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吉谷彩子がお仕事ドラマで引っ張りだこ!? 『陸王』から『ハケンの品格』までの飛躍

リアルサウンド

20/7/20(月) 8:00

 篠原涼子主演のドラマ『ハケンの品格』(日本テレビ系)で、大前春子(篠原涼子)らとともに、S&Fの派遣社員として働く福岡亜紀を演じる吉谷彩子。先日放送が終了した『探偵・由利麟太郎』(カンテレ・フジテレビ系)でも、第4話からの出演ながらも、重要な役回りを担った。お仕事ドラマを中心に、様々なドラマで見かけるようになり、認識し始めた方も増えてきているのではないだろうか。

【写真】『グランメゾン東京』での松井萌絵役

 吉谷が注目され始めたのは、転職サイト「ビズリーチ」のCMである。初めてCMが放送されたのが2016年2月ではあるが、未だにCMに出続けている。女性社員役として出た同CMが、彼女のお仕事ドラマのイメージの始まりだったのかもしれない。

 CMで話題を呼んだ彼女が、女優として多くの人に認識されるようになるきっかけとなった作品は、『陸王』(TBS系)での仲下美咲役だろう。役所広司演じる宮沢紘一が代表を務めるこはぜ屋で働く最年少の従業員であり、先輩からも可愛がられる素直で愛嬌がある役柄を見事に演じ切った。そして、最終的には社長の息子である大地(山崎賢人)を密かに想い、陰ながら支えるヒロイン的存在としても大活躍だった。

 その後、さらに彼女が女優として躍進することとなった作品が、『陸王』と同じく日曜劇場枠のドラマ『グランメゾン東京』(TBE系)での松井萌絵役である。『陸王』での純朴なキャラクターとは打って変わって、自分は世界一のパティシエであると絶対的な自信を持っている、少し生意気なキャラクターだ。『陸王』美咲役のような純朴なイメージとは真逆のような役だが、ふてくされたときの表情や軽いノリが見事に様になり、役に溶け込んでいた。

 数あるシーンの中で、より凄さを感じたのは、納得ができるデザートを作ることができないときに、思い悩んでいる姿だ。今までパティシエとして褒められてきた萌絵の初めての挫折。認められない中で、普段の自信満々で怖いもの知らずな姿とは違う、悔しそうに思い悩む姿を違和感なく表現し、そのギャップに心打たれる人も多かったであろう。名だたる俳優陣との共演ではあったが、負けず劣らずの作品をリードする存在感を見せた。

 そして、日曜劇場の2作を経ての『ハケンの品格』への抜擢である。今回の役柄は、派遣契約が切られることを恐れて、なかなか自分を出すことができない派遣社員の役。周りに気を遣い、任されていること以上に、会社に貢献しようと健気に奮闘する姿に、つい応援したくなるような人柄だ。

 第1話では、いきなり彼女が軸となる話が繰り広げられた。人事部の墨田(松尾諭)からセクハラを受ける亜紀は、周囲には打ち明けられずに我慢の日々を過ごしていた。その一部を目撃した後輩の小夏(山本舞香)が、人事部にその件を報告するも、亜紀の方から誘惑したのではないかとあらぬ疑いをかけられるのだった。

 怒りを前面に出し切ることができず、悔しさを静かに抱えながら、涙を浮かべる吉谷。その表情からは、彼女の会社に対しての思いがひしひしと伝わってきた。以降は春子を慕うようになり、1シリーズで加藤あいが演じていた森美雪を彷彿とさせる人物像だ。

 また、小夏とのシーンでは、時にお姉さんのように頼られる存在でありながら、同期のような気さくなやりとりが繰り広げられる。立ち位置を自由自在にコントロールすることができるのも、彼女の手腕があってこそだろう。

 新たな役を演じる度に引き出しを増やし、役に溶け込んでいく吉谷彩子。今後も目が離せない。

※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記

(岡田拓朗)

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