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リム・カーワイが「カム・アンド・ゴー」をアピール「世の中をリアルに映し出してる」

ナタリー

「COME & GO カム・アンド・ゴー」舞台挨拶の様子。左から兎丸愛美、千原せいじ、リム・カーワイ、渡辺真起子。

「COME & GO カム・アンド・ゴー」の舞台挨拶が11月20日に東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で行われ、キャストの千原せいじ、渡辺真起子、兎丸愛美、監督のリム・カーワイが登壇した。

大阪の梅田周辺、通称・キタでサバイブするアジア人たちの実像を描く本作。リム・カーワイは「コロナ禍で行ったり来たりできない世界になってしまったけれど、これからきっとできるようになるから、その前に公開できてよかった」と語る。

台本はなくアドリブで演じたという刑事役の千原。「今度、映画出てください」と大阪・北新地でリム・カーワイに声を掛けられ、詐欺だろうと思っていたところ、1年後に事務所に連絡があったそうで「『なんか知らんけど、映画出るって約束したっていう監督から電話来とる、北新地で飯食ったやつや、って言ってる』と言われて、約束してたから『出ますわ』となりました」と明かし、「あのとき『拘束時間はコレで、アレがコレぐらいになりますよ』って言えばよかった」と話し、会場の笑いを誘った。さらに千原は「常々思うのは、海外から日本に来て働いている外国人の方って、例えば建設現場で働くにしても、日本語を覚えて重機の免許も取って働いてるでしょ? そういう意味では、リム監督も、監督としてのスキルはわからんけど、人間としてのスキルは大変高いんだな」と述懐する。

千原演じる刑事の妻に扮した渡辺は「リム監督の足を使って知った世界の広さとか、出会ってきた人との関係とか、その人柄が映画に出てる」と述べ、「私にしてもトライなわけですよ。大阪に行くのはいいけど、誰が待ってるのかと思ったら、ボロボロになった監督が迎えに来るという。『香盤表遅いんだけど、今何時だと思ってんの?』と言うと『僕が書くんですよね』って。そんな中でよく完成したと思う」と振り返った。

貧困女子を演じた兎丸は「始めは不慣れだったので、セリフがないことにけっこう緊張しました」と思い返し、「慣れていくうちに、とても現場が楽しくなりました」と伝える。

イベント中にはキャストのリー・カーションやリエン・ビン・ファットのビデオメッセージも到着。またコロナウイルスの影響と2月に起こったクーデターにより、ビデオメッセージの撮影も難しかったミャンマーのナン・トレーシーからは「本当に完成された映画を観たいのです。ミャンマーの情勢が落ち着いたらすぐに、日本に駆け付けます」という手紙が届き、渡辺が代読した。

最後に渡辺は「この数年で世界の状況ががらりと変わり、子供の頃に夢見ていた地球というものの距離を見失いかけているように私自身も思うのですが、いろんなことが起きる数年前に撮ったこの映画について、心にお留めおきいただけたらうれしいです」とコメント。リム・カーワイは「今の世の中で何が起きてるか、リアルに映し出している映画だと思ってます。たくさんの方々に観てほしい。1回だけじゃなく、2回、3回と観ると感想が変わって面白さも変わると思うので何度でも観てください」と呼びかけた。

「COME & GO カム・アンド・ゴー」は公開中。

(c)cinemadrifters

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