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ほたるが発起人、5人の監督が“さりゆくもの”遺すオムニバス映画公開

ナタリー

20/12/11(金) 17:00

「短篇集 さりゆくもの」ポスタービジュアル

女優で映画監督のほたるが企画発起人を務めたオムニバス映画「短篇集 さりゆくもの」が、2月20日より東京・K's cinemaほか全国で順次公開される。

本作のきっかけとなったのは、ほたるの監督2作目となる無声映画の短篇「いつか忘れさられる」。ほたるの出演作「色道四十八手 たからぶね」 撮影中に急逝した渡辺護の出征した兄のエピソードからインスパイアを受け、35mmフィルムで撮影した作品だ。その後、ほたるが去って行ったものや亡くなった人たちを遺すというテーマに共鳴した小野さやか、山内大輔、小口容子、サトウトシキを誘いオムニバス映画として本作を完成させた。

「短篇集 さりゆくもの」では、「いつか忘れさられる」のほか、小野が2011年に撮影したドキュメンタリー「八十八ケ所巡礼」、山内による生まれつき醜い痣のある女を主人公にしたホラー「ノブ江の痣」、小口が手がけた「泥酔して死ぬる」、サトウが監督、故・櫻井拓也が主演を務め、親子の離別を描いた「もっとも小さい光」を観ることができる。

ほたるは「これまで懇意にしていた監督方に声をかけ、参加していただいたのが、この短篇集です。最終的に素晴らしいクリエイターたちに集まってもらえたと思っています。映画館の暗闇で5本の作品の個性を感じていただければ幸いです」とコメントした。

山内は「最初にほたるさんから『制作費は監督の自腹で』と言われた。これがクラウドファンディングだったら自分はやらなかった。ずっと人(会社)のお金で撮ってきたし、そこには必ず責任が伴う。今自分が自主映画をやる意味があるとすれば、何にも縛られず自腹で自由に撮ることだ。もちろん監督としてスタッフとキャストには責任がある。だから多くの方に観て頂きたいと思っている」と思いを語っている。またサトウは「もう長い付き合いのほたるから相談を受けスタートしました。竹浪(春花)が書いてきたのは親子の離別と若い男女の希望の物語です。迷わずに主人公の男を櫻井拓也にお願いし、2年前に撮影と編集まで終わらせて違う映画の撮影に入りました」「画面の中で櫻井は相変わらず愁い輝いています。そんな櫻井拓也にどうぞ会いにいらしてください」と呼びかけた。

ほたる コメント

「短篇集 さりゆくもの」はその中の1本「いつか忘れさられる」が先に完成していました。しかし、15分という長さの35mmフィルム作品をどういう形で公開したらいいのか…。相談に乗ってもらった方に言われたのが「同じテーマと尺で付き合いのある監督に新たに作品を撮ってもらって、短篇集にしてみたら? それはぜひ観てみたい」ということでした。
それは私も観たい!!
ということで、これまで懇意にしていた監督方に声をかけ、参加していただいたのが、この短篇集です。最終的に素晴らしいクリエイターたちに集まってもらえたと思っています。
映画館の暗闇で5本の作品の個性を感じていただければ幸いです。

監督作「いつか忘れさられる」は、出演した「色道四十八手 たからぶね」の残フィルムで撮影をしました。監督をするはずだった故渡辺護監督から、強い影響を受けたお兄様が出征され戻らなかったと聞き、自分の祖父の話を思い出しました。沖縄で戦死し、祖母の元に戻って来た骨壺には小さな白い石数個だけが入っていたと。
このまま何もしないと、それも「いつか忘れさられる」。行ったまま戻れなかった人も映画になる事で忘れさられない。そうしたいと思いこの作品を作りました。

小野さやか コメント

偶然の再会がきっかけでした。
ほたるさんには不義理を重ねていました。
呑み屋でバッタリ会って今回の上映に声をかけていただきました。
2011年に撮った映像はいつか形にしたいと思っていましたが、自分でもどうしたらよいかわからないままずっとシコリとなっていました。
劣化して取り込めなかった3本のHDVテープがありました。
ひと夏の冒険が永遠にここに刻まれたことを嬉しく思っています。

山内大輔 コメント

自主映画を撮るのは映画学科の学生だった頃以来だから27年ぶりだ。最初にほたるさんから「制作費は監督の自腹で」と言われた。これがクラウドファンディングだったら自分はやらなかった。ずっと人(会社)のお金で撮ってきたし、そこには必ず責任が伴う。今自分が自主映画をやる意味があるとすれば、何にも縛られず自腹で自由に撮ることだ。もちろん監督としてスタッフとキャストには責任がある。だから多くの方に観て頂きたいと思っている。

小口容子 コメント

酒が好きだ。
19歳くらいから飲み始めて、30年以上飲んでいるが飲み飽きることは、ない。そんなある日、新聞の新刊本広告を見て、衝撃を受けた。町田康・著「しらふで生きる」。有名な大酒飲みである町田康が“四年間、一滴も飲んでいない”という衝撃的事実が宣伝文句として書かれていた。町田康が酒をやめられたなら、この本を買って読めばもしかして私も…? 結果は、この映画を見てください。

サトウトシキ コメント

もう長い付き合いのほたるから相談を受けスタートしました。竹浪が書いてきたのは親子の離別と若い男女の希望の物語です。迷わずに主人公の男を櫻井拓也にお願いし、2年前に撮影と編集まで終わらせて違う映画の撮影に入りました。

オムニバスで一緒に上映される他の作品も決まり、今映画の仕上げの続きをやっています。画面の中で櫻井は相変わらず愁い輝いています。そんな櫻井拓也にどうぞ会いにいらしてください。

(c)2020「短篇集 さりゆくもの」製作委員会

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