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Kバレエの“新世代”ダンサーたちが繊細に立ち上げる「白鳥の湖」幕開け

ナタリー

21/3/24(水) 11:00

Kバレエカンパニー「白鳥の湖」ゲネプロより。(Photo by Hidemi Seto)

Kバレエカンパニー「白鳥の湖」が、本日3月24日に東京・Bunkamura オーチャードホールで開幕。初日に先駆けて昨日23日に、ゲネプロが行われた。

熊川哲也による「白鳥の湖」は、2003年に誕生して以来、Kバレエが上演を続けている演目。今回はオデット / オディール役に日高世菜、小林美奈、成田紗弥、毛利実沙子、ジークフリード役に堀内將平、山本雅也、石橋奨也、高橋裕哉、ロットバルト役に栗山廉、杉野慧、西口直弥、グレゴワール・ランシエがキャスティングされた。なお日高は今年1月にKバレエにプリンシパルとして入団し、山本は昨年1月、堀内は10月にプリンシパルに昇格した。

4幕構成の本作は、オデットが悪魔ロットバルトに連れ去られ、白鳥に姿を変えられてしまうプロローグからスタート。一方、成人したジークフリード王子は、母である王妃から花嫁選びをするよう告げられて戸惑う。白鳥を追って森にやって来た王子は、人間の姿に戻っていたオデットに出会って恋に落ち……。

オーケストラの生演奏と共に幕が開くと、舞台前面にかかった紗幕の奥にオデットが登場。背後から忍び寄ったロットバルトにより、彼女はマントの中に隠されてしまう。やがて音楽の盛り上がりと共に、白鳥に姿を変えられてしまったオデットが再び姿を現し、観る者を一気に物語へと引き込んだ。

2幕では、「白鳥の主題」として知られる旋律に乗せ、オデットとジークフリードが美しいパ・ド・ドゥを披露。白鳥役の女性ダンサーたちも2人の後ろで一糸乱れぬ群舞を見せ、幻想的な光景を作り出した。

昨日のゲネプロでは、オデット / オディール役を成田、ジークフリード役を堀内、ロットバルト役を栗山が務めた。成田は、指先まで神経の行き届いた繊細な腕の動きで白鳥のはばたきを表現し、ロットバルトに運命を翻弄され、王子との恋に悩むオデットのはかない姿を立ち上げた。その一方、第3幕で黒鳥・オディールに扮する場面では、オデットとは打って変わった挑戦的な表情で魅せる。オディールがジークフリードを惹きつけては突き放すさまには、妖艶な美しさが漂った。

ジークフリード役の堀内は、ダイナミックなジャンプやターンで、若さあふれる王子をエネルギッシュに演じる。またマイムや表情の変化から、ジークフリードの花嫁選びへの戸惑いや、オデットに惹かれていく様子を表した。ロットバルト役に初挑戦の栗山はマントをはためかせ、長い手足を生かしたしなやかな踊りで観客を魅了。首をフクロウのように傾ける不気味な動きで、美しくも禍々しい存在感を放った。

上演時間は約2時間40分となり、公演は3月28日まで。28日の公演では、Streaming+を通じたオンラインライブ配信も行われる。

熊川哲也 Kバレエ カンパニー Spring 2021「白鳥の湖」

2021年3月24日(水)~28日(日)
東京都 Bunkamura オーチャードホール

芸術監督・演出・再振付:熊川哲也
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

出演

オデット / オディール:日高世菜、小林美奈、成田紗弥、毛利実沙子
ジークフリード:堀内將平、山本雅也、石橋奨也、高橋裕哉
ロットバルト:栗山廉、杉野慧、西口直弥、グレゴワール・ランシエ
ほか

※日高世菜、高橋裕哉の「高」ははしご高が正式表記。

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