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青くて痛くて脆い

20/8/26(水)

青くて痛くて脆い (C) 2020「青くて痛くて脆い」製作委員会

いや~驚いた。圧倒された。キラキラ映画の長いブームの終焉とともに、こんなにシャープで刺激的な青春ムービーが登場するとは思っていなかった。常に一歩引いた安全圏から他者を蔑むように、上から目線で観察。自分のことが誰よりも大事で、相手のことを思いやれず、危険を察知すると攻撃に転じる。そんな主人公の青年・楓の思考と行動は、タイトルが示すいまの時代を生きる若者(若者に限らないかもしれないが……)の精神構造を生々しくストレートに炙り出すから、彼と似たような生き方を知らず知らずしてしまっている人は心を深くえぐられるに違いない。 住野よるの同名の原作小説にもある物語上の“嘘=トリック”を映画的な表現に上手く落とし込んでいるのも見事だが、本作の成功は楓に扮した吉沢亮、楓の心をかき乱すヒロイン・秋吉を演じた杉咲花の、役柄の人物にしか見えない本物の芝居によるところが大きいのは言うまでもない。 特に、対峙したふたりの顔をカメラ目線で交互に映すクライマックスは圧巻だ。あるひと言を吐き捨てるように言う杉咲の発声と表情、その言葉で破壊される吉沢の他では見られない歪んだ顔。スリリングな心理バトルにドキドキしながらも、彼らの実力を最高のパフォーマンスで体感できて幸せな気分に。いまの時代にフィットした、こういう青春映画を待っていた!!

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