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『恋はつづくよどこまでも』宮崎真佐子Pが目指す、まっすぐなラブコメ 「王道を逃げずにやろう」

リアルサウンド

20/2/18(火) 7:00

 「これは治療だ」「彼氏になってやる」佐藤健演じるドSドクターの天堂浬による、胸キュンワードが続々と飛び出している火曜ドラマ『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)。放送時にはSNSのトレンド上位に関連ワードがランクイン。TBSの公式YouTubeチャンネルで配信された予告動画(第5話)が、1週間で89万回再生を突破するなど、回を重ねるごとに注目を集めている。

 主人公・七瀬(上白石萌音)の健気な恋心が、ついに身を結んだかのように見えた第5話。天堂が「俺の彼女だから」と職場で公言し、個性豊かな仲間たちにも祝福され、ハピハピハッピー! かと思いきや、天堂の亡くなった元恋人・みのり(蓮佛美沙子)に瓜二つな、みおりが現れて、さらなる波乱の予感だ。

 どこまでもピュアなヒロイン、悲しい過去を抱えたツンデレなヒーロー、赤面不可避なストレートなセリフに、最強のライバル登場……と、少女漫画の王道を行く本作。これほどまっすぐなラブコメも、最近なかなか見なかったように思う。なぜ、今このドラマが生み出されたのか。宮崎真佐子プロデューサーに聞いた。

【写真】魔王化が話題の佐藤健

■「王道を逃げずにやろう」

ーーTBSの火曜22時枠のドラマは、多様な価値観を認め、どこか生きづらさを感じている視聴者を救うような作品が多い印象でしたが、そのなかで王道のラブコメをドラマ化した意図は何だったのでしょうか?

宮崎真佐子(以下、宮崎):火曜ドラマって、観てくださった方に「元気と勇気をもらえた。なんか明るくなれた」と思ってもらえるのが一番だと思っていて、さらに今回に関しては、むしろ「こういうド直球のラブストーリー最近なかったよね」というところに帰ることが、新しいんじゃないかと考えていました。ドジっ子ヒロイン×ドSヒーローのラブストーリーって、もうそれだけで展開が読めるくらい王道ですよね。でも「王道」って、それだけみんなが好きっていうことだと思っていて。

ーーたしかに、天堂先生のツンデレも王道だとわかっていても、毎話ニヤけてしまいます。「天堂担だろ」と励ましたり、不意打ちのキス、七瀬の頭にポンと手を置きながら「俺の彼女だから」と言ってのけるシーンなど、オンエア直後はいつも話題になっていますね。

宮崎:「天堂担」は、予想を遥かに上回る反響で嬉しかったですね。第5話のラストでは、「え、亡くなった元恋人に双子がいたの!?」っていう、現実ではなかなかない展開ではあるんですが、そういうのも全部逃げずにやろうと。「逆に、恋愛ドラマがド真ん中な分、新人ナースの当たる壁、医療現場の現実もちゃんと描かないとね」って、脚本の金子ありささんとは話していて。病院という舞台上、「ドジっ子な見せ方は難しいね」って言いながら、作っているんですけれども。とにかく不謹慎にならないように描こうと意識しています。

■「キャスティング理由は、上白石の品、佐藤の目、毎熊の声」

ーーマンガ原作をドラマ化するにあたって、何を大切にアレンジを加えられているのでしょうか?

宮崎:今回、原作者の円城寺マキ先生とのお話し合いのときに、「七瀬と天堂の関係性が面白くなり、キャラクターが愛されるようになるんだったら、どんどん加えていってください」とおっしゃっていただきました。なので、七瀬や天堂のキャラクターは変えずに、どう全10話で面白くなるかを念頭にしています。結構、原作よりも来生先生に活躍してもらって、天堂先生が嫉妬させる感じが加わっているかもしれません(笑)。

ーーそのなかで、キャストの個性が絶妙だなと感じました。

宮崎:ストーリーが王道だからこそ、キャスティングは新鮮味を重視しました。特に来生先生は、これまで「恋のライバル」というイメージのまったくない方にお願いしたいと考えていたんです。そういう意味では、毎熊(克哉)さんはこれまでラブコメに出ていませんでしたし、渋い外見に、柔らかな声のギャップに魅力を感じてオファーしました。後半は、毎熊ターンなので、ぜひ“毎熊担”が増えてほしいですね。

ーーキャスティングといえば、仮面ライダーシリーズに出演していた佐藤健さん、渡邊圭祐さん、山本耕史さんがレギュラー出演していることでも話題になっていましたね。

宮崎:それは本当にたまたまだったんですけど、キャスティングが決まったときに、これはファンの方に気づいていただけるのではないかとちょっと思っていました(笑)。

ーーでは、上白石萌音さん、佐藤さんのキャスティング理由は?

宮崎:少女漫画の主人公って、本当に演じるのが難しいと思うんです。あまりに天然ドジっ子が行き過ぎると、鼻についてしまう可能性もありますから。でも、上白石さんはもともと上品な方なので、イヤミなく等身大の恋する主人公を演じていただけるんじゃないかと思いました。佐藤さんは……目……圧……全部ですかね…。第1話の1カット目を撮影したときに、「あ、天堂ってこういうことだよな」って、私たちが教えていただきました。マンガだとただのドSキャラで済むんですが、そのまま映像化するとキツく、恐くなりがちで。「それをどうにかしなきゃいけないよね」と事前におっしゃっていたのですが、まさに2次元を3次元にしてくださる方だと思いました。

■「現場のコンビネーションが、画面に出ていくもの」

ーーお二人が並んだ感じはいかがでしたか?

宮崎:本当に狙い通りというか。お二人は初共演なのですが、だんだん良いコンビネーションができあがってきているように感じています。上白石さんがすごくしっかりしているので、一見すると佐藤さんが引っ張っているようで、実は裏で上白石さんが引っ張ってる?……っていう感じに見えたら良いなって。それこそ、天堂は大切な人を救えなかったっていう過去を持っている人なので、そこを乗り越えさせてくれる七瀬が心の面ではリードしていくというドラマのストーリーが、リンクしていってほしいなと陰ながら思っています。

ーーツンデレシーンは、どんなふうに撮影されているんでしょうか。

宮崎:お二人とも照れながら演じられていますね。第2話のタイトル前に、天堂が七瀬のほっぺをムニュッて掴むシーンがあったと思うんですけども、あれは台本になかったんです。現場で佐藤さんが発案されて、「やってみようか」って話になったもの。ツンツンのシーンも、デレデレのシーンも結構、現場で動きながら生まれています。上白石さんの笑顔にもみんな癒やされて、和気あいあいと演っていますね。その明るさが画面に出ていくものだと思うので、楽しくやることを心がけています。

ーー最後に、後半に向けて見どころをお願いします。

宮崎: まずは七瀬のナースとしての成長ですね。きっかけは天堂先生が好きってことで、不純な動機でナースになったけれども、そこからちゃんと看護師としての自分の道を探していけるように、最終回まで描きたいと思っています。そして、もちろん七瀬と天堂の恋模様。ここから新たな登場人物も出てきて、二人の気持ちが試されていくことになります。でも、きっと最後は天堂のほうが七瀬にぞっこんになってしまう予定なので、天堂のデレッぷりを楽しみにしてください! あとは、来生先生に想いをよせる酒井結華ちゃん(吉川愛)、仁志くん(渡邊圭祐)と小石川先生(山本耕史)と流子さん(香里奈)の関係性も。本編とリンクしてParaviでも、もっと深い裏側まで描こうと思っているので、そちらもぜひ楽しんでいただきたいですね。

※宮崎真佐子の「崎」は「たつさき」が正式表記。

(佐藤結衣)

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