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『Nizi Project』“世界の架け橋”となるガールズグループへの26名の挑戦 オーディション番組Part 1を総括

リアルサウンド

20/4/10(金) 8:00

 韓国の芸能事務所JYPエンターテインメントとソニー・ミュージックエンタテインメント、ソニー・ミュージックレーベルズによるガールズグループオーディションプロジェクト『Nizi Project』。Huluで配信されていたオーディション番組Part 1が3月27日最終回を迎え、韓国での本格トレーニングを受ける選抜メンバー14名が決定した。

 ことの始まりは、2019年2月。JYPエンターテインメントの創業者で、音楽プロデューサーのJ.Y. Park氏は、「JYPのカラーは維持しつつ、一段階アップグレードさせたガールズグループを作ろうと思っています」と記者会見で宣言し、日本、ハワイ、LA全10カ所で大規模なグローバルオーディションを開催することを発表した。その名も、“Nizi Project”。この名称には、J.Y. Park氏の「メンバーそれぞれの色(個性) が重なり、美しい光を放つ “虹” のような存在を発掘・育成、“世界の架け橋”となるガールズグループを世に輩出する」という想いが込められている。

 予選を突破した26名にJ.Y. Park氏が課した、4つのキューブ獲得。キューブは、それぞれダンス・歌・スター性・人柄を意味するという。つまりガールズグループのメンバーに選ばれるためには、基礎的なダンス・歌の技術と他の人にはない魅力、努力する姿勢や思いやりの心が必要だった。さらに、J.Y. Park氏が何度も口にしていたのは“ナチュラルさ”。J.Y. Park氏は、気合いが入りすぎている参加者たちに対して、常に「ありのままでいてください」と言い続けていた。

 自分の個性を理解し、パフォーマンス向上のために努力できるーーそんな審査基準を突破した選抜メンバー14名を改めて紹介したい。

 まず注目したいのが、最終ランキング上位を総なめしたJYP練習生の活躍だ。東京合宿でダンス・ボーカルテスト共に1位を獲得したマコは、予選の時から異才を放っていた。2017年に開催されたJYPエンターテインメントの公開オーディションで合格し、韓国でトレーニングを受けてきたマコ。誰よりも真面目で、一日中ダンスの練習に励むことも。東京合宿では、マコが披露した難易度の高いダンスに、J.Y. Park氏が思わず涙する場面もあった。

 マコとはまた違ったタイプの“天才”が、JYPでの練習期間7カ月のミイヒだ。いつも笑顔で天然な性格をしているため、一見頼りなげな印象を受けるが、パフォーマンスを披露した途端にそのイメージは一変。持ち前の表現力で、ダンスには可愛らしさと力強さを同居させ、歌うときには大人っぽさを見せる。J.Y. Park氏も「スターになる準備ができている」と絶賛した。特に印象に残ったのが、東京合宿で歌った中島美嘉の「雪の華」。透明感のある心のこもった歌声に、ラストまでJ.Y. Park氏は聴き入った。放送後はSNSでも、彼女の歌声は話題に。漫画に登場するヒロインのような女の子だ。

 ヒップホップアーティストのZeebraと、モデルの中林美和を両親に持つリマは、15歳(撮影当時)とは思えない大人びた容姿で人目を惹きつける。ラップを得意とし、予選では自分で作成したリリックを披露。J.Y. Park氏は優れた才能を持っている彼女に、予選で「なぜ不安そうに見えるのか?」と問いかけた。その時、リマが明かしたのは「自分の力で私ができることを見せたい」という自身が抱えるプレッシャーだった。一見クールに見える彼女だが、メンバーに甘える可愛らしい一面も持っている。日韓ハーフのユナも、JYPでの2年8カ月の練習を得て、オーディションに参戦。J.Y. Park氏も予選の時から彼女のことを“エース”と称し、注目した。しかし、そのプレッシャーから力が入り過ぎてしまい、ダンス・ボーカルテスト共に「切迫して見える」と指摘が。もっと楽になってほしいというJ.Y. Park氏からの言葉を胸に挑んだSHOWCASEでは、審査員のTWICEモモ・サナから高評価を受けた。

 最終ランキング3位に輝いたマヤも、元々はYGエンターテインメントジャパンの練習生だ。彼女の魅力は、豊かな表現力。人よりも涙もろい繊細な心を持っているからこそ、それがパフォーマンスにも活きている。中でもスター性評価で披露した『みにくいアヒルの子』の紙芝居は感動を呼び、J.Y. Park氏は「マヤさんはいつも目で“私はあなたの話をしっかり聞いていますよ”という心を伝えてくれる」と彼女の人柄を評価した。

 他にも、リリアは過去にエイベックスに所属していたユニットのメンバーとして活躍。リオもLDHが展開するダンススクール「EXPG」でレッスンを受けていた。J.Y. Park氏からは厳しいアドバイスを受けることも多かったが、二人ともまだ出し切れていない才能を評価され、最終メンバーに選出された。

 時には優しく、時には厳しく的確なアドバイスを出すJ.Y. Park氏。そんな彼が大きな期待を寄せていたのが、日米ハーフのニナだ。圧倒的な歌唱力を持つニナは、予選で「あなたは完全にスターだと思う」とJ.Y. Park氏に言わしめた(第1話)。期待が大きいだけに、東京合宿のダンステストで努力の足りなさを指摘されたが、ボーカル・スター性評価では実力を出し切ったニナ。SHOWCASEでは、歌で綺麗な高音を披露し、「(歌が)一番上手い」と改めて評価を受けた。今後は、J.Y. Park氏に指摘されたダンスの技術をいかに向上させるかがデビューの鍵となる。リクもJ.Y. Park氏から常にポジティブな評価を受け続け、ダンス・ボーカルテストでも上位に。最終的には、JYP・YGJの練習生に続く5位を獲得した。

 また、アヤカも予選からJ.Y. Park氏に注目されていたメンバーの一人。彼女は華やかなビジュアルで、予選の時も周りの視線を独り占め。ダンスのレベルは不合格だと考えたJ.Y. Park氏だったが、アヤカのスター性を見込んで合格を言い渡した。その後も厳しい評価が続いたが、彼女の魅力は“ナチュラルさ”。選抜メンバー発表の際には初めて涙を流し、「選んでくださったことに恥じないように頑張りたい」と宣言した。すでに実力が備わっているメンバーがいる一方、アヤカのように素直で素朴な魅力を持つメンバーも。恥ずかしがり屋な大学生のスズは、他のメンバーよりもデビューに向けたスタートが少しだけ遅い。それでも独学で練習を重ね、SHOWCASEでは、モモとサナ両方から注目された。太陽のような明るさで周りを照らすのは、笑顔でJ.Y. Park氏を虜にしたアカリ。東京での合宿前に扁桃腺の手術を受け、体調が優れなかった彼女だが、J.Y. Park氏から厳しい評価を受けても言い訳一つしなかった。韓国でのトレーニングを受けて、輝きを増した彼女たちの姿に期待したい。

 予選と合宿でのテストでは高評価を受けることはできず、SHOWCASEで巻き返したのがモモカとマユカだ。モモカは予選で「基本ができていない」とJ.Y. Park氏から指摘を受け、薦められたラップをボーカルテストで披露した。練習の成果は発揮できたものの、順位は15位。しかし、最後のパフォーマンスでは表現力を評価され、見事最終メンバーに選ばれた。マユカは合宿で実力を出し切れないまま、SHOWCASEに。キューブは未獲得だったが、心から楽しんでいる姿をJ.Y. Park氏に見せることができた。結果、彼女は最後にダンス・ボーカル・スター性のキューブをすべて獲得することに成功。彼女の努力を知っていた他のメンバーたちも、涙を流してマユカを祝福した。

 そして、残り12名の参加者たち。彼女たちは惜しくも脱落となってしまったが、それぞれに輝く魅力を持っていた。第7話でJ.Y. Park氏が語った、「1位になっても26位になっても同じように特別」という言葉。努力し続けられる彼女たちが、夢を諦めず、また違う場所で活躍してくれることを祈っている。

 東京合宿で切磋琢磨した仲間の夢を背負った14名の選抜メンバーは韓国へ渡り、6カ月間の本格トレーニングを受ける。さらにその中から、最終メンバーを選出。2020年11月予定のデビューを目指して、準備を進めていく。一体何名のガールズグループが誕生するのか。公式から発表される『Nizi Project』の最新情報に注目していきたい。(苫とり子)

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