とは異なる視点も点在する。故郷ガザに戻れなくなったタイスィール・バトニジの、ガザの家の鍵と砂時計を型取りしたガラス作品。ナイジェリア北東部・北部を拠点とするイスラム過激派組織ポコ・ハラムの脅威を生き延びた少女たちが、学校へ行けるようになり遊ぶ姿をとらえた、ラヒマ・ガンボの映像インスタレーション。 精神疾患を持つ妹の世界に、演じ直すことで寄り添う飯山由貴の映像(ほか2作も必見)。ほか、岩間朝子のスリランカの耕作、チェン・ズの夕暮れ、アリア・ファリドの踊り、ティナ・ハヴロック・スティーブンスの飛行機墓場でのドラミング。マーシャル諸島でのアメリカ核実験の負の遺産を題材としたキャシー・ジェトニル=キジナー(撮影監督ダン・リン)の映像作品、石川真生の沖縄の写真(インティ・ゲレロの横浜美術館所蔵品キュレーション)。とりわけ、癌で昨年亡くなった佐藤雅晴の絵画が示す日常の希少さ。どこかに小さな光が見つかる。

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