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THE RAMPAGE RIKUの「音楽大陸」 Vol.2(前編) J-POPを愛する俳優・城田優

ナタリー

20/12/4(金) 11:00

左から城田優、RIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)。

THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのボーカル・RIKUさんの連載「音楽大陸」。Vol.2には俳優として活躍しながら歌手としての一面も持ち、12月2日にカバーアルバム「Mariage」をリリースした城田優さんをお招きしました。音楽番組などでの共演はあるものの、じっくり向き合って話すのは今回が初めてだという2人は「Mariage」を軸にJ-POPの魅力についての話で大盛り上がり。制作当初は「Mariage」に収録予定ではなかったというGLAY「カーテンコール」が追加収録された理由にRIKUさんは大興奮の様子でした。その理由とは。

取材・文 / 清本千尋 撮影 / 高田梓

お世辞抜きに言うけど…

RIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE) 今日はよろしくお願いします。

城田優 よろしくお願いします。

RIKU うちの(川村)壱馬や(武知)海青が優さんと仲良くさせてもらっていると聞いています。

城田 海青はGround Yというブランドのビジュアル撮影で現場が一緒になったんですよ。

RIKU あー! ありましたね! 2017年でしたっけ?

城田 そうそう。壱馬は志尊淳が紹介してくれて。うちに遊びに来たこともありますよ。

RIKU そうなんですね! ライブも来ていただいていますよね?

城田 うん。去年のツアーに志尊と一緒に観に行かせてもらって。

RIKU そういうつながりだったんですね。僕らのライブはどうでしたか?

城田 お世辞抜きに言うけど……すごくよかったよ! ボーカルの3人が本当に歌がうまくて驚いた。THE RAMPAGEのライブで受けた第一印象はそこだね。ダンスボーカルグループってボーカルも踊るから歌までは完璧じゃない……と言うと語弊があるかもしれないけれど、歌唱力にめちゃくちゃ期待するかというとそうではないというか。THE RAMPAGEのボーカルは全員歌がうまくて、パフォーマーのみんなのパフォーマンスもよくて、観ていて楽しかった!

RIKU 本当ですか! それが聞けてとっても気分がいいので今日の対談終わっていいですか?

城田 あはは(笑)。そんなこと言わないでまだまだ話そうよ。本当に感動したよ。ボーカル3人のステージの曲があったじゃない。3人で別々の場所に立って歌う……。

RIKU 「Starlight」ですかね。

城田 そうだと思う。あの曲はよかったね。あとはもう会場のファンの熱気にやられた。志尊と2人で「すっごいね……」って言ってたよ。なんかもう「キャー!」の質が違うのよ。僕も昔はああいう悲鳴を浴びていたけれど、今ファンの方の前に出ていくのはミュージカルとかだからなのか、「キャー!」じゃなくて「はあ……」なんだよね(笑)。

RIKU 「はあ……」って、きっと感動しての「はあ……」ですよね。優しい感じの。

城田 うん。だからさ、THE RAMPAGEのライブで聞いた「キャー!」には懐かしさを感じたね。

ミュージカルは役として、歌手は城田優として

RIKU 優さんは今ミュージカル「NINE」にご出演されていますよね(取材は11月中旬に実施)。映像も少し観させていただいたんですが、コメディチックなシーンもシリアスなシーンもあって、優さんのいろんな表情を見ることができるミュージカルなんだなと思って。優さんはミュージカルでも歌って、歌手としてポップスも歌っているわけですけど、ひとくくりに“歌”とはいえミュージカル俳優として歌うときと歌手として歌うときに歌い方や声の出し方に違いはあるのでしょうか?

城田 それは明確にあるね。まずミュージカルのときは演じる役の声を自分で作るんですよ。とはいえ1人の声だから百変化なんて当然できないけれど、自分では使い分けているんだよね。RIKUくんはアニメが好きでしょう? アニメの声優さんはたくさんのキャラクターの声を自分なりに作って演じ分けていくわけじゃない。僕がミュージカルで役を演じるときもそれと同じで、例えばギャングの役だったら強面っぽい表情を作って低い声で「おい」って言う。歌うときはその「おい」の声のまま歌うみたいな感じ。ミュージカルはセリフからそのまま歌に入っていくから、役の声のまま歌うほうが自然なんだよね。

RIKU なるほど。逆に歌手として歌うときは何か意識していますか?

城田 ミュージカルと違って役を演じてるわけじゃなくて城田優として歌っているから、自分の歌声で歌うようにしているよ。

RIKU 優さんの歌手としてのルーツにあるアーティストやジャンルも知りたいです。

城田 ジャンルはやっぱりJ-POPだよ。世代的に自分が音楽を聴くようになった小学生の頃は、V6がデビューしたタイミングで。ドラマにも出て歌も歌うV6の姿に「うわ、カッコいいな。僕もお芝居をしたいし、歌いたい!」と思ったんだよね。で、そのあとハマったのは宇多田ヒカルさん。若い頃から自分で作詞作曲してアレンジも手がけていて本当にすごいなと思っていて。本当にずっとリスペクトしてる。あとMr.Childrenも大好き。

RIKU カバーアルバム「Mariage」でも宇多田さんの「First Love」をカバーされてますもんね。「Mariage」はただのカバーアルバムではなく選曲をJ-POPに限定した作品ですけど、優さんから見てJ-POPの魅力ってなんだと思いますか?

城田 J-POPの定番の展開って、スッと入ってくるAメロがあって、Bメロで「このあとどうなるの?」って期待させて、いよいよサビに入っていくじゃない。あの抑揚がJ-POPのよさだと思うんだよね。自分自身J-POPが好きだから自分で曲を作るときも同じようにA、B、サビ、Cメロと展開させていて。洋楽って展開があまりなくてループしていることが多いから、メロとサビがあるのはJ-POPの特徴だよね。でも自分的にはループの中にグッとくるメロディを乗せられるとテンションが上がったりもして。

RIKU 今、日本で売れている楽曲は多くても8個ぐらいしかコードが出てこなくて、Aメロで使っていたコード進行がサビやBメロにも使われて、1カ所だけマイナーコードになるみたいなものが多いですよね。LiSAさんが歌っている「紅蓮華」なんかもそう。

城田 僕はあまり日本のアニメは観ていないんだけど「鬼滅の刃」の曲?

RIKU はい。今、日本で人気の曲を聴いてみるとコード進行や構成がシンプルなものが多いんです。コードを4つしか使わない曲も普通にあったりして。音楽をやっている人じゃなくても本能でわかる気持ちよさが続く曲が今の日本でウケる曲なのかなと僕は分析しています。ちょっと話は戻りますけど、僕も優さんがおっしゃったようなことがJ-POPの魅力だと思っていたので、優さんと同じ考えだったことがうれしい(笑)。

違うアプローチに城田優のエッセンスを加えて

RIKU 「Mariage」はどんなコンセプトで作られたんでしょうか?

城田 「Mariage」っていう言葉の意味は知ってる?

RIKU はい、ワインが好きなので。

城田 それなら話が早いね。でもこの記事を読む人にもわかってもらえるように説明するのであれば、「Mariage」って例えばワインとチーズみたいな、2つのものが掛け合わさることで、別々に楽しむよりもおいしくなる、何倍も面白いことが起こるという意味の言葉で。それでこのアルバムには、自分が好きだった曲をリアレンジして自分が歌ったらその掛け算でもっと素敵になるみたいな意味を込めた。強いて言うならば原曲のファンに「原曲も好きだけど城田優のカバーもいいね」って思ってもらえたらいいなって。まったく違うアプローチをして城田優のエッセンスを加えたものを作りたかった。

RIKU なるほど。「Mariage」にはプロデューサーとして、ATSUSHIさんなどの曲も作られているUTAさんも参加していますよね。最後に入っているオリジナル曲の「Mariage~君に贈る歌~」もUTAさんのプロデュースで。

城田 UTAくんとは10年ぐらいの仲なんだよ。カバーのアレンジも何曲か一緒にやってもらって、「Mariage~君に贈る歌~」も一緒に作って。1番ではサビに行かず、2番の最後一発だけサビを歌って終わるという超シンプルな曲を作りたいと思っていたからそうリクエストをして作っていきましたね。

RIKUを驚かせた「カーテンコール」収録の理由

RIKU カバーの制作についてもお話を聞かせていただきたいです。

城田 カバー曲のアレンジはとにかく原曲をよりよくするのはどうしたらいいだろうというのをプロデューサーたちと試行錯誤しながら作っていって。中でも「Butterfly」が三拍子になったのはなかなか面白いと思っているし、(木村)カエラちゃんに自信を持ってオススメしたい。きっとどの曲もオリジナルのアーティストに聴いてもらったら「これはいいですね!」と言ってもらえるんじゃないかなと期待するぐらい、自信のある作品になりました。

RIKU カバーアルバムを出すのってけっこう勇気がいるんじゃないかと僕は思っていて。だからこそ名曲ぞろいのこのアルバムはきっと覚悟と気合いが詰まった作品なんだろうと聴く前から思っていました。制作の裏話があれば聞きたいです。

城田 このアルバムは去年録り始めて、今年の5月に出るはずだったんだけど、コロナで一旦その動きが止まっちゃって。その時点ではGLAYの「カーテンコール」のカバーは入っていなかったんですよ。

RIKU 発売までの時間が延びたから追加で収録したんですか?

城田 いや、まさか収録することになるとは思ってなかったんだよね。コロナ禍の自粛期間に音楽で何か自分ができることはないかと考えている中で、誰かとコラボで生配信でもできないかと発信したらGLAYのTERUさんから「一緒にやろうよ」と連絡をいただいて。そんな流れから自分が作った「それでも」という曲をTERUさんと歌って、HISASHIさんがギターを弾いて……という子供の頃からGLAYを聴いてきた自分からしたら夢のようなことがあったんです。

RIKU おお、すごいエピソードですね……。

城田 今回のカバーアルバムに大好きなMr.Childrenやスピッツを入れなかったのは、昔から聴いているアーティストかつボーカルが同性だとやっぱりオリジナルの歌に引っ張られちゃう部分があると思ったからで。だから最初は「カーテンコール」も入っていなかったんだけれど、自粛期間中にGLAYのお二人とご一緒する機会があったので1曲入れさせてもらえないかとTERUさんに電話で直談判したんです。「歌うなら『カーテンコール』か『I'm in Love』で迷っているんですが、カバーさせてください」って。TERUさんはそれを快諾してくれて、GLAYさん総出でアレンジのアドバイスをくれて。本当にすごい話ですよ(笑)。

RIKU すごい! レコーディングにもGLAYのメンバーさんはいらしたんですか?

城田 TERUさん直々にボーカルディレクションをしてくれたんです。

RIKU 豪華すぎ……僕はサザンオールスターズさんがルーツなんですけど、サザンオールスターズさんの曲をカバーすることになって桑田佳祐さんがディレクションしてくれるみたいなことですよね。

城田 まさにそれよ、本当に。小さい頃からGLAYが好きで歌っていて「カーテンコール」は高校時代に毎日カラオケで歌っていたような曲。だからそんな方にディレクションしてもらえるなんて本当にすごい話なんですよ。

RIKU まず電話で直談判できる優さんの度胸がすごい(笑)。

城田 あはは(笑)。それはTERUさんだから。TERUさんって本当に優しい方なんですよ。「TERUさん、今何してるんですか?」みたいな電話ができちゃうぐらいピリピリのピの字もないような人なんです。もちろんある程度の関係性はあっての話だけれど、自分が憧れていたアーティストの方と一緒に作品を作れるなんて夢のような時間でした。

RIKU いいお話をありがとうございます。これはこれは……。

城田 こちらこそ、聞いてくれてありがとうね。

1度きりのサビに思いを込めて

RIKU 「Mariage~君に贈る歌~」の歌詞はそのまま捉えればラブソングだと思うんです。同時期に僕らも「MY PRAYER」というシングルをリリースするんですが、ラブソングという部分で共通しているなと思いました。

城田 細かい歌詞のニュアンスとかは違うけど、愛の曲という部分で「MY PRAYER」と「Mariage~君に贈る歌~」は共通しているよね。「Mariage~君に贈る歌~」にはその前に入っているカバー曲と同様にラブソングの一面もありながら、僕からこのアルバムを聴いてくれる人への思いを伝えられればと思って書いた曲で。タイトル通りに考えればウエディングソングになっちゃうんだけれど、世の中にはいろんな形があって必ずしも結婚することが最大のゴールではないし、結婚じゃなくても2人で永久の愛を誓うことはできるからさ。そもそも人生観的に僕は結婚って紙の契約でしかないと思っていて、そんなことよりも2人の心が通って「この人とずっと一緒にいよう」という思いが一番大事なんじゃないかなと。だから「夜、雨が降っていると君に会いたくなるなあ」「君になんでこんなに夢中なんだろう」みたいな、言葉だけでは伝えきれない尊い思いを歌詞に詰めて「あなたに届け!」って感じ。だから一番伝えたいサビは1回しか入れなかった。「I love you」は1回限り。

RIKU あー、なるほど。それがサビが1回の理由なんですね。そういうふうに意味を込められるのもJ-POPの面白いところですね。

「音楽大陸」Vol.2後編は12月18日(金)に公開予定です。

城田優(シロタユウ)

2003年に俳優デビューし、映像、舞台、アーティストと幅広いジャンルで活動中。主な代表作にドラマ「ROOKIES」「SPEC」「天地人」「純と愛」、映画「亜人」などがある。舞台では2010年にミュージカル「エリザベート」で「第65回文化庁芸術祭」演劇部門 新人賞を受賞するなど数々の賞を受賞。2016年には「アップル・ツリー」で演出家デビューを果たした。近年の主な出演舞台に「ブロードウェイと銃弾」「ピピン」などがある。また2019年版「ファントム」では演出・主演を務めた。今夏公開されたディズニー&ピクサー最新作「2分の1の魔法」では主人公イアンの兄バーリー役の吹替を担う。ファッションの分野では「ブラックスキャンダル ヨウジヤマモト2020AWメンズコレクションモデル」「MICHAEL KORS2020AWのカタログ」など、モデルとしても活動している。2020年12月2日には珠玉のJ-POPをそろえたカバーアルバム「Mariage」をリリース。12月13日まで主演舞台「NINE」が大阪・梅田芸術劇場メインホールで上演中。

Yu Shirota(城田優)(@U_and_YOU) / Twitter
城田優 Yu Shirota(@yu_shirota)・Instagram photos and videos

RIKU(リク)

1994年8月10日生まれ。THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのボーカル。2014年4月に行われたLDH主催オーディション「EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 4 ~夢を持った若者達へ~」に合格し、THE RAMPAGEのボーカル候補生となる。同年9月に行われた「武者修行ファイナル」で正式メンバーに昇格。2017年1月にシングル「Lightning」でメジャーデビューを果たした。2017年から2018年にかけて初のホールツアー「THE RAMPAGE LIVE TOUR 2017-2018 "GO ON THE RAMPAGE"」を開催。2019年には全国13都市28公演からなる初のアリーナツアー「THE RAMPAGE LIVE TOUR 2019 "THROW YA FIST"」を行い、約26万人を動員した。2020年12月に13枚目のシングル「MY PRAYER」を発表。2021年2月24日には3rdアルバム「REBOOT」をリリースする。毎週金曜日にはメンバーの陣と共にスペースシャワーTV「ライブを100倍楽しむLIVE YEAH!!!」、bayfm「WEEKEND THE RAMPAGE」にレギュラー出演中。

@_riku_r.m.p.g_ldh・Instagram photos and videos

RIKUさんの近況

THE RAMPAGEとしては、新曲の制作も引き続き、LIVE×ONLINEのやリハーサル、来年以降のライブの準備、番組収録等ありがたい事にバタバタな毎日です。

そして先日、大事な撮影に向けて減量がスタートし、毎日腹ペコです。。。泣
食べる事が大好きな僕にとっては、かなりキツいです。
食べれる物も量も限られてる中で、トレーニングはいつもと変わらず、むしろ有酸素トレーニングが中心になるので辛いのですが、乗り越えた先にベストなパフォーマンスに繋がるので、負けずに頑張りたいと思います。

そして最近のオススメの一曲は、
我々THE RAMPAGEの「ESCAPE」です。
2曲連続で、我々の曲をオススメして申し訳ありませんが、僕自身めちゃくちゃ好きな曲です。
聴くタイミングを選ばない絶妙なチルソング。
是非ヘビロテで聴いていただきたい1曲になりました!

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