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けやき坂46 加藤史帆、グループを引っ張る存在に 「ハッピーオーラ」センター抜擢に感じた意義

リアルサウンド

18/8/9(木) 8:00

 けやき坂46(ひらがなけやき)の1stアルバム『走り出す瞬間』ではソロ曲「男友達だから」を歌い、8月15日にリリースされる欅坂46の7thシングル『アンビバレント』に収録されている、ひらがなけやき唯一の新曲「ハッピーオーラ」ではセンターを務めている加藤史帆。今、ひらがなの中で最も注目を集めているメンバーの一人だ。そこで今回は、美しきコメディエンヌとしてバラエティ番組で活躍してきた加藤が、パフォーマンス面でもグループを引っ張る存在となった経緯を振り返りつつ、改めて彼女の魅力について考えたい。

(関連:けやき坂46 加藤史帆はグループを引っ張る存在に? 自称“最強”のキャラクターを考察

 加藤の魅力といえば、クールな見た目とは裏腹にユーモアのある性格というギャップだろう。たとえば、カメラの前でも迷うことなく変顔を連発したり、テンションが上がると動きが面白くなったりする。また水やそうめんを噴射するなど、リアクション女王としてのバラエティセンスも抜群だ。しかし彼女の本当の魅力は、実は泣き虫で、グループのことを一生懸命考えているというエモーショナルな部分にある。

 昨年のひらがなけやきは、漢字欅のアンダーグループ的なポジションで行き先が見えず、さらに2期生の加入もあり、人一倍自分たちの存在意義を問う期間だった。ひらがなけやきの創設者と言える長濱ねるが漢字専任で活動することを発表した直後のブログで加藤は、「ひらがな一期生のお姉さん組としてみんなを引っ張っていけるくらいの存在になれるように頑張ります!」(引用:加藤史帆 公式ブログ)と熱く綴り、2017年を振り返るブログでは「来年はもっとひらがなけやきを多くの方に知っていただけるように、ひらがな特攻隊長になれるように頑張ります!」と目標を立てていた。それを有言実行するかのように加藤は、バラエティ番組や各メディアで活躍することで、ひらがなけやきの魅力を少しずつ世間に広めていった。

 1stアルバム『走り出す瞬間』のリリースイベントをSHIBUYA TSUTAYAで開催した際には、ワンフロアがひらがなけやき一色になっていた。そんな中、佐々木美玲が「長かったね」と一言呟くと、表ではいつも明るく振る舞っていた加藤が号泣する姿も。彼女の努力が報われた瞬間は実に感動的なものであった。

 もともと魅力的で艶のある歌声はファンの間では定評があり、欅坂の1stアルバム『真っ白なものは汚したくなる』のTYPE-A(DISC2)に収録された、加藤、潮紗理菜、齊藤京子、佐々木久美、高本彩花によるひらがなの初ユニット“りまちゃんちっく”の「沈黙した恋人よ」では、齊藤京子と並びその歌唱力の高さを知らしめる。そしてひらがなけやきの集大成とも言える今年の武道館公演で披露された「イマニミテイロ」では、センターの佐々木美玲を挟む形で、「それでも歩いてる」のセンターを務めた齊藤京子と3人で一緒に歌い出すというポジション。ソロパートでも齊藤京子の独特の低音ボイスを見事に受けきり、実に心地良い歌声の連携だった。

 そしてこの3人は、『走り出す瞬間』ではソロ曲が与えられている。加藤が歌う「男友達だから」は、欅坂の中では珍しくしっとりと歌い上げるバラードナンバー。加藤の艶のある歌声が見事にハマり、彼女の魅力を最大限に引き出している。感動を呼ぶ、映画やドラマのエンディングのようなこの名曲を、加藤はライブでもしっかりと歌い上げた。歌姫としても開花した印象だ。

 同曲について加藤は、SHOWROOMで「何でそんなに歌上手いのって言われるけど、自信がなくて、ただ一生懸命歌いました。きょうこ(齊藤京子)とかみーぱん(佐々木美玲)みたいに習っていたわけじゃなくて、本当に全力をだしました。レコーディングは本当に酸欠になりました。それぐらい心をこめて頑張って歌いました」と語っている。ほかの二人はひらがなけやきに入る前から歌の経験があるメンバー。しかし、加藤はひらがなけやきに入る前は普通の学生生活を送っていた。乃木坂に憧れ、アイドルに憧れながらも自信がなく、なかなかオーディションを受けることができなかったときに、『欅って、書けない?』(テレビ東京系)で“けやき坂46のメンバー募集”の告知を見て、応募したという。コンビニで高速レジ打ちをしていた坂道ファンの学生が、ひらがなのメンバーとして一流のアイドルへと成長していく。そんなシンデレラストーリー的な展開もまた魅力的だ。

 今回の「ハッピーオーラ」ではセンターを務めている加藤。グループへの貢献度や人気に加え、ソロ曲で歌唱力の実力も立証されているため、順番が回って来たのも納得だ。『BUBKA』8月号のインタビューで加藤は「見ていて幸せになるというか、嫌なことを忘れさせてくれる存在が私にとってのアイドルだったので、私たちがライブで頑張っている姿を見て、嫌なことを忘れたりお仕事を頑張ったりする人が増えたらいいな」と、ひらがなのライブに関して語っていた。まさに「ハッピーオーラ」のMVは、加藤が描くアイドル像が具現化されたかのような、働く人を応援するものになっている。与えられる側から与える側になり、両方の気持ちがわかる加藤だからこそ、ひらがなけやきのモットーである「ハッピーオーラ」というタイトルの曲でセンターに抜擢されたことは、とても意義があることのように思う。

 ただ加藤は、“ハッピーオーラ”という魅力はほとんどのアイドルも同じだと考えており、ひらがなけやきならではの良さや強さといった新しい何かを見つけようと模索している。常に一生懸命で結果を残し、現状には満足しない加藤。彼女の存在がある限り、まだまだひらがなけやきというグループは伸びていくことだろう。そして、加藤自身も歌姫としてもっと大きく羽ばたいてくに違いない。(文=本 手)

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