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のんと橋本愛、夢のタッグがスクリーンで再会「私が月だとしたら、のんちゃんは太陽」

ぴあ

20/12/17(木) 7:00

のん×橋本愛 撮影 / 奥田耕平

このふたりが一緒に並ぶ光景を、どれだけ多くの人が待ち望んでいただろうか。

女優・のんが“おひとりさまヒロイン”を演じた映画『私をくいとめて』。芥川賞作家・綿矢りさの同名小説を映画化した本作で、のんは31歳のシングル女性・黒田みつ子を演じる。そして、みつ子の親友・皐月に扮するのは、橋本愛。朝ドラ以来、7年ぶりにのんと橋本愛が共演を果たす。

「7年前の愛ちゃんの印象は、本能で生きている人。見た目はすごくクールなのに、中身は暴れん坊(笑)。そのギャップが印象的でした」(のん)

「良いように言ってもらってありがたいです(笑)。当時の私は、今こうやって振り返ってみても、人の気持ちがわからない人間だったなと思います。きっとのんちゃんにも迷惑をかけていただろうなって自責の念にかられていたので、のんちゃんにはとにかく懺悔の気持ちです(笑)」(橋本)

まるで高校時代のクラスメイトのように思い出話を咲かせるふたり。7年という月日はふたりを素敵な大人の女性へと変えた。

「久しぶりに会った愛ちゃんは、本能で生きていたのが、ちょっと理性が芽生えた感じ(笑)。なんだろう、私の中では愛ちゃんってじっとしていられないというか。野っ原があったら全力で駆け回っている人というイメージだったんですけど、今はちゃんと野っ原で我慢している印象です」(のん)

「自分でもあの頃よりはまともになっているという気持ちで会いに行きました(笑)」(橋本)

「えー、でも、まともじゃないのも面白かったですけどね(笑)」(のん)

「私が月だとしたら、のんちゃんは太陽。私がどうやっても出すことのできない輝きを持っている人です。あまり言葉数は多くないんだけど、内にものすごくたくさんの言葉を抱えている。簡単に人にわからせないようなものを持っている人というイメージは、昔も今も変わらないですね」(橋本)

劇中、みつ子は、結婚を機にイタリアへと移住した皐月に会いに渡伊する。驚きなのは、ふたりにとってのラストシーン。ここは、台本には台詞は一切書かれておらず、現場でふたりがアドリブでつくり上げたという。

「しかもそれが私にとって撮影の初日だったんです。みつ子と皐月にとってはこれが最後だけど、私とのんちゃんにとっては久々の再会の場面。久しぶりすぎてお互い照れてヘドモドしちゃって(笑)。これは話にならんということで、のんちゃんに本読みをお願いしました」(橋本)

「私もドキドキしすぎて、もう帰りたいっていうくらい恥ずかしかったです。だから、愛ちゃんから『一緒に本読みしよう』って誘ってくれてうれしかった!」(のん)

「先に本読みをしておかないと、あのシーンはやれなかったよね。はだけたストールをみつ子がかけてくれるのも、最後に私が『みつ子と見れた』と言うのも全部アドリブ。私たちがテストでいろいろ試したものを、最終的に大九(明子)監督が整理してくださって、あんな素敵なシーンになりました」(橋本)

劇中では、皐月は妊娠しているという設定。これは原作には映画オリジナルのアイデアだ。妊娠したことを独身のみつ子に言い出せない皐月と、皐月の妊娠をすぐには祝福できなかったみつ子。そこに、アラサー女性のリアルな友情が浮かび上がってくる。

「私も、仲の良い友達に子どもができたとき、『悔しい』っていう気持ちが沸いてきたことがあって。たぶんその悔しさは、その友達に私よりも絶対大事にする存在ができたことに嫉妬みたいな気持ちが生まれたからだと思います。だから、みつ子の微妙な心理はすごくわかる気がしました」(のん)

「私はまだ周りの友達も全然結婚していないし、自分自身も結婚や出産というものに対してまだ何も思っていないから、みつ子と皐月の感覚はわからないところもあるけれど、友達に対して嫉妬心が芽生えるということはあります。仲の良い子に対して、私がいちばんの友達なんだからっていう独占欲が沸いて、他の子と親しくしているのを見るとヤキモチをやいたりとか。そういう感情は、今までも経験してきたことはありました」(橋本)

そんな“おひとりさま”の揺れ動く気持ちがビビットに描かれた本作。劇中でもみつ子がひとりの生活を満喫する姿が描かれているが、ふたりはどこまでなら“おひとりさま”でもできるだろうか。

「私は何でもできます。ひとり焼き肉も全然しますし」(橋本)

「えー、すごい」(のん)

「ひとりで海も行ける。周りにカップルとかいたけど、意外と大丈夫だった(笑)」(橋本)

「海辺を散歩するくらいならひとりでできるかもしれないけど、ひとりで海水浴は無理です。プールはどう?」(のん)

「プールはひとりは無理かも……」(橋本)

「じゃあゲレンデは?」(のん)

「それは行けそう。ひとりで練習と思えば、全然平気」(橋本)

「そっか。私もひとり焼き肉までならたぶんできるかな。あ、あと、ひとり旅も! ただし、スケジュールを組むのが下手くそなので、行き当たりばったりの旅行になりそうだけど(笑)」(のん)

こんなふうにふたりが屈託なく話しているだけで、胸にあたたかい気持ちが宿るのは、のんと橋本愛というコンビが多くの人にとって特別なものだから。7年ぶりの再共演。ドリームコンビの息のあった掛け合いをスクリーンで堪能してほしい。

『私をくいとめて』12月18日全国公開

原作:綿矢りさ「私をくいとめて」(朝日文庫 / 朝日新聞出版刊)
監督・脚本:大九明子 音楽:高野正樹
劇中歌 大滝詠一「君は天然色」(THE NIAGARA ENTERPRISES.)
出演:のん 林遣都 臼田あさ美 若林拓也 前野朋哉 山田真歩 片桐はいり / 橋本愛
製作幹事・配給:日活 制作プロダクション:RIKIプロジェクト 企画協力:猿と蛇 (c)2020『私をくいとめて』製作委員会
kuitomete.jp

撮影 / 奥田耕平、取材・文 / 横川良明

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