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i-新聞記者ドキュメント-

19/11/13(水)

23年間、スポーツ新聞で新聞記者をやった。元新聞記者のサガなのか、新聞記者が主人公の映画は気になって仕方がない。 本作は東京新聞の望月衣塑子記者を、『FAKE』の森達也監督が追いかけたドキュメンタリー。シム・ウンギョン、松坂桃李がW主演した劇映画『新聞記者』(藤井道人監督)のプロデューサー、河村光庸氏が企画・製作・エグゼクティブ・プロデューサーを務めた。 劇映画版『新聞記者』はデジタル・ネイティブ世代の藤井監督がメガホンを取った。藤井監督はいったんは固辞したそうだが、「そういう藤井監督だからこそ撮って欲しい」とのオファーを受け、引き受けたのだという。「映画は志よし」だったが、新聞社自体の描写には不満が残った。新聞社の描写がリアルではなかった。共同通信のピーコ(速報を知らせる音)が鳴り、喧騒のような編集局がなかったのだ。 本作では、描かれていること、描かれていないことを含めて、生々しい。辺野古基地移転問題、森友学園、前川喜平・元文部科学省事務次官らを追いかけ、菅内閣官房長官の会見に出席する望月記者の日常。官房長官会見では、取材を元にした「ファクト」をぶつけるが、菅内閣官房長官からは紋切りの回答しか返ってこない。やがて、望月記者には「質問制限」が課されてしまう……。 望月記者の取材手法には賛否両論があるのは承知しているが、記者が自由に質問できないのは大いに問題がある。記者の口を封じることは、国民の「知る権利」を奪うことだからだ。一人の新聞記者に起こったことは、実は国民一人ひとりにも起こりうることである。本作は、新聞記者への叱咤激励であると同時に、全国民に投げかけられた大きな問題提起だ。全国民必見。

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