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ラグビーW杯に並ぶビッグイベント! 日本代表、歴史的ライオンズ戦へいざ!!

ぴあ

ラインアウトからのマイボールを獲得するリーチ マイケル (c)スエイシナオヨシ

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ラグビー界には特別な戦いがふたつある。ひとつは言わずと知れた『ラグビーワールドカップ(RWC)』である。4年に一度、ウェブ・エリス・カップをめぐる最強決定戦は世界中のラガーマンがターゲットにする。そしてもうひとつがブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズツアーである。4年に一度結成される英国ドリームチームは選出されるのはもちろん、対戦する南半球のスター選手にとってもこの上ない名誉とされる。

B&Iライオンズとはイングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドのホームネーションズの代表選手を選抜した英国オールスターチームのこと。その歴史は『RWC』をはるかに凌駕する。

第1回『RWC』がオーストラリア&ニュージーランドで開催されたのが1987年であるのに対し、イングランド・スコットランド・ウェールズから構成されたチームが豪州&NZ遠征へ旅立ったのは1888年。『RWC』よりじつに100年も前からライオンズは活動を開始していたのだ。

その後1910年の南アフリカ遠征で初めて4つのホームネーションズの代表選手が参加し、1950年のNZ&豪州遠征から正式にライオンズの名称が使用されるようになった。4年に一度編成されるチームは英国から多くのファンを引き連れてニュージーランド、オーストラリア、南アフリカへ4年ごとに遠征を行い、代表チームや州代表、クラブチームと対峙する。オールブラックス、ワラビーズ、スプリングボクスの代表選手と言えどライオンズと対戦できるのは12年に一度、そうライオンズ戦は一生に一度あるかないかという貴重なチャレンジなのだ。

しかも、ライオンズがホームで試合を行うのは1986年の世界選抜戦、2005年のアルゼンチン戦に続き3度目。ホームでのテストマッチとなると今夏の日本戦が初めて。まさしく今回の一戦は歴史的一戦なのだ。日本代表の選手たちはライオンズと対戦できる喜びを口々に語った。

フランカー(FL)リーチ マイケル主将「ライオンズ戦は特別な試合になる。欧州でライオンズは名誉あるチーム、覚悟を持ってやってくるチームと選手なので、僕たちもその覚悟に負けないようにしたい。これまでライオンズは一発目の試合は苦労しているので、そういう面で自分たちにチャンスがある。自分たちのアタックが優位になると思う。楽しみ」

プロップ(RP)具智元「人生に一回あるかないかのチャンス、すごいうれしい。相手はすごく大きく強いので、(スクラムは)8人で固まって相手よりも早く低い体勢を作って組みたい」

ロック(LO)ヴィンピー・ファンデルヴァルト「一生に一回のチャンス。それを日本代表としてプレーできるのは楽しみ。相手のLOにはアラン=ウィン・ジョーンズやマロ・イトジェがいる。自分を試せるいいチャンス」

FLピーター・“ラピース”・ラブスカフニ「ライオンズは4年に一回、NZ、豪州、南アを12年に一度のサイクルで回る特別なイベント。前回南アに来た時、観に行った。素晴らしかった。すごくスタンダードの高い試合だったと覚えている。そのライオンズと日本代表が対戦できるのは貴重な機会」

ナンバーエイト(NO8)アマナキ・レレイ・マフィ「僕にとってもう一回『RWC』があるイメージ。ワンチャンスしかない。日本はすごいラッキー。一生で一回のチャンスしかない。僕もうれしいし、日本のファンもうれしいと思う」

NO8姫野和樹「もともとライオンズと試合をすると決まった段階で出たいと思っていた。なかなか時間がない中でもライオンズ相手にどれだけやれるか知りたいし、やっぱり光栄なこと。こういう状況だが、言い訳なしでやっていきたい」

スタンドオフ(SO)田村優「ライオンズと試合するのは『RWC』と同じような夢、ラグビー選手として楽しみ」

SO松田力也「ライオンズはみんな名の知れた選手。SOの3人はどの選手がきても経験値があって素晴らしい選手なので、誰が出てきても楽しみ」

ウイング(WTB)レメキ ロマノ ラヴァ「ライオンズは強い。『オリンピック』もクリアした、『RWC』もクリアした、これでライオンズ戦を経験したら、このままラグビー選手を引退してもいいくらい」

WTB/フルバック(FB)松島幸太朗「本当に楽しみ。やっぱり、ライオンズとできる機会はないし、緊張もすると思うがワクワクの方が高い。毎週のように『プレミアシップ』を見ていたので、どういうプレーをするかはわかる。そういうスター選手とやるのは楽しみ。(誰との対戦が楽しみかという質問に)みんなビッグネームばっかりなんで絞り切れない」

WTBシオサイア・フィフィタ「ワクワクしている。ライオンズと試合をするのはこれで最後かもしれない、チャンス。僕もその試合でメンバーに入れるよう、日々の練習で努力していきたい」

シオサイア・フィフィタ(c)スエイシナオヨシ

リスペクトはあっても戦う以上は勝つつもりだ。英国遠征からチームに合流した姫野と松島はライオンズ戦での勝利を誓った。

姫野「時差も全然違うし、ロングフライトだけど(ニュージーランドでの『スーパーラグビー トランス・タスマン』プレーオフ決勝後に渡英、24時間以上のフライトとなるも)、そこでアジャストするのがプロフェッショナルだと思うし、自分の力を100%出すのがプロフェッショナル。そこに甘えはいらない。最初から負けるつもりで準備する選手はいない。勝つつもりでやる。本当に勝つ気で準備しているし、勝てると信じている」

松島「選手としてはこの先ないかもしれないし、いつあるかわからないし、そう考えると大切な一戦。もし日本が勝てればライオンズも次の試合を考えてくるかもしれない。この一戦は日本ラグビーにとっても重要な一戦。この一戦で自分がいいプレーをすればまた注目されると思うし、ライオンズに勝つことができればチームとして注目される。相手もそうだが、まず自分たちにフォーカスを当てて、どうすれば勝てるか。キックが多くなりそうな9・10番(コーナー・マレーとダン・ビガー)なので、そこはバックスリーとして気を付けたい。9番はハイボールを蹴り、相手も詰めてくると思うので、キャッチする人をしっかりサポートすることが大事。チャンスがあれば展開ラグビーをできるし、キッキングゲームもできる。スマートにやり、自分たちの攻撃する時間を増やしたい」

日本代表の試合登録メンバーは以下の通り。
1稲垣啓太(パナソニック)、2坂手淳史(パナソニック)、3具智元(Honda)、4ヴィンピー・ファンデルヴァルト(NTTドコモ)、5ジェームス・ムーア(宗像サニックス)、6リーチ マイケル(東芝)、7ピーター・ラブスカフニ(クボタ)、8アマナキ・レレイ・マフィ(キヤノン)、9茂野海人(トヨタ自動車)、10田村優(キヤノン)、11シオサイア・フィフィタ(近鉄)、12中村亮土(サントリー)、13ラファエレ ティモシー(神戸製鋼)、14松島幸太朗(クレルモン/フランス)、15山中亮平(神戸製鋼)、16堀越康介(サントリー)、17クレイグ・ミラー(パナソニック)、18ヴァル アサエリ愛(パナソニック)、19ジャック・コーネルセン(パナソニック)、20姫野和樹(トヨタ自動車)、21テビタ・タタフ(サントリー)、22齋藤 直人(サントリー)、23松田力也(パナソニック)

6月24日、ジェイミー・ジョセフHCはライオンズ戦のメンバーについてこのように説明した。
「メンバーを変えたと言うよりサンウルブズ戦からコンビネーションを見てみたいポジションでメンバーが代わっている。PRは具がケガでサンウルブズ戦は出られなかったがコンディションが戻ってきたので問題ない。アウトサイドバックスはシオサイアがサンウルブズ戦でインパクトを残してくれたので彼にチャンスを与えようと起用した。新しいメンバーにも今年チャンスを与えていきたいと思っている」 指揮官は遅れて合流した松島と姫野への信頼も口にした。
「一緒にプレーすることは長いことできなかったが、彼らふたりはフランスとNZですごく成長は加速させた。姫野には後半にインパクトを与えてほしい。ティアI相手に80分間プレーし続けるのは難しい。後半からしっかりインパクトを残すことを期待している」

ジョセフHCは勝敗の鍵にセットピースを挙げた。
「チームとしてこのような大きな試合をする時はベーシックのことを正しくやることが大事。セットピースではしっかりフォーカスしないといけない。スクラム、ラインアウトでプレッシャーをかけてくるだろう。それからキッキングゲームでもプレッシャーをかけてくるはずだ。ただ我々にもゲームプランがある。チャンスがきた時にしっかりゲームプランを遂行して仕留めないといけない。試合の中でチャンスはそう何回もこないだろう。なかなかこないチャンスをしっかり担う自信はある。しっかり集中し続けることが大事」

対するライオンズの試合登録メンバーは以下の通り。
1ローリー・サザーランド(スコットランド)、2ケン・オーウェンズ(ウェールズ)、3タイグ・ファーロング(アイルランド)、4イアン・ヘンダーソン(アイルランド)、5アラン=ウィン・ジョーンズ(ウェールズ)、6タイグ・バーン(アイルランド)、7ジャスティン・ティプリック(ウェールズ)、8ジャック・コナン(アイルランド)、9コーナー・マレー(アイルランド)、10ダン・ビガー(ウェールズ)、11ドゥーハン・ファンデルメルヴァ(スコットランド)、12バンディー・アキ(アイルランド)、13ロビー・ヘンショウ(アイルランド)、14ジョシュ・アダムズ(ウェールズ)、15リーアム・ウィリアムズ(ウェールズ)、16 ジェイミー・ジョージ(イングランド)、17ウィン・ジョーンズ(ウェールズ)、18カイル・シンクラー(イングランド)、19コートニー・ロウズ(イングランド)、20タウルペ・ファレタウ(ウェールズ)、21アリ・プライス(スコットランド)、22オーウェン・ファレル(イングランド)、23アンソニー・ワトソン(イングランド)

ライオンズを率いるウォーレン・ガットランドHCはアイルランド代表7名、ウェールズ代表6名、スコットランド代表2名というスタメンを並べた。キャプテンはウェールズ代表148キャップ、ライオンズ9キャップの世界最多157キャップを誇るアラン=ウィン・ジョーンズである。アイルランド代表89キャップのスクラムハーフ(SH)マレーとウェールズ代表92キャップのSOビガーがハーフ団を形成し、『シックスネーションズ2021』トライ王・ファンデルメルヴァと『RWC2019』トライ王・アダムズが両翼を担う。イングランド代表SO/センター(CTB)のファレル主将がフィニッシャーに回る豪華さだ。

『ラグビー日本代表リポビタンDツアー2021』日本代表×B&Iライオンズは6月26日(土)・スコットランド・エディンバラのマレーフィールドスタジアムにてキックオフ。試合の模様は日本テレビ系にて生中継。日本代表はその後7月3日(土)・アイルランド・ダブリンのアビバスタジアムにてアイルランド代表戦を行う。こちらはBS日テレにて生中継。ライオンズは日本戦の後に南アフリカツアーを実施。7月3日(土)・ライオンズから8月7日(土)・南アフリカ代表戦まで8試合を戦う。

取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)

チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2171036

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