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新たなファンも楽しめる試み満載!『バイオハザード:インフィニット ダークネス』がNetflixで配信開始

ぴあ

(写真左から)小林裕幸氏、羽住英一郎監督

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オリジナルアニメシリーズ『バイオハザード:インフィニット ダークネス』が7月8日(木)からNetflixで配信される。日本だけでなく全世界にファンをもつ『バイオハザード』シリーズはこれまでにも実写映画、フルCG映画が制作されてきたが、本作はシリーズのファンを満足させるだけでなく、新しいファンも参入しやすい“新たな試み”になりそうだ。

1996年に最初のゲームが発売されて以来、“バイオ”シリーズは圧倒的な人気を集めてきた。2002年にはミラ・ジョヴォヴィッチが主演を務める実写映画が公開されて、後にシリーズ化。2008年にはフルCGアニメ映画『バイオハザード ディジェネレーション』が制作され、その後、2012年に『…ダムネーション』、2017年には『…ヴェンデッタ』が公開された。

「これまでに3作のCG映画をつくってきましたから、次になにかやるのであれば新しいことをしたい、という話はずっとしていました」と本作のエグゼクティブプロデューサーを務めたカプコンの小林裕幸氏は振り返る。「実写映画もあったわけですけど、映画となると、どうしても地域によって公開の時期にタイムラグが出てしまう。でも、Netflixさんだと全世界に同じタイミングで一斉に配信ができる。これまで“全世界同時公開”はやったことがなかったので、世界中の人に同時に同じ『バイオハザード』を体験してもらえることは新しい試みだと思ったんです」

さらに本作は約30分のエピソード全4話で構成されることになった。

「これまでのような長編映画とは少し違った見せ方もしてみたいとずっと思っていました。今回の形式だと、1日1話ずつ観ていって4日間かけて楽しむこともできますし、イッキ見して、また最初に戻って繰り返し何度も観ることもできる……いろんな楽しみ方ができると思っています。もちろん、1話さえ観てもらえたら、絶対に2話以降も観てもらいたくなるようにはつくってあります!」(小林氏)

分割されてはいるが一度見始めると続きが気になる連続シリーズをつくる……このミッションを託されたのが『海猿』シリーズや『太陽は動かない』などアクション、サスペンス映画を数多く手がけてきた羽住英一郎監督だ。

「全エピソードを合わせると2時間ほどですから、制作する上でのアプローチは映画をつくる時とそれほど大きくは変わらなかった」と羽住監督はいう。「ただ、4つのエピソードに分かれていますから、それぞれのエピソードで物語の舞台がちゃんと変わっていくことは意識しました。1話はホワイトハウスで、2話は潜水艦で……と、ひとつの物語なんだけど、ステージが変わっていく。それに仮にイッキ見しなくても、1話ずつ観ていくことで、最初は裏返しになっているカードがひとつずつめくられていくように、冒頭では描かれていなかったことが次第にわかっていく展開にしました」

本作の舞台は2006年。ホワイトハウスで極秘ファイルへの不正アクセス事件が発生。エージェントのレオン・S・ケネディらがホワイトハウスに招集されるが、そこに正体不明のゾンビが襲来し、レオンは極秘ファイルの謎を追う。一方、反バイオテロ組織・テラセイブの職員クレア・レッドフィールドは難民支援のために、かつて内戦が繰り広げられていた国ペナムスタンで、失語症の少年が描いた不思議な絵に出会う。この絵は一体、何を描いているのか? 謎を調査するクレアと、ファイルを追うレオンはやがて、かつてペナムスタンで実施された“恐ろしい実験”の真相に触れることになる。

本作はこれまでの“バイオ”シリーズの魅力を引き継ぎながら、最後の最後まで観客の興味が途切れないように工夫されたストーリーと、物語に密接に絡み合ったアクションやホラー表現が光る作品になった。

「単にアクションだけだったり、驚かせるだけの恐怖描写は観客にとって“待ちの時間”になってしまう」という羽住監督は「ひとつのシーンに複数の要素を盛り込むこと」を常に意識していると語る。

「ただアクションしてるだけだと、お客さんも“どうせ主人公なんだから死なないんでしょ”ってなると思うんですよね(笑)。でも、そこに別の要素を入れ込むことで映画は面白くなる。今回は観客が“かつてペナムスタンで何が起こったのか?”に興味を持ってもらえるように物語を始めて、次第に事実が明らかになっていく過程でアクションだったり、恐怖描写を盛り込んでいく構成にしました」

さらに羽住監督は本作で実写的な視点を作品に盛り込んで物語を描くことにこだわっている。フルCGアニメは物理的にカメラを置けないような視点から物語を描くことも可能だが、本作はレオンやクレアをシネマカメラで実際に撮影しているような描き方で物語が進んでいく。

「これまで実写映画をやった時もフルCGカットはあったんですけど、できるだけ実写のカットと温度差が出ないように工夫してきました。例えば『海猿』の2作目でフェリーが沈むシーンがあって、基本的には実写とCGを組み合わせたのですが、フェリーが沈む瞬間にヘリがカメラの前を横切るカットはフルCGなんです。だから基本的にはどのアングルからでも、どのようにでも描けてしまう。でも、身体を鍛えた俳優が大量の水を浴びながら歯を食いしばって演技しているカットとフルCGのカットで温度差があるのはイヤなんですよね。そこで思ったのは、もし仮にこのカットを実際に撮影したとしたら、ヘリは我々が思ったように都合よく画面の手前には来てくれないだろうな、と(笑)。だからカメラはギリギリまでヘリをとらえようと動くだろうし、編集する段階でもヘリが写ってるギリギリのところまで使うはずだと。そうやって実写とCGの温度差が出ないようにこれまでもやってきたんですね。

だから今回の作品もフルCGではあるんですけど、“実際に入れない場所には絶対にカメラを置かない”と最初から決めて、潜水艦のような狭い場所であればワイドレンズでないと撮れないはずなので、被写界深度(画のピントが合う範囲のこと。広角のレンズほどその範囲は深く/広くなる)の浅い、ボケをいかした画は撮りたいけど無理だろうなぁ……など考えて撮影していきました」

ちなみに本作は、長い歴史を誇る“バイオ”シリーズの世界観を共有する作品ではあるが、ゲームや過去作を観ていない人も“新規参入”できる間口の広さも持っている。

「ゲームも映像も新規のお客さんのことはすごく大事にしてきました。25年間“バイオ”のことを追いかけている人もいれば、5年楽しんでいる人も3年観てくださっている方もいてバラバラなんです。だからいつもファンも映画が好きな人も両方が楽しめるものにしたいと思っています。今回の作品でいえば、レオンとクレアというシリーズの中でも絶大な人気のあるキャラクターが登場するわけですけど、ファンであれば彼らの過去もこの先のことも知った上で楽しめるし、“バイオ”のことを一切知らなくてもレオンとクレアがどんなキャラクターなのかは想像してもらえるように描いています。その上で残りはすべて本シリーズからの新キャラクターにしました。だから、“バイオ”を好きな方はもちろん、実写映画を好きな方にも観てもらいたいですね」(小林氏)

「僕はふだんはほとんどゲームをしないんですけど、『バイオハザード』はすごいビッグタイトルで、ルールが非常にしっかりしているんですよ。だからゲームや映画がたくさんあっても、レオンやクレアのキャラクターは破綻していない。逆の言い方をすると“ラクーンシティって一体、何なの?”って思った時に観られる映画やゲームや本がいっぱいある(笑)。すごく奥が深いんだけど、初心者にやさしいシリーズなんですよね。だから、今回を機にたくさんの方に本作を楽しんでもらえたら、と思っています」(羽住監督)

『バイオハザード:インフィニット ダークネス』
7⽉8⽇(⽊) Netflixにて全世界独占配信

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