これは面白い！　フィンランドを舞台に、普通はあまり知らない北のド田舎の香りをたっぷり味わえ、意表を突く展開の連続に、最後までジェットコースターで楽しめる快作ロック・ムービー。 実は北欧はヘヴィメタルが盛ん。メタル大国フィンランドを舞台に、12年も自宅スタジオで練習を続ける生真面目メタルバンドの話。カバー曲ばかりして未だ人前で演奏したことがない？という朴訥なメンバーたちが、突然オリジナル曲を作ることを決心。巨大フェスを目指して次々と巻き起こす、おっちょこちょいでヒョウキンな出来事。全くわざとらしさがなく、まるで友達のバンドの様を見ているような親近感。 何せ彼らのジャンル名からしておかしい。「終末シンフォニック・トナカイ粉砕・反キリスト・戦争推進メタル」である。メタルになじみもない人も、バンド活動のリアルで細かなエピソードを通して「そうか？　こういう風にメタルは作られるのか？」と理解を深めながら、終わるころにはすっかりデス・メタルにハマってしまうかもしれない。 フィンランドを代表するヘビーメタルバンド「ストラトヴァリウス」のラウリ・ポラーが音楽を担当しているだけに、そのサウンドは確かなもの。全編に繰り広げられるフィヨルドの風景は、見知らぬ国の大自然をタップリと味あわせてくれる。限りなく広い北限の海と山の風景をしっかりと観光し、タップリ笑える大満足作品だ！