Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

Paledusk、Hakubi、TETORA、CRYAMY……現在進行形でライブハウスを沸かす2020年注目の新鋭バンド

リアルサウンド

20/1/26(日) 8:00

 ストリーミング配信が浸透し、ネット発のアーティストの台頭が目立った2019年。バンドシーンでも、CDの売り上げ・MVの動画再生回数に加えてストリーミングでの再生回数が流行を生んだ。さらに、TikTokなどのアプリから“バズ”りライブ動員が一気に増えるなど、人気の指標や、発生の仕方が多様化した1年であった。一方、機材車で全国を周りながらライブハウスという“現場”にこだわるバンドがいることも見過ごせない。本記事では、2020年、現在進行形でライブハウスを沸かしているバンドをピックアップ。ネット経由ライブハウス行きの流れに乗って、新たなバンドに、音楽に出会ってほしい。

(関連:ネクライトーキー、ズーカラデル、SPARK!!SOUND!!SHOW!!、Novelbright…フェスでさらなる飛躍を予感させるバンドたち

■Paledusk

 地元・福岡に拠点を置き2015年からライブ活動を始めたPaledusk。何度かのメンバーチェンジを繰り返しながら現在は、Kaito(Vo)、Daisuke(Gt)、Tsubasa(Gt)、Seiya(Gt)の4人で活動している。ラウドロック、メタルコアを飲み込んだヘヴィなサウンドが特徴的。ライブパフォーマンスは割れんばかりの爆音でフロアのボルテージを高めながら、楽器隊のアグレッシブなプレイのもとKaitoのスクリームでさらに攻め立てていくスタイルだ。福岡を中心としながらも各地のライブハウス、加えて韓国でもライブをしており、過去には、Periphery東京公演のサポートアクトを務めたことも。2020年は、2月1・2日に開催のcoldrain主催のライブイベント『BLARE FEST. 2020』、HEY-SMITH主催のサーキット式ツアー『HEY-SMITH pre. HAZIKETEMAZARE TOUR 2020』への出演が決定。ラウドシーンの新星としての期待が伺える。

■Hakubi

 弾き語りでも注目されていたSNS上に顔出しをしていない片桐(Vo/Gt)と、ヤスカワアル(Ba)、マツイユウキ(Dr)の3人で活動している京都府出身のロックバンド・Hakubi。2019年4月、CDリリースのためにライブハウス・KYOTO MUSEが作ったレーベル<NEW KIDS ON THE RECORDS>から『光芒』をリリースし、初の全国流通を果たした。劣等感や焦燥、絶望、先の見えない未来への不安、それでも生きていく意思が綴られた曲たちは、ライブでとんでもない爆発を生み、3ピースのストレートな音が見るものの心に痛いほど刺さっていく。人生や現実に光を求めるモラトリアム真っ只中の20歳前後のリスナーから支持を集め、着実にバンドキャリアを積んでいる印象だ。3月19日にumeda TRADで行われる音楽雑誌『Talking Rock!』が注目するアーティストによるライブイベント『ニューロック計画!』への出演も決まっている。

■TETORA

 大阪発の3ピースロックバンド、TETORA。メンバーの脱退を乗り越え、上野羽有音(Vo/Gt)、いのり(Ba/Cho)、ミユキ(Dr)の現体制で活動している。2018年タワーレコード限定で発売されたデモシングル『イーストヒルズ』収録の「ずるい人」が話題となり、MVは70万回再生を突破(2020年1月16日現在)。2019年に<Orange Owl Records>から1stフルアルバム『教室の一角より』を発売し、音楽番組に取り上げられるなど、バンドの認知度も高まっている。上野のハスキーで高音で息を切るような歌声が特徴的。温かみのあるメロディに等身大の恋愛模様をのせた曲たちは、同世代の女性を中心に心を掴んでいる。加えて、1回1回の現場への想いの丈をひしと感じるライブは荒削りながら素晴らしい。2月5日には新シングル『あれから』をリリース。バンドの勢いもある中であくまで彼女たちは着実な歩みを望み、他バンドのツアーに参加しながら自身のリリースツアーを巡るとのこと。ツアーファイナルは、バンド史上初のワンマンライブを大阪・梅田CLUB QUATTROで開催予定。さらなる飛躍が期待される。

■CRYAMY

 CRYAMYは、2017年に結成されたロックバンド。2018年からカワノ(Vo/Gt)、フジタレイ(Gt)、タカハシコウキ(Ba/Cho)、オオモリユウト(Dr)の4人で活動を本格化させた。自主制作にて1st ep『CRYAMY#2』をライブ会場にて販売し、300枚が即完。同epに収録された、「普通」や「テリトリアル」のMVも耳の早いリスナーの間で話題となり、2018年9月には『TOKYO CALLING 2018』に出演、徐々にインディーズシーンで頭角を現している。作詞作曲を担うカワノの退廃的な世界観とノイズが特徴的で、メロディに語感のいい言葉を使い、韻の踏み方が独特な歌詞の展開も癖になる。決して極端なことは歌わず、生活に潜む些細な諦めや怠惰、救われなさ、人間であるかぎり理不尽でも不幸でも生きていかなければならない、どうしよう無さを曲に落とし込む。ライブでも轟音に載せてノイズを掻き鳴らし爪痕を残している。そんな彼らは、昨年12月に2nd ep『#3』を発売したばかり。リリースツアー『月世界旅行記』の真っ最中だ。

 以上4組を紹介した。メジャーになることが正義ではないが、ぜひ今のうちに出会って欲しいバンドである。2020年も、全国各地津々浦々のライブハウスで何百回とライブが行われるだろう。あなたの街のライブハウスで時代を創るバンドが今日も音を鳴らしているかもしれない。ライブハウスは出会いの場所だ。画面越しではなく、あなたの目で、耳で、新たなバンド・新たな音楽との出会いを楽しんで欲しい。(石見優里佳)

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む