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後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)の INU COMMUNICATION

Jean-Ken Johnny(MAN WITH A MISSION)×後藤正文

毎月連載

第18回

20/8/10(月)

※注 編集部の方で狼語の翻訳をしてお届けしております。

── ぴあアプリで連載中の「INU COMMUNICATION」の取材ができない状況が続いていて、「特別編ということで、犬ではなくて、オオカミさんに会いに行こう」ということになりまして。

後藤正文 すみません。なんかくだらない企画で(笑)。

Jean-Ken Johnny(以下JKJ) いえいえ恐縮です。ありがとうございます。

後藤 Jean-Ken Johnnyさん、MAN WITH A MISSION(以下MWAM)のみなさんとはちゃんと話したことがなかったので、この機会に話してみたくて。

JKJ 嬉しいです。以前、ACIDMANのイベント(2017年11月、さいたまスーパーアリーナで開催されたACIDMAN presents「SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI”」)で、一瞬だけごあいさつさせていただきましたよね。もちろんバンドとしての存在はずっと存じ上げていて。一番最初はたぶん皆様と同じように『リライト』を聴いたときに、一瞬で心掴まれた記憶があります。

後藤 ありがとうございます。MWAMはベーシックがエモーショナルなロックだし、音楽的にもシンパシーを感じていて。僕たちよりもデジタルにしっかりアジャストしてる感じがありますけど、たぶん(音楽的には)そんなに遠くないところにいるんだろうなと。

JKJ 僕も、後藤さんのインタビューを読んで、これまで聴いてこられた音楽を知って、シンパシーを感じていました。確実にカブってますね。

後藤 そんな気がしますよね。例えばWeezerとかFoo Fightersは世代的に通ってるだろうし。僕は最初、「あ、もっと精密なビークル(BEAT CRUSADERS)が出てきた!」みたいな印象だったんですよ。世界型のビークルというのかな。僕らは東洋人だから、海外に行ったとき、見た目的に興味を限定されちゃうところがあると思うんですよ。「日本のバンドが来た!」って。でも、MWAMにはそれがない。

JKJ そうですね。日本の音楽、日本のバンドのコンテンツはすごく力強いんだけど、海外に行くと「日本からやってきたバンド」というイメージは少なからずあって。ただ我々はルックスがこうなので、外見ではなく、逆に音楽に総括されていくのかなと。

後藤 面白いですよね……これは全然関係ないんですけど、そのルックスだと病院とか行くときもいいだろうなあって。

JKJ あはははは(笑)。

後藤 病気の質によってはちょっと恥ずかしいときあるじゃないですか。

JKJ 「あの人、〇〇なんだ」みたいな(笑)。

── (笑)アジカンもかなり以前から海外でライブをやってますよね。

後藤 海外には2006年ぐらいから実は行ってて。あまりニュースになってないんですけど(笑)。

JKJ 我々のマネージメントが、アジカンのイギリスの公演を観に行ってましたよ。

後藤 あ、そうですか。ただ、マンウィズには「抜かれてしまった」というイメージの方が強いかもしれない。

JKJ そんなことないです(笑)。

後藤 でも、勝っていく理由もわかるので。アジカンはメキシコとかブラジルあたりが強いんですけど、マンウィズは北米やカナダでも人気があって。

JKJ ありがとうございます。海外の方は、日本のバンドカルチャーにもすごく関心を持っていただいてるんですけど、コンテンツとしてはやはりアニメーションが強くて、入り口がそこであることは間違いないと思います。でも、先ほども言わせてもらったように、実際にライブをやっていくなかで、音楽にフォーカスしてもらえるというか。

後藤 音楽的にもかなりラウドに寄ってますからね、MWAMは。ラウドロック、ヘビィメタルの文脈からも、オオカミだってことがちゃんと受け止められているというか。

JKJ そうですね(笑)。

── MWAMは今年10周年。アジカンはそろそろ25周年が目前です。

JKJ 25周年が近いんですか?

後藤 まあ、結成してからですけどね。20歳くらいで組んだバンドで、みんな40代半ばが近づいているので。これだけで長くやってって、変な感覚ですけどね。メンバー同士、普段はそんなに連絡をしないし(笑)。マンウィズは10周年とは言え、もうちょっとキャリアが長い感じがしますね。

JKJ そうですね。音楽と関わっている時間はもっと長いので。

後藤 そのあたりでいろいろ噛み締めてから、アウトプットし始めたんだろうなと。永久凍土から出てくるまでの時間を想像させるというか。

JKJ (笑)。

後藤 凍っていた時間の重さ、たぶんそこでいろいろあったオオカミたちなんだろうなって。そういうところも好きです。

JKJ ありがとうございます(笑)。今おっしゃっていただいたように「音楽で何かやりたい」と沸々と溜め込んでいた時期もあって。それを2010年のタイミングで爆発させたつもりだったんですけど、その思いのまま突っ走ってきて、ホントに密度が濃かった10年だったなと。

── ロックバンド然とした存在感と新しいサウンドを取り入れる柔軟性を兼ね備えているのも、MWAMとアジカンの共通点だと思います。

JKJ そうですね。いちファンとしてASIAN KUNG-FU GENERATIONを聴いていると、オーセンティックなギターロック、オルタナティブロックが濃くありつつ、時代の潮流を吸収することも抵抗なくやられているなと思っていて。ただ、やはり一番パンチ力があるのはオーセンティックなロックの部分なのかなと。

後藤 ありがとうございます。バンドを長くやってると、だんだんバンド自体が自分たちだけのものじゃなくなってる感じもあるんですよね。ファンのものでもあるというのかな。そこは難しいところですよね。僕はソロでガス抜きしてますけど。

JKJ なるほど。

後藤 「ラップやりてえー!」とか、インディロックみたいな音像はソロでやっていて。そうなるとアジカンは、伝統芸能みたいなロックをやっても大丈夫かなという気持ちになるというか。ただね、メンバーとの唯一の違いというのがあって、僕以外はガッツリBOφWYを通ってるんですよ(笑)。僕にはヒムロックの血が流れてない。

JKJ その血脈はないと(笑)。

後藤 その衝突が面白いのかもなとも思いつつ(笑)。でも、アジカンの音楽は、彼らによるところもすごく大きいんです。デモを渡して、それぞれが演奏パート考えるじゃないですか。そうすると、どうしてもアジカンみたいな型に落ちちゃうんですよ。それが悩みでもありますね。もちろん魅力でもあるんだろうけど。

JKJ わかります、それは。「結局、自分たちの一番ちょうどいい方程式にはめこんでしまっているのかもな」という悩みもずっとあるので。

後藤 バンドってそういうところがありますよね。「お前、毎回そうやるな!」みたいな。

JKJ 絶対あると思います(笑)。自分たちはまだ10年ですけど、リスナーのみなさんの方でも「マンウィズってこういう感じじゃない?」という型みたいなのが絶対にあると思うので。それを打破しようと、ちょっと違うジャンルを実験的にやってみることもあるけど、やってるうちに凄まじい不安に苛まれたり。

後藤 あははは(笑)。

── 後藤さんは以前、「バンドは意外と保守的」って言ってましたよね?

後藤 そうなんですよ。僕が何か新しいことをやろうとすると、メンバーが「いやいや、それは違うでしょ」みたいに、ハミ出させないように囲ってくるんです。一緒にハミ出してくれたら、もうちょっと違うことできるのに。

JKJ そうですよね。口では、「もっと新しいことやってみようよ」って言ってくるくせに(笑)。

後藤 本気で新しいことをやろうとしてデモを送ったら、LINEの既読付かないっていう(笑)。バンドは全員のコンセンサスというか、合意形成しながら進んでるので、人が関われば関わるほど動きづらくなっちゃう。それを動かすためにはもっと人のことに無関心にならなきゃいけないんですけど、そうするとたぶん、ビートルズのホワイトアルバムみたいになって、分解していくんだろうなと。

── それは本末転倒ですよね。

後藤 そうですね。でも僕は「お前も歌えよ、曲も作れよ」という気持ちがけっこうあるんですけどね。Teenage Fanclubのやり方とか、すごい好きなんですよ。メンバー3人が曲を書いて、それぞれ自分が作った歌を歌って、作風もちゃんとあって。“一生続けていくバンド”と捉えるのなら、そのほうが風通し良くない?って思ったりしますね。Teenage Fanclubだとちょっと気取ってる感じがするから、THE ALFEEかな。キャラ的にもそっちが合ってる気がする。僕もメガネだし(笑)。

JKJ アジカンのアルフィー化(笑)。自分たちは僕とベース(Kamikaze Boy)が曲を書いていて。それぞれに楽曲のスタイルがあるし、ある程度の多種多様性がバンドのなかにあるんですよね。あと、3枚目のアルバム(「Tales of Purefly」)あたりから自分たちの音楽のルーツ、例えば90年代のオルタナ・ギターロックの要素などを出しはじめて。「このバンド、こういう音楽も好きなんだ」っていうのをバランス良く表現できるようになったのは良かったのかなと。

── コロナ禍によって、ロックバンドにとってはキツイ状況が続いていますが、そこはどう捉えていますか?

後藤 まだなんとも言えないですよね。もとに戻ってほしいなという願望しかないですけど、病気自体をどう抑え込むかというのは専門外なので。もちろん不安もありますけど、そんなに深刻にならず、今できること──曲作ったりとか、ライブハウスを支援したり──そういったことをやりながら、なんとか乗り越えたいなっていう気持ちです。

JKJ そうですね。1ヶ所に人を集めてライブをやることに魅力を感じているのは確かなんですが、いろんなイベンターさん、アーティストさんが新しい形を模索していて。そのなかで出てきたインフラやテクノロジーを駆使することで、新しい形のライブ配信だったり、この先も生き続けていく概念を生み出せる可能性もあると思うんですよ。それを業界全体で考えていきたいという思いはありますね。

後藤 そうですよね。……そう言えば、ジョニーさんの顔って、笑ってるように見えますよね。

JKJ そうですか?(笑)

後藤 ただ、何かあったら噛むときの顔にも見えるんですよ、犬嫌いの僕からすると。

JKJ (笑)。なんで犬嫌いになっちゃったんですか、そもそも。

後藤 噛まれたんですよ。以前、横浜のとある神社に初詣に行ったんですけど、前に若いカップルがいて、めちゃくちゃ可愛い豆柴を抱っこしてたんです。僕は後ろに並んでたから、その人の肩口から豆柴がこっちを覗いてて。そんなの、撫でるじゃないですか。

JKJ 絵的には可愛いですもんね。

後藤 「かーわーいー!」って思って、撫でようとしたら思いっきり噛まれて。

JKJ 年始から(笑)。

後藤 そうそう。かわいい豆柴だったこともあって、ギャップにやられたというか、犬が信じられなくなっちゃったんです。ずっと犬を飼ってる家で育ったんですけど、その初詣の経験がトラウマチックに刻み込まれちゃって。こっちに「もしかしたら噛むかも」みたいな気持ちがあると、犬の側も見抜くみたいですね。

JKJ 怖がってるのはバレますからね。確実に。

後藤 なのでジョニーさんの顔が目の前にあると………完全に歯を見せてるので(笑)。こうやって話しているとすごく知性を感じるんだけど、半笑いで噛む顔だから怖い。

JKJ 大丈夫、噛まないです(笑)。

── この連載で色んな犬と出会って、だいぶ克服したのでは?

後藤 そうですね…。耳が垂れてる犬、レトリバー系とかは人懐っこいし大丈夫なんですよ。ただね、和犬がやっぱり、まだ怖くて。

JKJ 柴犬とか?

後藤 そうそう。ジョニーさんみたいに耳が立ってると、野性が強いらしいんですよ。それもマイナスポイントというか。

JKJ マイナスポイントなんだ(笑)。

後藤 だから、マンウィズとライブは一緒にやりたいんですけど、怖いなって思ってます(笑)。

JKJ 絶対、噛まないんで大丈夫です(笑)。

後藤 (笑)。何の話をしてるんだ。とりあえずこれを機に、仲良くしてください。で、僕の犬嫌いもやわらげてください。

── (笑)。音楽ファンとしては、いつかアジカンとマンウィズの海外ツアーを実現させてほしいです。

後藤 それは面白そうですよね、ホントに。

JKJ そうですね。日本のバンドだけで海外ツアーをやれたらいいだろうなというのは、じつは以前から思っていて。アジカンとやれたら、これほど光栄なことはないです。

取材・文:森 朋之

プロフィール

Jean-Ken Johnny

頭はオオカミ、身体は人間という異形の生命体5匹からなるロックバンド「MAN WITH A MISSION」のギター&ボーカルを担当。2010年より始動し、2011年にメジャー・デビュー。オリジナルアルバム5枚を経て、2020年2月に10周年を迎える。10周年3部作アルバムとして、4月に第1弾アルバム「MAN WITH A “B-SIDES & COVERS” MISSION」を、5月に第2弾アルバム「MAN WITH A "REMIX" MISSION」を、7月に第3弾アルバム「MAN WITH A "BEST" MISSION」をリリース。日本のラウドロックシーンを牽引するとともに、アジアや欧米ツアーなど海外でも精力的にライブ活動を展開、ファン層を世界に拡大し続けている。

アルバム情報

ALBUM
「MAN WITH A“BEST”MISSION」

【CD+DVD】SRCL-11525-6 ¥3,429+tax
【CD】SRCL-11527 ¥2,929+tax
 発売中

Blu-ray / DVD

「MAN WITH A MISSION THE MOVIE -TRACE the HISTORY-」

【Blu-ray】TBR30111D ¥5,556+tax
【DVD】TDV30112D ¥5,093+tax
 8月19日(水)リリース

プロフィール

後藤正文

ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル&ギターを担当。2003年ミニアルバム『崩壊アンプリファー』でメジャー・デビュー。2014年4月には、Gotchの名前で、ソロ・アルバム『Can’t Be Forever Young』を発表。バンド活動の傍ら執筆活動も積極的に行い、最新作「凍った脳みそ」が話題に。後藤正文として、約3年ぶりとなるソロ作品を、12inch/45rpm(2曲入り)で直筆サインが入ったスペシャル仕様のアナログ盤として、8月29日、9月26日、10月24日の「RSD Drops」にリリース。the chef cooks me シモリョーとの共同プロデュース楽曲「Nothing But Love」は、3月13日より先行配信中。またバンドとしては、昨年ELLEGARDEN、ストレイテナーと展開した「NANA-IRO ELECTRIC TOUR 2019」のBlu-ray / DVD「NANA-IRO ELECTRIC TOUR 2019」を8/5にリリース。
また、10月7日(水)に1年2ヶ月振りとなる両A面シングル「ダイアローグ / 触れたい 確かめたい」の発売が決定。
中村佑介氏が書き下ろしたイラストがプリントされたTシャツ付きの完全生産限定盤A / Bと、CDのみの通常盤、3形態での発売を予定している。
ツアー「酔杯2 〜The Song of Apple ~」の振替公演詳細は、オフィシャルサイトにて。

アルバム情報

ALBUM
「ホームタウン」

【初回生産限定盤(CD+2DVD)】
発売中
¥4,600+税
KSCL-3121 ~ KSCL-3123

【通常盤】
発売中
¥2,913+税
KSCL-3124

Blu-ray / DVD

Blu-ray / DVD「NANA-IRO ELECTRIC TOUR 2019」

【初回生産限定盤Blu-ray】KSXL-304~305 ¥6,200+tax
【通常盤DVD】KSBL-6360 ¥5,000+tax
【通常盤Blu-ray】KSXL-306 ¥5,700+tax
 発売中

※初回生産限定盤 (Blu-ray)
特典映像「NANA-IRO ELECTRIC TOUR 2019 Documentary at Osaka, Nagoya & Yokohama」
大阪, 名古屋, 横浜公演のバックヤードやリハーサル、打上げの模様を約70分収録



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