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吉田恵輔がTIFF会見で塚本晋也への憧れ語る、市山尚三は「空白」を絶賛

ナタリー

第34回東京国際映画祭記者会見の様子。左から市山尚三、吉田恵輔、安藤裕康。

第34回東京国際映画祭の記者会見が本日10月5日に東京・日本外国特派員協会で行われ、映画監督の吉田恵輔と同映画祭のチェアマンである安藤裕康、プログラミングディレクターの市山尚三が出席した。

「コロナを超えたその先の映画の在り方を考えていく」「国際映画祭として『国際』色を高めていく」「男女平等、環境保全などSDGsへ積極的に取り組んでいく」という目的を踏まえつつ、今回は「越境」というコンセプトを掲げている本映画祭。メイン会場を六本木から日比谷、有楽町、銀座エリアに移転し、プログラマーの交代による部門改変も行われた。

安藤は「映画祭にとっていい作品を集めることが重要。その観点からプログラミングディレクターを市山さんにお願いしました。よりよい作品を上映できるよう努力してくださっています」と紹介し、「社会が直面している課題。ジェンダーについてや、配信とどう向き合うか? また人と人との分断。こういったものを映画祭を通して考えていきたい」と思いを伝える。

「日本映画を発見してもらう場所としての機能を果たしたい」と語る市山は、新たに立ち上げられた「Nippon Cinema Now」について「今年製作された日本映画の中でもっともすばらしいと思うものを上映する部門です」と説明し、「セレクションするうえで心がけたのは、海外に出て行ってほしい、海外の人に発見してもらいたい映画を選ぶことでした」と述懐。同部門で吉田の特集を組んだ理由を市山は「吉田監督はクオリティの高い作品を作られているのに、あまり特集上映が行われていないことに気付いたんです。監督の『空白』という作品は今年の日本を代表する1本。この作品が上映されているタイミングで特集を組みたいと思いました」と明かし、「海外の人にこういう監督がいることに気付いてもらって、外国で上映される機会ができることを期待しています」と口にする。

吉田は「僕は塚本晋也監督の照明スタッフとして、近くで天才を見てきたんです。世界中で評価を受けていることに憧れていました。天才が近くにいると、自分は選ばれる人間じゃないのかなと不安に思ったりもしたのですが、こうやって選んでいただいたり、応援していただいたりしたことをきっかけに世界の方に知っていただければ」と期待を込める。続けて塚本の魅力を問われた吉田は「僕が20歳ぐらいの頃は尖っていたこともあって、日本映画ってダサいなと思っていたんです。でも塚本監督の『鉄男』を観て、日本でこんなに“世界に負けないぞ”っていうかっこいい映画を作る人がいるんだ!と思いました。日本映画の素晴らしさに気付いたんです」と思い返した。

会見中盤には記者から質問が飛ぶ場面も。東京国際映画祭と東京フィルメックスが連携を強めていることに関連し、「両映画祭の特色がごちゃ混ぜになる懸念はないのか?」と尋ねられた安藤は「それぞれが特色を持った2つの映画祭。連携することによって、素晴らしいものができるようにという考えにもとづいています」と回答。また「オープニングの『クライ・マッチョ』やクロージングの『ディア・エヴァン・ハンセン』などTIFFの上演作を観てもらえれば、確実にフィルメックスとは特色の異なるラインナップだということがわかると思います」と言及した。

第34回東京国際映画祭の上映スケジュールは10月上旬に発表予定。チケットは映画祭公式サイトでのメルマガ会員向け抽選販売、先行抽選販売に続き、10月23日より、部門別に一般販売される。

※吉田恵輔の吉はつちよしが正式表記
※塚本晋也の塚は旧字体が正式表記

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