LiLiCoのこの映画、埋もらせちゃダメ!
『テルマ』は北欧諸国の映画の特徴を見事に融合させた作品
月2回連載
第7回
『テルマ』
皆さんご存じだと思いますが、私の出身はスウェーデン。日本ではよく“北欧映画”とざっくりくくられてしまう北欧諸国の映画ですが、スウェーデンで育った私からすると、それぞれの国によって全然特色が違うんですよ。今回はそのいい例、そして埋もれて欲しくない作品があるので紹介します。それが『テルマ』。
製作はノルウェー・フランス・デンマーク・スウェーデンという合作なんですが、舞台はノルウェー。監督のヨアキム・トリアーはデンマーク人ですが、ノルウェーで活躍する監督です。このように、北欧諸国は隣接していることもあって、その境が曖昧に見えてしまう。それが日本で“北欧映画”と呼ばれてしまうゆえんなんでしょうね(笑)。この作品はノルウェーお得意のホラー&スリラー、デンマークお得意のミステリー、それに北欧4カ国中で一番洗練されているスウェーデン(私の故郷だし!)の特徴を見事に融合させていると思います。