Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

Saucy Dog、とっておきの愛と感謝を届けた初の日本武道館ワンマン

ナタリー

21/2/8(月) 18:57

Saucy Dog「Saucy Dog one man live『send for you』」の様子。(撮影:白石達也)

Saucy Dogが2月5日に東京・日本武道館でワンマンライブ「Saucy Dog one man live『send for you』」を行った。

Saucy Dogが日本武道館で単独公演を行うのは今回が初。「send for you」というタイトルに沿って各座席には3人からの手紙が添えられ、バンドはさまざまな楽曲の演奏を通してファンや関係者に感謝を届けた。なお本公演は会場の収容人数の制限、アルコール消毒や検温、分散入場と規制退場などの、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策を講じたうえで実施された。

冒頭にはメンバーが手紙を書く様子や、本公演の会場設営の模様を切り取った映像がオープニングムービーとして上映された。観客が期待感を募らせる中、石原慎也(Vo, G)による「あなたに届けます」という力強い一言から、ライブはエネルギッシュな「真昼の月」でスタート。さらにバンドは「雀ノ欠伸」「ナイトクロージング」とアップテンポなナンバーを連投し、生き生きとしたステージングを繰り広げた。「煙」の演奏からはメンバーの纏う雰囲気が変わり、会場にエモーショナルなムードが漂う。石原が感傷的な歌詞をじっくりと歌いあげ、せとゆいか(Dr, Cho)は寄り添うようにコーラスを重ねた。また本公演では特効や彩り豊かな電飾、ライティングでも楽曲の世界観が表現されていた。そのうちの1つが「BLUE」の演出。タイトルにちなみ“BLUE”の電飾がメンバーの頭上を彩り、足元にはスモークが焚かれて幻想的な光景が生み出された。

秋澤和貴(B)が奏でるユルいフレーズで始まる「曇りのち」では、せとが「全員が同じ方向に動けば隣の人に当たらないので!」と、観客同士が接触しないように配慮した指導を行う。これを受けて観客は息ぴったりに体を揺らし、ゆったりとした演奏を堪能した。MCでは石原が「send for you」というタイトルに込めた思いを説明。「『あなたに届ける』という意味で、今まで関わってくれたすべての人たちに感謝を届けるライブにしたいなと思っております」と語る。続けて彼の「その中でもまずは、一番近くで幼い頃からずっと見守ってくれた、感謝してもしきれない、僕らの両親に向けての曲を」という言葉から、3人は「Humming」を丁寧にパフォーマンス。ステージ上のビジョンには、メンバーが河川敷を歩いたり、キャッチボールをしたりする和やかな映像が映し出された。

中盤にはSaucy Dogのワンマンライブでおなじみとなっているアコースティックコーナーが用意された。これまではこのコーナーで2曲披露されることが多かったが、今回は3曲がセットリストに組み込まれた。中でもハイライトとなっていたのは、せとのMCからつながる「へっぽこまん」の演奏。彼女は大学時代に軽音部に所属しており、その際にこの曲を作ったことや、この会場に軽音部の友人が来ていることを明かし、「たくさんの人に感謝を伝えたい。家族の次は友達とか、先輩後輩、身近にいてなんでも話せるような仲間たちに届けたいなと思っているので、そういう気持ちを込めて歌います」と前置きして、透明感あふれる歌声を響かせた。アコースティックコーナーの余韻を残したままバンドセットへ戻ると、石原がバラード「コンタクトケース」を歌い始める。観客は3人の奏でる繊細な音色に静かに耳を傾けていた。

終盤の「ゴーストバスター」ではステージの上から火花が降り注ぎ、「バンドワゴンに乗って」ではバンドワゴンとメンバーが登場する映像が流された。続いて石原の「ここにいるみんなに、とっておきの愛の歌を」という前振りから、バンドは新曲「sugar」を披露し、柔らかなサウンドで会場を包んだ。そして本編最後にスケール感のある「今更だって僕は言うかな」をパフォーマンスしてステージをあとにした。

ここで石原が自身の地元・島根を巡る映像が届けられたあと、再び3人がステージに登場。アンコール1曲目として「いつか」をセレクトして、石原の豊かな声量でファンを圧倒した。バンドは最後に明るい曲調の「猫の背」を届けて、晴れやかな表情で本公演の幕を下ろした。

Saucy Dog「Saucy Dog one man live『send for you』」2021年2月5日 日本武道館セットリスト

01. 真昼の月
02. 雀ノ欠伸
03. ナイトクロージング
04. 煙
05. メトロノウム
06. シーグラス
07. 結
08. BLUE
09. 曇りのち
10. Humming
11. 寝ぐせ
12. へっぽこまん
13. film
14. コンタクトケース
15. 雷に打たれて
16. ゴーストバスター
17. バンドワゴンに乗って
18. sugar
19. 今更だって僕は言うかな
<アンコール>
20. いつか
21. 猫の背

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む